「英語を勉強しなきゃ」「資格試験に合格しなきゃ」でも・・・時間が足りない!!
試験に合格できる暗記力は、記憶の素質や才能とは別物。暗記作業を最短で終わらせる「高速暗記術 !」
- 忙しくても試験に合格したい
- 勉強したいのに時間が足りない
- だるい暗記は最短で終わらせたい
- 覚えなければいけないことがたくさんある
「どんな本?」
この本は、資格試験などの暗記作業を最短で終わらせる本です。
「記憶力」に生まれながらに決まっている才能や素質はあるのでしょうか。
脳科学や遺伝学の領域においては、以前からこの点が研究されていますが、記憶に持って生まれた才能がどの程度関わっているか、結論は出ていないようです。
ちなみに私は、「正直、どっちでもいい」と思っています。
脳科学者や遺伝科学者の立場からすると、結論を出したいであろうことは想像がつきますし、世の中の人も気になるような話題だとは思います。
しかし、「会社から取れと言われた資格は、記憶の才能がないからとりません」なんて言い訳はできません。
私も、内定が決まってから、会社指定の資格をいくつか取得しましたが、「記憶の才能がない人は取らなくていいよ」とは一言も言われませんでした。
海外で働くにしても、「記憶の才能がないから英語は全く話せません」では通用しませんし、
「記憶の才能がないから点数は低いけど、東大に合格させてください」というのも無理な話です。
私が興味があるのは、才能の有無などではなく、今なにができるか。
つまり、どうやったら最短で暗記作業を終わらせることができるのかです。その答えを、本書では教えてくれます。
著書の鬼頭政人さんは、東大卒の弁護士であり、株式会社サイトビジットの代表取締役でもあります。自身が、東大受験や司法試験などの難関試験を乗り越えてきただけでなく、「資格スクエア」というオンライン資格試験サービスを運営し、資格を取りたい人に向け、「最短合格勉強法」を提供しています。
そんな著書の、「暗記の極意」を、早速ご紹介していきます。
3つの「そうなんだ!」ポイント
- 試験では、まず覚える量を減らす
- 電車に乗る前から暗記は始まっている
- 早朝は暗記のゴールデンタイム
1. 試験では、まず覚える量を減らす
本書では、試験に最短で合格することを前提としたテクニックを紹介しています。
「いくら時間がかかってもいい」
「合格できなくてもいい」
とういのであれば、各々が一番楽しいように勉強をすれば良いを思います。
試験に最短で合格したいという人は、「試験では、まず覚える量を減らす」ということが大切であると本書で述べています。
例えば、TOEICを受験ケースで考えていきます。
- TOEIC専用の英単語帳だけをつかって勉強する
- 1万単語載っている英単語帳をつかって勉強する
TOEIC専用の英単語帳は、およそ1,500単語くらいが載っています。
1,500単語と1万単語であれば、「1万単語覚えているよ」という方が「すごいなぁ」と感じるでしょう。
しかし、試験に出やすい英単語というのはほぼ決まっています。
1,500単語と1万単語覚える時間の差は、単純計算で6.7倍です。
1,500単語覚えるのに1ヶ月必要であれば、1万単語覚えるのにかかる時間は6.7ヶ月です。
それでいて、出ない単語ばかり勉強しても試験の結果はほとんど変わらないでしょう。
仮に「TOEICで満点を目指している」だとしても、きちんと990点満点まで対応しているTOEICの英単語帳もありますので、十分対応可能です。
「時間がいくらかかっても、全部覚えたい」
というのであれあ、それでも良いですが、
「最短で資格試験に合格したい」
「最短でTOEIC860点を取りたい」
などであれば、まずはなにを覚えれば良いのかを明確に意識したほうが良いでしょう。
本書では、次のようなケースで紹介しています。
①選択肢に上げられた事実が正しいか間違っているかがわかればいい
②選択肢を正しい順序に並べ替えることができればいい
③詳細な数字も含めすべて正しくかけるようにしておかなければならない確かに試験に臨む上で、知識はあればあるほど有利です。
右の例で言えば、③が正解できる人なら、①でも②でも正解できます。
けれどもおhン版までの日数が限られている中で①の知識でも十分な人が、③までの知識を備える必要があるでしょうか。
試験になかなか合格できない人や、勉強が苦手な人ほど、あれもこれもと勉強をしたがる傾向があります。
たくさんの参考書を持ち歩き、いくつもの問題集を解かなければ不安になるのでしょう、
このように思っている人はたくさんいるでしょう。
一方で、試験にすぐに合格する人や、勉強が得意な人は、これと決めた参考書や問題集のみを持ち歩きます。
しかも、東大生の中には、さらに必要な部分のみを切り取って持ち歩いている人も何人かいるほどです。
「覚える量を減らす」ことは、最短で勉強で結果を出すためには必須の能力です。
意識するだけでも全然違ってくるので、是非意識してみてください。
2. 電車に乗る前から暗記は始まっている
本書では、次のように記載されています。
(試験に)受かる人は、電車に乗るまでに10個覚える
(試験に)落ちる人は、電車に乗ってから10個覚える
これは、「試験に合格する人と落ちる人の、スキマ時間を活用する姿勢の違い」を表現する、かなりわかりやすい具体例ですね。
「電車に乗ってから勉強をしよう」という人は、「自分は勉強に対する意識が高い!」と思っているかもしれませんが、そうではありません。
受かる人は、あなたが勉強を始める前に、10個や20個の単語を覚えています。
あなたが、ホームに並んでいるときから勉強をしているときいうのであれば、試験に合格する人は近いでしょう。
一日10分のスキマ時間でも、1カ月で5時間の時間になります。
一年で60時間です。
人が一日に活動できる時間(睡眠時間を除く)はおよそ17時間ですので、まる3日と半日の時間になります。
人によって違いはありますが、「1日に1時間はスキマ時間が発生している」と思います。
基本的に、「ついスマホをいじってしまう時間」はすべてスキマ時間です。
1日1時間のスキマ時間を勉強にあてることができれば、1年で21日以上の活動時間を勉強することができたということです。
21日丸々勉強できれば、簡単な資格であれば数個取れてしまうでしょう。
是非、スキマ時間を有効活用して、最短で試験に合格してください。
「いつも暗記カードを持ち歩いているよ」という方は、すでにスキマ時間の活用は完璧ですので、それを継続すればすぐに試験に合格できるでしょう。
3. 早朝は暗記のゴールデンタイム
本書では次のように記載されています。
(試験に)受かる人は、早朝にインプットする
(試験に)落ちる人は、深夜にインプットする
早朝勉強を勧めている本はいくつもあります。
代表的なのが、精神科医の樺沢紫苑さん著の『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』 です。
この本では、次のように述べられています。
朝起きてから2~3時間は、なぜ、「ゴールデンタイム」と呼ばれるほど、素晴らしい時間帯なのでしょうか。
まず、睡眠中に私達の頭の中は整理整頓されます。夢によって、「前日の出来事」の記憶が整理整頓され、朝起きた直後の脳は、「片付けられて何も載っていないまっさらな机」と同じような状態になります。
また、「朝の30分=夜の2時間」とも述べています。
インプット作業(英単語を覚えるときなど)というのは、かなりの集中力を必要とします。
経験があると思いますが、集中してインプットした30分と、なにかに気を取られながらインプットした30分とでは、記憶の定着率にかなりの違いがあるでしょう。
集中していないと、30分経っても英単語数個しかきちんと暗記できていないということもアリえます。そういった意味では、むしろ、集中していないインプットの時間は、時間の無駄とも言えます。
そのための一つの解決手段が、早朝に勉強をするということです。
また、朝夜などの時間にだけこだわらず、自宅、カフェ、図書館などの場所や、耳栓する、しないなどの細かい環境まで、「これなら集中できる!」という環境を探してみてください。
集中できる環境を知ることができれば、後はその環境で試験まで勉強をするだけです。
- 試験では、まず覚える量を減らす
- 電車に乗る前から暗記は始まっている
- 早朝は暗記のゴールデンタイム
まとめ
本書は、資格試験の達人による、暗記の極意を教えてくれる一冊です。
良い例だけでなく、悪い例も載っているため、「あ、これ当てはまるかも」と思った箇所を改善しやすいです。
○ 受かる人は、早朝にインプットする
✕ 落ちる人は、深夜にインプットする
このように、「あ、深夜にインプットしてる」と思ったら、「これからは、早朝にインプットをしよう」と問題点の発見から改善策の選定まで一瞬で行うことができます。
このような例が全部で、44つ書かれています。
また、要所要所に挟まれているマンガが面白く、楽しみながら読むことができます。
是非、本書の内容を実践して、忙しい中でも、資格試験に一発合格してください。
「これは勉強に活かせる!」くろま式『超高速暗記術』から学ぶ勉強法
最後におまけコーナーとして、数々の勉強法の本を出版している私が、「読んだ本すべてを勉強に活かす」をテーマに、
「これは勉強に活かせる!」と思った内容をご紹介します。
勉強に全く関係のない、小説やマンガからも「勉強に活かせる内容」をご紹介していこうと思っています。人気コーナーにしていく予定です。
『超高速暗記術』から学ぶ勉強法は、以下です。
- 「脳の総動員」勉強法
本書自体が勉強法の本のため、すでにいくつかの勉強法を紹介していますが、ここではその中でもオススメの勉強法を紹介します。
「脳の総動員」勉強法とは、脳のなるべくたくさんの部位を総動員して頭にいれることで、より効率的に覚えるための勉強法です。
例えば、次のようなものがあります。
「参考書を眺める」→「参考書を声に出す」
「英単語を眺める」→「英単語を書いてみる」
「英文を読む」→「英文を聞きながら声に出す」
「座って勉強する」→「歩きながら勉強する」
眺めることによって使用する五感は「視覚」のみです。
声に出すことによって、「視覚」「聴覚」を刺激することができます。
人は、より多くの感覚を使ったほうが、学習の成果が上がります。
現に、音読をしながら勉強をしたり、歩きながら勉強をする方が、ただ座って勉強するよりも学習効果が高いという研究結果があるそうです。
なるべく多くの感覚を遣って勉強をするというのは、集中力を高めるためにも重要です。
私は、「集中力が落ちてきたな」と思った時に音読する勉強に切り替えたり、
「ちょっと疲れてきたな」と思ったときに歩きながら勉強したりと、脳の気分を切り替えるために利用しています。
電車の中や、静かな図書館など、どうしても声に出せないことがありますし、
また、声に出すよりも見るほうが進むスピードは早いです。
常に多くの感覚を使うことを意識するよりは、要所要所の重要な場面で「音読」や「歩きながらの勉強」使用するのが良いと思います。
是非、「脳の総動員」勉強法を活用してみてください。
【東大院生おすすめ】効果の高い勉強法10選【場所やアイテムも】
【睡眠と脳の関係から考える】『睡眠前学習』暗記法
【東大生の暗記術】感情を動かし効率よく記憶するテクニック
勉強の手帳「350万人が学んだ人気講師の勉強ノウハウ」
やってはいけない勉強法「天才になってから努力せよ」
[著書名] 超高速暗記術
[著者名] 鬼頭政人
[出版社] 大和書房
[出版日] 2018/9/23
[項数] 248ページ
[目次]
はじめに
第1章 頭のいい人は「だるい暗記作業」にどう向き合うか?
第2章 ラクして覚える暗記計画
第3章 暗記を習慣化する方法
第4章 てっとり早く記憶する「最強の暗記テクニック」
また、本書で紹介した本はこちらです。
>>HOME画面に戻る
>>勉強法の記事一覧へ進む