日本は世界一睡眠偏差値が低い?
みなさんは、どれだけ意識して『睡眠』を取っているでしょうか。
「毎日8時間は寝るようにしている」
「毎日決まった時間に寝て、決まった時間に起きている」
「寝室にアロマをたいて、よく眠れるように工夫している」
「質の高い睡眠を取れるように、就寝2時間前には間接照明をつけるようにしている」
もしあなたが、このように睡眠について意識しているのであれば、かなり優秀であると言えます。
というのも、 日本は、世界一「睡眠偏差値」が低い国だからです。
例えば、フィンランド、フランス、日本の平均睡眠時間を比べてみます。
- フィンランドの平均睡眠時間:7.9時間
- フランスの平均睡眠時間:7.3時間
- 日本の平均睡眠時間:6.3時間
また、日本人に限った調査であれば、「睡眠時間が6時間未満の人は、全体の40%」との報告もあるそうです。
さらに、ミシガン大学が2016年にインターネットで行った調査によると、次の結果が出ています。
- 日本の睡眠時間ランキングは「100か国中最下位」
いかがでしょうか。
日本は先進国であり、世界的に見ても治安はかなり安定しています。
紛争やテロもなく、飢餓に苦しむ人も射なければ、だれでも就職できる環境が整っています。
にも関わらず、睡眠に関してはかなり疎かにされてきたのです。
睡眠と脳は、密接に関係していることが明らかにされつつあります。
本記事では、数多の文献から学んだ『睡眠と脳の関係』と、さらに東大生の実践している『効果的な暗記法』をご紹介します。
まずは、睡眠と脳の関係について、詳しくみていきましょう。
睡眠不足だと脳の力が落ちる?
・脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官。
「朝電車に乗ると、通学途中の学生が椅子に座って爆睡している」
「夜電車に乗ると、帰宅途中のサラリーマンが疲れた顔で寝ている」
このような光景、よく見かけますよね。
日本人の半数以上は、”睡眠不足”だと思います。
まずは、睡眠に対する意識を高めるためにも、睡眠が不足すると、脳にどのような影響を与えるのかを見ていきましょう。
睡眠が足りないと記憶力が落ちる
睡眠不足であるということは、それだけで脳にとってはストレスになってしまいます。
東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授らによると、5~18歳、290人の脳のMRI画像を分析しました。
その結果、平日の睡眠時間が少ない子どもは、海馬の灰白質(脳内の、神経細胞のある部分)の体積が小さいという結果が出ました。
また、大人に対する別の研究では、海馬が小さいと記憶力が低いという結果も出ています。
つまり、睡眠不足だと脳の力が落ちるといっても誤りではないのです。
脳は、私達の体にとって司令塔の役割をしています。
一日中、命令を出し続け、酷使され続けています。
毎日適切な時間、睡眠を取ることによって、いつでも最高のパフォーマンスを発揮できるようになります。
徹夜による3つのリスク
① 集中力の低下
② 記憶力の低下
③ 思考力の低下
医師・医学博士でもある、裴英洙さんが書いた『一流の睡眠』(ダイヤモンド社)では、徹夜は最悪であると述べています。
徹夜がもたらす睡眠不足は、眠気や全身の倦怠感、頭重感、不安、イライラなど身体的・精神的な悪影響を及ぼします。
また、血圧や中性脂肪の値を上昇させ、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病を悪化させたり、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを高めることが明らかになっています。
さらに、免疫力を低下させ、インフルエンザなどの感染症、がんの誘因になることも示されているそうです。
徹夜明けって、なんだかボーッとして、頭も全然働かないですよね。
徹夜による睡眠不足は、ボーっとするどころか、こんなにもたくさんの悪影響を及ぼすそうです。
さらに、パフォーマンス面で言えば、以下の3つのリスクがあります。
- 集中力の低下
- 記憶力の低下
- 思考力の低下
こんな状態で無理に勉強しても、かなり効率が悪くなり、時間を無駄にしてしまうだけでしょう。
「徹夜なんてめったにしないよ」
このような方でも、当然注意が必要です。
ただの睡眠不足でも、徹夜による睡眠不足と同じような悪影響が出ることは想像に難しくありません。
効率のいい勉強・仕事には、睡眠は不可欠です。
睡眠を帳尻合わせに使うのではなく、しっかりと睡眠を意識して生活をするように心がけたいですね。
子どもがぐっすり眠れないことによる6つのリスク
① 無気力になり、前向きな思考をしなくなる
② 免疫力が低下し、病気にかかりやすくなる
③ 新陳代謝がうまくいかず、太りやすい体質になる
④ 学習中の集中力が下がり、記憶も定着しにくくなって学力が低下する
⑤ 朝、起きられなくなり、不登校になる
⑥ イライラして怒りっぽくなり、非行に走りやすくなる
金光容徳さんが書いた、『元気で賢い子を育てたいなら子どもがぐっすり眠れる部屋を作りなさい』(アスコム)では、子どもがぐっすり眠れていないとこのようなリスクがあると述べています。
徹夜による睡眠不足のリスクと類似していますね。
学習に関するところでは、『やる気の低下』『集中力の低下』『記憶が定着しにくくなることによる学力の低下』と、パフォーマンスを著しく下げるリスクが満載です。
また、免疫力が下がり病気になってしまうと、勉強に全く身が入らなくなります。
これらのことを考慮すると、効率のいい学習には、適切な睡眠は欠かせないといっても過言ではないでしょう。
睡眠量はアルツハイマー病とも関係している
アルツハイマー病は聞いたことありますよね。
アルツハイマー病(アルツハイマーびょう、Alzheimer’s disease、AD)とは、脳が萎縮していく病気である。アルツハイマー型認知症(アルツハイマーがたにんちしょう、Major Neurocognitive Disorder Due to Alzheimer’s Disease)はその症状であり、認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種であり、認知症の60-70%を占める。
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
認知障害などの症状がみられ、重症度が増すと、摂食や着替え意思疎通ができなくなります。
「散歩にでかけたら、家がわからなくなって徘徊していた」という例を以前テレビで紹介していました。
実はこのアルツハイマー病は、睡眠量と関係しています。
東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授が書いた、『脳を本気にさせる究極の勉強法』では、アルツハイマー病に脳が生み出す「アミロイドベータ」という老廃物が関わっていると述べています。
この、「アミロイドベータ」という老廃物には、協力な有害物質が含まれます。
そして、このアミロイドベータが蓄積することで、アルツハイマー型認知症を発症させるということがわかってきています。(上述したように、アルツハイマー型認知症は、認知症の60~70%の割合を占めます)
私達は、睡眠中にこのアミロイドベータを排出します。
さらに、ワシントン大学の調査では、睡眠時間を十分に確保できていない人ほど、アミロイドベータの蓄積量が高い傾向にあることがわかっています。
つまり、私達は、睡眠を十分にとることでアルツハイマーの発症を防ぐことができるのです。
睡眠の質を高める方法は以下の記事でも紹介しています。
睡眠と脳の関係から考える、『睡眠前学習』暗記法
「四当五落」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、「一日に5時間も寝ていれば落ちるぞ!」という受験生への戒めの言葉です。
要するに、一昔前は、「寝る暇があるなら勉強しろ!」という風に言われていたのです。
しかし、ここまで述べてきたように、十分な睡眠を取らないことによる弊害は、かなり学習効率を下げてしまいます。
- 集中力の低下
- 免疫力の低下
- 記憶力の低下
- 思考力の低下
挙げればキリがないです。
『寝る暇があるなら勉強する』から『寝ないと合格しない』という時代に変わってきています。
しかし、ただたくさん寝ればいいというわけではありません。
本記事では、暗記効果を高めるための、勉強と睡眠のコツをご紹介します。
① 寝る直前10分間は勉強する習慣をつける
② 勉強したら、すぐに寝る
寝る直前10分間は勉強する習慣をつける
私達は、かなりの情報を視覚から得ています。
それこそ、目を開けている限り続くため、起きている間は常に脳に膨大な情報が送られていることになります。
還元すると、起きている限り脳ははたらき続け、どんどん疲れをためていることになるのです。
脳の疲れを回復するのは、寝ているときです。
脳に蓄積された情報は、睡眠の間に整理されているのではないかと言われており、また、睡眠の間に記憶を定着させるということもわかってきています。
つまり、『寝る直前が、暗記のゴールデンタイム』といえるのです。
実際に東大生の友人の多くが、「寝る前は暗記の勉強にあてていた」と言っていました。
寝る前、1時間も2時間も勉強しろとは言いません。
疲れて帰ってくるときもあれば、用事があってまとまった時間が取れないこともあると思います。
しかし、寝る直前、最低でも10分間は暗記の勉強をする習慣をつけましょう。
寝る直前の暗記のゴールデンタイムをどれだけ活用できるかが、合否を分けることにもつながるのです。
勉強したら、すぐに寝る
寝る直前に暗記の勉強をする習慣をつけても、気をつけてほしいことがあります。
それは、『勉強したら、すぐに寝ること』です。
特に注意したいが、テレビやスマホです。
勉強後、テレビもスマホも見ずに、布団に直行することで、効率よく記憶が定着されます。
「記憶の撹乱」という言葉があります。
例えば、せっかく暗記をしても、寝るまでの間にスマホをみていると、記憶が入り混じり「撹乱」が起きてしまいます。
すると、覚えたことが脳に定着しにくくなってしまうのです。
上述したように、目を開けている限り、視覚から莫大な情報が脳に送り込まれていきます。
暗記効率を高めるためには、着替えや歯磨きなどの寝る準備がすべて終わったあとに、勉強をするようにしましょう。
- 寝る直前10分間は勉強する習慣をつける
- 勉強したら、すぐに寝る
この2つのコツを実践するだけで、あなたも面白いように暗記の効率が高まるのを実感できると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
睡眠不足だと、以下のような数え切れないほどのリスクがあります。
- 『集中力の低下』
- 『記憶力の低下』
- 『思考力の低下』
- 『免疫力の低下』
- 『心筋梗塞や脳梗塞などのリスクの向上』
- 『インフルエンザなどの感染症、がんの誘因になる』
- 『高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の悪化』
また、仕事や勉強のパフォーマンスを著しく下げる原因にもなります。
にもかかわらず、日本は睡眠偏差値が一番低いと言われているのです。
これは逆に言えば、日本人は、十分な睡眠をとり、睡眠前の暗記のゴールデンタイムに勉強をすることで、もっとも改善を期待することができる国民であるとも言えます。
ぜひ、今まで以上に睡眠を意識するということと、暗記のゴールデンタイムを効率的に活用する『睡眠前学習』暗記法を実践してみていただけると幸いです。
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