「研究室訪問って、何を聞けばいいのかわからない」
「メールを送ったら迷惑なんじゃないか…?」
「外部受験だけど、一度も訪問しないとやっぱり不利?」
大学院進学を考え始めると、多くの人が最初につまずくのが「研究室訪問」です。
特に、外部の大学院を目指している方や、社会人として大学院に入り直したい方にとっては、見知らぬ先生にメールを送り、研究室を訪ねるという行為はかなりハードルが高く感じられると思います。
この記事では、
- 学部3〜4年生で大学院を目指している人
- 学部卒・既卒で再チャレンジしている人
- 社会人として情報系・理工系・文系大学院に進学したい人
に向けて、「研究室訪問」をテーマに、 - 研究室訪問の本当の目的
- いつ・どのタイミングで行けばいいか(スケジュール感)
- 訪問前に整理しておくべきポイント
- メールの出し方・当日のマナー・よく聞かれる質問
- 学内進学・外部受験・社会人で少しずつ違うポイント
- 訪問で得た情報を、大学院入試の勉強法や志望理由書にどうつなげるか
までを、まとめて解説します。
「研究室訪問=怖い面接」ではなく、
「自分の将来の数年間を一緒に過ごす相手と、お互いを知る機会」
として捉え直せるよう、私たち編集部なりの視点で丁寧に整理していきます。
- 1. 研究室訪問は「選ばれる場所」ではなく「お互いを選び合う場」
- 2. いつ・何回くらい行く?入試スケジュールから考える研究室訪問のタイミング
- 3. 研究室訪問の前に整理しておきたい「3つの軸」
- 4. 研究室訪問のアポ取りメール:基本構成と考え方
- 5. 当日の流れとマナー:服装・持ち物・所要時間
- 6. 研究室訪問で聞いておくと役立つ質問リスト
- 7. 話してはいけないこと?よくある失敗パターンとその避け方
- 8. 学内進学・外部受験・社会人、それぞれの研究室訪問のポイント
- 9. 研究室訪問と「大学院入試の勉強法」をどうつなげるか
- 10. 一人で準備するのが不安なときの選択肢:大学・予備校・オンラインコミュニティ
- 11. 今日からできる「研究室訪問準備」7日間ミニプラン
- まとめ:研究室訪問は、あなたの将来を一緒に考えてくれる人を探す時間
1. 研究室訪問は「選ばれる場所」ではなく「お互いを選び合う場」
多くの受験生が最初に誤解しがちなのは、
「研究室訪問=指導教員に試される面接」
というイメージです。
もちろん、先生はあなたの基礎力や志望動機をそれとなく見ていますが、研究室訪問の本質はそれだけではありません。実際には次のような「すり合わせの場」としての側面が大きいと考えられます。
- あなたが「この研究室で本当にやりたいことができそうか」を確認する場
- 先生や先輩が「この人と一緒に研究したらうまくやっていけそうか」を判断する場
- 研究テーマ・指導スタイル・進学後の生活イメージを具体化する場
多くの大学院では、願書提出や口頭試問より前に、
「必ず指導予定教員に事前相談すること」
といった注意書きがあることもあります。これは、研究室の受け入れ枠や指導スタイルとのミスマッチを防ぐためです。
つまり、研究室訪問は「入試の合否を決める最終試験」ではなく、
この研究室で数年間過ごすとして、お互いに無理はないか?
を、比較的フラットに確認する場だと捉えたほうが、実態に近いことが多いです。
だからこそ、訪問の目的は
- 「好印象を与える」だけではなく
- 「自分が納得できる情報を取りに行く」
ことでもあります。
この記事全体を通じて、「選ばれるために完璧に振る舞う」よりも「事前準備をしたうえで、お互いに率直に話せる状態を作る」という視点を大切にしていきます。
2. いつ・何回くらい行く?入試スケジュールから考える研究室訪問のタイミング
研究室訪問のタイミングは、学年や立場によって変わりますが、編集部としては
「本命の大学院なら、出願の半年〜1年前から少しずつ動き始める」
くらいを一つの目安としておすすめします。
ここでは、
- 学部3年生
- 学部4年・既卒
- 社会人
それぞれの典型的なスケジュール感を整理してみます。
学部3年生の場合:まずは「情報収集としての訪問」から
学部3年のうちから大学院のことを考えている人は、かなり早めに動いている層です。
この時期の研究室訪問は、合否に直結する場というよりも、
- 興味のある分野や指導教員の候補を広く知る
- 「大学院で研究する」とはどんな生活なのかを具体的にイメージする
ための情報収集としての意味合いが強くなります。
ざっくりとした流れは、次のようなイメージです。
- 3年生の春〜夏
- 気になる専攻・研究室をリストアップ
- オープンキャンパスや大学院説明会に参加
- 研究室のホームページや論文を眺めて、「なんとなく興味がある」を具体化
- 3年生の秋〜冬
- 絞り込んだ2〜3件の研究室に、軽めの研究室訪問の相談メール
- 実際に研究室の雰囲気を見て、教員や院生と話してみる
- 「ここは本命候補かも」「ここはサブ候補かな」という感覚を持つ
この段階では、まだ「必ずここを受けます」と宣言する必要はありません。
むしろ、「今の時点では××に興味があるのですが、卒研や今後の勉強を踏まえて、方向性を固めていきたいと考えています」といった、揺れのある状態をそのまま相談して構いません。
学部4年・既卒の場合:入試スケジュールと密接にリンクする
学部4年生や既卒で本格的に大学院入試に挑む場合、研究室訪問はより「入試に向けた実務的なステップ」という意味合いが濃くなります。
- 4年生の春〜初夏(4〜6月ごろ)
- 志望専攻・志望研究室を大まかに決める
- 本命・併願候補の複数の研究室に連絡し、訪問の機会をつくる
- 訪問時に「入試科目」「研究計画書の位置づけ」「口頭試問でよく聞かれること」なども確認
- 4年生の夏(7〜8月ごろ)
- 多くの大学院で筆記試験・口頭試問が実施される時期
- それまでに少なくとも一度は本命研究室と接点を持っておくのが一般的
- 必要であれば、試験直前にメールで追加の質問をすることも
- 4年生の秋〜冬以降
- 秋入試や第二志望以降の大学院を検討する場合、再度訪問のチャンスがあることも
既卒の方も、基本的な流れは4年生とほぼ同じです。
ただし、大学に頻繁に足を運びにくいケースもあるため、オンライン面談での「研究室訪問」に近い形で情報収集するパターンも増えています。
社会人の場合:オンラインや週末訪問を上手に使う
社会人として働きながら大学院を目指す場合、「平日に大学へ行く」こと自体が大きなハードルになります。
この場合、
- まずはオンラインの研究室説明会やオープンキャンパスに参加する
- そのうえで、個別相談のオンライン面談を依頼する
- どうしても必要な場合のみ、事前に日程を調整して対面で訪問する
という順番がおすすめです。
社会人の研究室訪問では、
- 現在の仕事との両立の見込み
- フルタイムで在籍するべきか、長期履修制度のような選択肢があるか
- 学費や奨学金、企業派遣や休職制度との関係
といった「生活設計」に関わる話題も重要になります。
先生側も、社会人学生の事情を理解していることが多いので、無理に平日昼間に訪問しようとせず、オンライン+必要に応じた対面訪問の組み合わせを前提に考えて構いません。
3. 研究室訪問の前に整理しておきたい「3つの軸」
闇雲に研究室訪問を申し込んでしまうと、
「とりあえず行ったけれど、何を聞けばよかったのか分からないまま終わった…」
ということになりがちです。
訪問前に最低限整理しておきたいのは、次の3つの軸です。
- やりたいことの方向性(研究テーマの軸)
- 指導教員・研究室のスタイル(指導方針の軸)
- 自分の現在地と制約条件(学力・生活・将来像の軸)
1つ目:やりたいことの方向性(研究テーマの軸)
「やりたい研究テーマを完璧に決めてから訪問しないといけない」と思う人が多いですが、多くの場合そこまで固まっていなくても大丈夫です。
大事なのは、
- 興味のある分野・キーワード
- その分野に惹かれた理由
- 学部で学んだこととのつながり
を、自分なりの言葉で説明できることです。
例)
- 「データサイエンスの中でも、医療データの解析に興味がある」
- 「文学研究の中で、近代のメディアと表現の関係に関心がある」
- 「建築系の中でも、環境性能やまちづくりに関連する分野を学びたい」
この程度の粗さでも構わないので、
「なぜその分野に惹かれているのか」
を整理しておくと、先生との会話がぐっと具体的になります。
2つ目:指導教員・研究室のスタイル(指導方針の軸)
研究室によって、指導スタイルや雰囲気はかなり違います。
- 週1で全員発表のゼミがあるのか、少人数でのミーティングが中心なのか
- 自分のテーマを自由に設定できるのか、プロジェクトに参加する形なのか
- 夜遅くまで研究する文化なのか、比較的メリハリを重視するのか
こうしたスタイルの違いは、研究内容以上に、数年間の生活の満足度に影響します。
研究室訪問では、
- 「指導の頻度」
- 「テーマの決め方」
- 「進捗が止まったときのフォロー」
などを具体的に聞いてみると、自分に合いそうか判断しやすくなります。
3つ目:自分の現在地と制約条件(学力・生活・将来像の軸)
もう一つ大切なのが、「自分の現在地をどう捉えているか」です。
- 過去問を解いてみて、どのくらい点が取れそうか
- 学部の成績や、専門基礎科目の理解度
- アルバイトや仕事、家庭の事情など、時間的な制約
これらをざっくり把握しておくと、研究室訪問の場で
- 「現状の学力で、どのような準備が必要か」
- 「何年計画で修士・博士を考えたほうが良いか」
といった相談がしやすくなります。
特に外部受験や社会人の場合、先生の側も
「この方の現在地から、うちの研究室に来た場合、どのようなサポートが必要になりそうか」
を考えながら話を聞いています。
完全に整理できていなくても良いので、
- 「得意な科目」
- 「苦手で、これから補強したい科目」
のイメージだけでも言語化しておくと、対話が深まりやすくなります。
4. 研究室訪問のアポ取りメール:基本構成と考え方
「そもそも研究室訪問のメールをどう書けばいいのかわからない」という声もよく聞きます。
ここでは、一般的な「研究室訪問依頼メール」の構成と、注意したいポイントを整理します。
メールの基本構成
大まかには、次のような流れになります。
- 件名
- 自己紹介(所属・学年など)
- 連絡した理由(研究室に興味をもったきっかけ)
- 訪問・オンライン面談をお願いしたい旨
- 希望する時期の候補(幅を持たせる)
- お礼と署名
たとえば外部受験を考えている学部4年生の場合、イメージとしては
- 「〇〇大学△△学部□□学科4年の××と申します。」
- 「先生のご研究である〜〜に関心があり、論文や研究室ホームページを拝見しました。」
- 「将来的に貴研究室での大学院進学を検討しており、研究の内容や指導体制についてお話をうかがえないかと思い、ご連絡いたしました。」
といった流れです。
メールを書くときのポイント
- いきなり「受け入れてください」と書かない
→ 最初のメールの目的は、「情報交換・相談の場をいただくこと」です。 - 用件を短く・はっきり伝える
→ 長文の自己アピールより、「なぜ興味を持ったのか」「何を相談したいのか」を端的に。 - 候補日は必ず複数・幅を持たせる
→ 例:「6月中旬〜7月上旬の平日午後で、先生のご都合の良いお時間を1時間ほど頂くことは可能でしょうか。」 - 署名には連絡先を明記する
→ 所属・氏名・メールアドレス・(あれば)電話番号。
社会人の場合は、
- 現在の勤務状況(平日昼は難しい、など)
- オンラインでの面談も希望していること
を、簡潔に添えるとスムーズです。
5. 当日の流れとマナー:服装・持ち物・所要時間
「研究室訪問はスーツ必須?」という質問もよくあります。
結論から言うと、多くの場合は
- 大学3〜4年生:オフィスカジュアルで問題ないことが多い
- 社会人で、仕事帰りに寄る場合:スーツでもカジュアルでも可(事前に伝えておくと安心)
という感覚です。
ただし、大学の説明会とセットになっている場合や、明らかに「面接」として設定されている場合は、スーツを指定されることもあります。メールの段階で「服装の指定があれば教えてください」と一言添えておくと安心です。
服装の目安
- 清潔感のあるシャツ・ブラウス
- ジーンズよりは、チノパンやスラックスに近いもの
- 派手すぎない靴(スニーカーでも落ち着いたものなら多くの場合OK)
「就活スーツほどガチガチではないけれど、人前で話すのに失礼ではない格好」をイメージするとよいでしょう。
持ち物
- メモ帳・ペン(スマホだけに頼らない)
- 履歴書までは不要なことが多いが、簡単な自己紹介資料を求められることも
- 研究内容についての質問メモ
- 必要であれば、現在の成績表や卒研概要(あくまで任意)
所要時間と当日の流れ
研究室訪問は、だいたい 30分〜1時間 程度で設定されることが多いです。
典型的な流れは、
- 研究室の場所に向かう(余裕を持って10〜15分前にはキャンパス到着)
- 先生の部屋や会議室に通される
- 簡単な自己紹介
- 先生から研究内容や研究室の説明
- あなたからの質問タイム
- 今後の流れ(受験の予定や、追加の質問があればメールで、など)を確認
という感じです。
研究室の学生さんが同席してくれるケースもありますし、訪問のあとに研究室の様子を案内してもらえることもあります。
6. 研究室訪問で聞いておくと役立つ質問リスト
「質問ありますか?」と聞かれたときに、頭が真っ白になってしまうのは、誰にでも起こりうることです。
事前に、次のようなカテゴリーごとに1〜2問ずつメモしておくと、落ち着いて話ができます。
研究内容・テーマに関する質問
- 先生の研究の中で、今後重点を置いていきたいテーマは何か
- 修士課程の学生が取り組むことが多いテーマ例
- 自分でテーマを提案する余地はどのくらいあるのか
指導スタイル・日常生活に関する質問
- 週ごとのミーティングやゼミの形態(頻度・スタイル)
- 修士学生に求められる自律性のレベル(どこまで自分で決めて動くか)
- 研究室全体の雰囲気(自主性重視か、チームで進める感じか)
大学院入試・研究計画書に関する質問
- 入試で重視されるポイント(筆記試験・口頭試問・研究計画書など)
- 研究計画書を書くときの、考え方のヒント
- 外部受験生や社会人受験生に対して、どのような準備を期待しているか
卒業後の進路・キャリアに関する質問
- 修士修了後の進路の傾向(企業・博士進学など)
- 研究テーマと就職先との関係
- 社会人学生の実例があれば、その働き方と大学院生活の両立事例
これらの質問は、「全部聞かなければいけない」というものではありません。
あくまで、自分が本当に気になっていることを優先しながら、2〜3個を選んで聞いてみるイメージです。
また、「ホームページを読めばわかること」を機械的に聞くのではなく、
- 「ホームページで〇〇を拝見して〜と理解したのですが、実際のところはどうでしょうか?」
のように、事前調査をふまえた質問に変換すると、先生にとっても「きちんと準備してきたな」という印象になります。
7. 話してはいけないこと?よくある失敗パターンとその避け方
「変なことを言って嫌われたらどうしよう…」という不安から、極端に黙り込んでしまう人もいます。
一方で、悪気なく次のような言動をしてしまい、後から振り返って「やらかしたかも…」と感じるケースもあります。
代表的な失敗パターン
- 「他の大学と迷っていて…」と、必要以上に比較を持ち出す
- 受験戦略として複数の志望校を検討するのは自然なことですが、「どこが一番コスパがいいか」だけを強調すると、研究への関心が薄く見えてしまうことがあります。
- 「ここに行けば将来安泰ですよね?」と、保証を求めすぎる
- 就職やキャリアについて質問するのは大事ですが、「ここに入れば絶対〜できるんですよね?」といった言い方は、先生にも答えづらい質問です。
- 勉強や研究への不安を、自己否定として長々と語ってしまう
- 「自分なんて全然ダメで…」と自己評価を低く言いすぎると、先生も返答に困ってしまいます。
- 不安を伝えるときは、「◯◯が不安なので、今後こう準備しようと考えているが、方向性は合っていますか?」のように、「不安+改善の方向性」とセットで伝えると建設的です。
- 専門分野の議論に持ち込もうとして空回りする
- 難しい専門的な話題を無理に振ろうとして、かえって表面的な話になってしまうこともあります。
- むしろ、「この論文のこの点が面白いと感じた」「ここがまだうまく理解できていない」など、素直なレベルでの感想・質問のほうが、対話につながりやすいです。
避け方のポイント
- 「相手を試す質問」よりも、「自分の理解を深める質問」を優先する
- 「完璧な自分」を見せようとしすぎず、「今の自分」と「これからの伸びしろ」をセットで伝える
- 不安や迷いは隠さず伝えて良いが、「どうしたいか」の方向性も添える
研究室訪問は、あなたの完璧さを証明する場ではありません。
むしろ、「今の自分の状態と、これからの努力の方向性」を率直に共有し、先生と一緒に入り口を確認していく場だと考えると、気持ちが少し楽になるはずです。
8. 学内進学・外部受験・社会人、それぞれの研究室訪問のポイント
同じ「研究室訪問」でも、立場によって先生が知りたいこと・あなたが確認したいことは少しずつ変わります。
学内進学の場合:日常の延長だからこその落とし穴
学内進学の場合、
- 卒業研究を行っている研究室の先生
- 同じ専攻内の別の研究室の先生
に相談することが多いでしょう。
「普段から顔を合わせているから、改めて研究室訪問をするのは気恥ずかしい」と感じる人もいますが、大学院進学は学部とは別の選択です。
- 修士課程でどこまで求められるか
- 卒研生と修士学生の役割の違い
- 博士進学の可能性
などは、改めて時間をとって話しておく価値があります。
学内進学の落とし穴は、
「なんとなくそのまま進学」になってしまい、自分で選んでいる感覚が薄くなること。
だからこそ、学内の先生ともしっかり対話をし、「自分なりに納得して選んだ」と思えるように研究室訪問を活用してほしいと思います。
外部受験の場合:情報収集と相性確認の両方が大切
外部受験での研究室訪問は、
- 情報格差を埋めるための情報収集
- 「外部生として受け入れがあるか」を確認する機会
という二つの意味を持ちます。
特に重要なのは、
- 過去に外部生を受け入れている実績があるか
- 外部受験生がどのような準備をしてきていることが多いか
- 学部で学んだ内容と、専攻の要求水準との差をどう埋めればよいか
といった点です。
また、外部生の場合は、研究室の学生との距離感も重要になります。
可能であれば、訪問の際に修士・博士の院生とも話す時間を少しもらい、
- 外部から来た人がどんなふうに馴染んでいるか
- 授業・研究・生活のバランス
などを聞いてみると、入学後のイメージがしやすくなります。
社会人の場合:生活設計と研究の両立を具体的に相談する
社会人が大学院に進学する場合、研究室訪問で特に話しておきたいのは次のような点です。
- フルタイム勤務との両立の実例があるか
- 長期履修制度や夜間・週末の授業の有無
- 研究テーマが現在の仕事とどの程度関連していても良いか
また、企業派遣などで進学する場合は、
- 企業との契約・守秘義務と研究テーマの関係
- 企業側が期待している成果のイメージ
も、先生に共有しておく必要があります。
社会人の場合、「学生としての時間」と「社会人としての責任」の両方を背負うことになるため、研究室訪問の段階でできるだけリアルな生活像を擦り合わせておくことが、お互いの安心につながります。
9. 研究室訪問と「大学院入試の勉強法」をどうつなげるか
研究室訪問は、それ自体が目的ではありません。
むしろ、その後の
- 大学院入試の勉強計画(筆記・口頭試問)
- 研究計画書や志望理由書の作成
- 将来のキャリアプラン
を具体化するためのスタート地点です。
訪問後、必ずやっておきたい3ステップ
- その日のうちにメモを整理する
- 先生の発言で印象に残った部分
- 自分の理解が足りないと感じたポイント
- 今後の勉強で意識したいキーワード
- 入試情報と結びつけて整理する
- 必要な専門科目・数学・英語の範囲
- 過去問をどの時期から始めるべきか
- 研究計画書の重み(合否への影響度)
- 1年間(または半年)のざっくりロードマップを作る
- 「いつまでに基礎固め」「いつから過去問演習」「いつまでに研究計画書の叩き台」などを決めておく
1年準備型と短期集中型のイメージ
- 1年準備型
- メリット:基礎からじっくり固められる、不安が少ない
- デメリット:モチベーション維持が課題、計画倒れになりがち
- 短期集中型(半年〜数か月)
-メリット:目標が近く、集中しやすい
-デメリット:基礎に穴があると挽回が難しい
研究室訪問を通じて、先生から「このレベルなら半年あれば十分」「基礎が弱いので、少なくとも1年は準備期間が欲しい」などの感触を得られることもあります。
その感触をもとに、自分に合う準備スタイル(1年準備型か短期集中型か)を考えていくと、現実的な計画に落とし込みやすくなります。
10. 一人で準備するのが不安なときの選択肢:大学・予備校・オンラインコミュニティ
研究室訪問の準備から、大学院入試の勉強法まで、一人で抱え込もうとするとかなりの負荷になります。
使えるリソースは、大きく分けると次の3つです。
- 大学内のリソース(指導教員・先輩・キャリアセンターなど)
- 予備校・オンライン講座などの有料サービス
- 大学院入試向けのオンラインコミュニティ・勉強サークル
1. 大学内のリソース
- 指導教員やゼミの先生に研究室訪問の相談をする
- 同じ専攻で外部受験した先輩に話を聞く
- キャリアセンターで大学院進学の情報をもらう
これらは、費用がかからず、かつ自分の大学の事情に即した情報を得やすいというメリットがあります。
2. 予備校・オンライン講座
- 筆記試験対策(数学・英語・専門科目)
- 志望理由書や研究計画書の添削
- 模擬面接
などを体系的に受けられるメリットがあります。
一方で、費用がそれなりにかかることや、カリキュラムが自分の志望専攻にぴったり合うとは限らない点には注意が必要です。
3. オンラインコミュニティ・勉強サークル(ESCAPEのような場)
近年は、大学院入試を目指す人同士が集まるオンラインコミュニティやサークルも増えています。
一般的には、
- Discordやチャットツールを使った質問・相談の場
- 先輩の合格体験談や、勉強ロードマップの共有
- 週1〜月数回のオンライン勉強会
といった形が多いです。
ESCAPEのような院試サークルでは、
- 一人で抱え込みがちな不安を共有できる
- 研究室訪問やメールの書き方について、先輩から実例を教えてもらえる
- 「今週はここまで進めよう」といった復習シートやロードマップで、継続しやすい仕組みが用意されている
といったメリットがあります。
一人で考えるのが辛くなったときは、こうしたコミュニティに相談してみるのも一つの方法です。
11. 今日からできる「研究室訪問準備」7日間ミニプラン
最後に、「研究室訪問をいつかしなきゃ…」というモヤモヤを、具体的な行動に変えるための7日間プランを用意しました。
1日目:興味のある分野を書き出す
- ノートやメモアプリに、「なんとなく気になるキーワード」を10個書き出す
- それぞれについて「なぜ興味があるのか」を1〜2行でメモ
2日目:志望専攻・研究室の候補をリストアップ
- 大学の公式サイトから、興味のある専攻を3〜5つピックアップ
- それぞれの専攻で、気になる研究室を2〜3件ずつメモ
3日目:研究室ホームページと論文をざっくり眺める
- 候補研究室のページを読み、「気になったポイント」を箇条書きにする
- 難しい論文を読み込む必要はなく、タイトルや要旨レベルで「面白そう」と感じたところをチェック
4日目:自分の現在地をセルフチェック
- 志望専攻の「入試科目」を確認
- 過去問を軽く眺めて、「どのあたりが難しそうか」をメモ
- 得意科目・苦手科目を洗い出す
5日目:研究室訪問の質問リストを作る
- この記事の質問例を参考に、自分が本当に聞きたいことを5〜10個洗い出す
- 「これはメールでも聞けるかな」「これは直接聞きたいな」と分類
6日目:メールの下書きを書いてみる
- 本命候補の1〜2件について、研究室訪問依頼メールの下書きを作成
- できれば、信頼できる先輩や、オンラインコミュニティで添削をお願いする
7日目:1件だけ送ってみる
- 完璧でなくて良いので、勇気を出して1件だけメールを送る
- 返事が来るまでの間に、他の候補の情報収集を続ける
この7日間を終える頃には、
「いつか研究室訪問しなきゃ…」という漠然とした不安が、
「もう1件メールを送ってみよう」「次は過去問を解いてみよう」
といった具体的な行動に変わっているはずです。
まとめ:研究室訪問は、あなたの将来を一緒に考えてくれる人を探す時間
ここまで、大学院の研究室訪問について、
- 目的と位置づけ
- タイミングと回数の目安
- 訪問前に整理しておきたい3つの軸
- メールの出し方・当日のマナー
- 学内進学・外部受験・社会人それぞれのポイント
- 訪問を入試勉強や研究計画書にどうつなげるか
- 今日から始められる7日間プラン
をお伝えしてきました。
研究室訪問は、どうしても「ジャッジされる場」と感じがちですが、本質的には
「自分の将来の数年間を託す相手と、お互いに納得いくまで話すための時間」
です。
- 今の時点でやりたいことがぼんやりしていても
- 学力に不安があっても
- 外部受験や社会人という立場であっても
その不安ごと抱えて研究室訪問に行き、先生と率直に話すことが、大学院入試の大事な一歩になります。
もちろん、どの研究室が正解かは、進んでみないと分からない部分もあります。
だからこそ一人で抱え込まず、大学の先生・先輩・キャリアセンター・予備校・オンラインコミュニティ(ESCAPEのような院試サークル)など、使えるリソースを組み合わせて、自分なりの「納得のいく選び方」をしていってほしいと、私たち編集部は考えています。
この記事が、あなたの最初の研究室訪問の一歩を、少しでも後押しできれば幸いです。





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