勉強したらご褒美が欲しい!
「勉強を頑張ったらケーキが食べたい」
「試験で80点以上取ったら欲しかったカバンを買おう!」
このように、「勉強頑張ったらごほうびが欲しい!」という人はたくさんいると思います。
「やりたくて仕方のない勉強」をしているのであれば、ご褒美は必要ないかもしれませんが、いつもそうとは限りませんよね。
とくに、会社から推奨されている資格の勉強なんかは、はじめから全くモチベーションがないなんてこともあるかもしれません。
実際に、「模試で良い点取ったらケーキを食べる」「資格試験に合格したら旅行に行く」など、自分で決めたご褒美をモチベーションに勉強している人もたくさんいるでしょう。
やる気が起きないことも、ご褒美があるだけでモチベーションを維持できたり、やる気がみなぎることもあると思います。
このように、「勉強にご褒美」は課題に取り組む意欲を沸かせたり、能動的に行動するために原動力となります。
そのため、「勉強にご褒美」は基本的にありです。
基本的にと述べたのは、ご褒美は、気をつけなければモチベーションを損なうこともあるからです。
それでは、「勉強にご褒美」の正しい方法をみていきましょう。
モチベーションのカギは、外的報酬と内発的動機づけ
・「楽しい」「もっと知りたい」といった、自分の中から湧き上がる能動的なモチベーション
【外的報酬】
・「テストで100点をとったら、ケーキを買ってあげる」といった、賞賛やごほうびなどの外的な報酬
モチベーションのカギとなるのは、大きく分けると2つです。
それが、「内発的動機づけ」と「外的報酬」です。
外的報酬は、内発的動機づけを損なうこともある?
誰もが経験があると思いますが、物事というのは真剣に取り組めば、それによって何かを得ることができなくても、それなりに面白いものです。
ついつい、「面白いから」「楽しいから」と課題を解決すること自体に意欲がわくなど、能動的に行動することの動機を、内発的動機づけといいます。
一方、「100点をとったら先生に褒められる」「勉強頑張ったらケーキを買ってもらえる」など、行動の外側から生じる報酬を、外的報酬と言います。
人間というのはメリットを感じないと行動しないものですので、内発的動機づけと外的報酬のどちらもやる気やモチベーションには大切です。
しかし、外的報酬には注意が必要。
外的報酬が内発的動機づけを損なうこともあります。
マーク・レッパーによる実験
佐々木正悟さんが書いた、『すぐやる人に変わる 心理学フレームワーク』(実業之日本社)には、マーク・レッパーによる内発的動機づけと外的報酬の研究が記されています。
レッパーは、次のような実験を行いました。
- 被験者はお絵描きすることを楽しむ子どもたち
- 子どもたちに「お絵描きをしたら、賞をあげる」と言う
- 子どもたちの変化を調べる
このような実験を行うと、「お絵描きをしたら、賞をあげる」と言われた子どもたちは、絵を描くことに興味を失ったり、絵を粗雑に描くようになるという実験結果が得られました。
「楽しい」という内的動機づけが、賞という外的報酬により失われてしまったのです。
しかし、この実験には続きがあり、たとえ賞を与えたとしてもそのことを事前に話さなければ、子どもたちのモチベーションが下がることはなかったと言います。
「好きなことを仕事にした途端に嫌いになった」
といったことをよく耳にしますよね。
これも、お金という外的報酬が、内的動機づけを失わせてしまった例になります。
つまり、ただ楽しくやっていることでも、それが報酬のための手段として意識されると、楽しさが半減してしまうのです。
ご褒美で気をつけること
「目の前に人参をぶら下げる」という言葉のように、「頑張ったらご褒美」は非常に効果が高いです。
元々やる気がなかったとしても、ご褒美のために能動的に行動を促してくれます。
ただ、気をつけなければいけないのが、外的報酬が大きすぎると、その分内的動機づけが希薄になってしまうということです。
「勉強を頑張った日は、ケーキを食べられる」
このようにご褒美を与えた場合、初めのうちはケーキを目標に頑張ることができるかもしれませんが、頑張ったのにケーキがもらえないと、急激にやる気を失ってしまいます。
つまり、ご褒美はあくまでご褒美でなければいけません。
勉強すること自体が、ご褒美を得るための手段だと認識されると、勉強すること自体の楽しさは半減してしまうのです。
ご褒美は、あくまで行動を促す補助的な役割であり、「ないのは当たり前だけど、あったら嬉しい」という枠内でご褒美を活用するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ご褒美に関していろいろと上述しましたが、何度もいうように、「勉強にご褒美」はありです。
「ご褒美なしで、勉強もなし」になってしまうよりも、「ご褒美ありで、勉強もあり」の方がよほど良いです。
人はメリットのない行動はなかなかしないもの。
人参をぶら下げないと行動できないこともあるでしょう。
しかし、始めはご褒美により行動を促したとしても、行動すること自体が楽しく、面白くなってきたら徐々に報酬を減らしていきましょう。
「ご褒美をあげ過ぎない」ということだけ意識して、あとは勉強の動機づけとして、上手にご褒美を活用していきましょう。
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