デフォルト・モード・ネットワークで勉強効率を高める
実は、私達の脳は、ぼーっとしている時の方が活発に活動するということがわかってきました。
一般的に考えると、『勉強や読書・仕事をしているときなど、私達が思考しているときに脳が活発に活動し』、『ボーッとしているときは脳があまり活動していない』と思いますが、その認識は間違いであるということです。
デフォルト・モード・ネットワークの状態では、なにか課題に取り組んでいるときの20倍も脳が活発になっているそうです。
そして、デフォルト・モード・ネットワークは勉強効率に大きな影響をもたらします。
なぜなら、デフォルト・モード・ネットワークの状態のときに、脳がインプットされた情報を整理することがわかっているからです。
極端な話をすれば、デフォルト・モード・ネットワークの状態がなければ、どんなにたくさん情報をインプットしても、脳の中は『全く整理されていないゴミ屋敷』のような状態。
使える知識とは程遠いのです。
本記事では、デフォルト・モード・ネットワークの状態を引き出し、勉強効率を高める休憩法を紹介します!


情報処理の3段階『入力→整理→出力』
私達の脳が行っている情報処理は、大きく以下の3つの段階に分けることができます。
【入力】→【整理】→【出力】の役割

【入力】とは、いわゆる「見る」「聞く」といったインプット作業です。
勉強に当てはめると、「参考書を読む」「英語を聞く」といった作業が当てはまります。
【出力】とは、いわゆる「書く」「話す」といったアウトプット作業です。
勉強に当てはめると、「英語を話す」「問題集を解く」といった作業が当てはまります。
そして、【入力】と【出力】の間にあるのが、【整理】という段階です。
新しく得た情報を既存の情報と紐付けたり、異なるデータや情報の橋渡しを行います。
それぞれの役割を料理に例えてみます。
【整理】:野菜、肉類、飲み物、調味料、冷凍品などカテゴリ別に分けて適宜保存する
【出力】:適切な材料を選び、料理を作る
食材を大量に買ってきただけで、冷凍や冷蔵もせずに放置していれば、せっかく買ってきた食材を腐らせてしまいます。
また、どこにどんな食材があるのかを整理しなければ、いざ料理を作ろうと思っても使いたい食材が見つかりません。
【整理されなければ脳内がゴミ屋敷の状態になる】と先ほど言いましたが、まさに食材を大量に買って放置している状態をイメージしていただければわかりやすいでしょう。
インプットした情報を腐らせるのも、活用するのも、【整理】次第です。
そして、デフォルト・モード・ネットワークの状態のときにインプットされた情報は整理されます。
休憩中のスマホは絶対にやってはいけない

少しでも時間ができたらすぐにスマホを取り出す人がいますが、勉強や仕事の休憩中のスマホは絶対にやめましょう。
おさらいになりますが、ボーッとしたり、目をつぶっているときなどの「OFF」のときにデフォルト・モード・ネットワークの状態になります。
つまり、情報を【整理】するためには、情報の入力や思考の緊張感から脳を開放させる時間を作らなければいけません。
スマホからは大量の情報が脳に入ってくるので、休憩中にスマホをいじる人は、情報を【整理】する時間をとることができません。
仙台市の中学生を対象にした調査によると、スマホの利用時間が1時間増えるごとにテストの平均点がおよそ5点ずつ下がるという結果が出ていますが、まさに情報の【整理】ができていないことが原因だと考えられます。
また、働き盛りのサラリーマンでも、スマホの長時間利用による記憶力の低下や意欲の低下が問題になっています。
他にも、スマホの長時間利用はうつ病のリスクを高めたり、主観的幸福感を低下させたり、睡眠の質を下げるなどの恐れがあります。
スマホは1日1時間まで。そして、勉強や仕事の合間にはスマホをいじらないようにしましょう。
「スマホ長時間利用のリスク」や「利用時間を減らす方法」についてはこちらの記事で紹介しています。


勉強効率を最大化する、究極の休憩法

休憩中は、脳に情報を【整理】させることが勉強効率を最大化する秘訣です。
つまり、デフォルト・モード・ネットワークをONにする必要があるのです。
デフォルト・モード・ネットワークをONにする2つの方法を紹介します。
目を閉じる

目を閉じて、ボーッとすることでデフォルト・モード・ネットワークはONになります。
つまり、情報を【整理】している状態です。
私達は、目を閉じて日常生活を送ることはほぼ不可能といえるほど、視覚にたよった生活をしています。
目を開けている限り、常に膨大な情報が脳に送られ続けます。
目を閉じると、視覚からの新しい情報を処理する必要がなくなり、脳に余裕が生まれます。
すると、記憶を定着させる作業に集中することができ、記憶の定着率が上がると言われているのです。
メンタリストのDaigoさんが書いた、『超効率勉強法』(Gakken)では、以下の実験が紹介されています。
読書のあとにゲームをしていたグループより、目を閉じてボーッとしていたグループの方が、記憶の定着率が10%高くなった。
これは、デフォルト・モード・ネットワークがONになり、情報が【整理】されたためである考えられます。
勉強の間にスマホやテレビ、ゲームは絶対にNGです。
勉強効率を最大化するためには、休憩中になにをするかが大切です。
運動する

実は、運動しているときもデフォルト・モード・ネットワークがONになります。
脳科学者の茂木健一郎さんは、雑誌『PRESIDENT』の中で、「なぜ、毎朝1時間走り続けるのか」という回答を次のように述べています。
デフォルト・モード・ネットワーク機能を1時間のランニングによって活性化できるので脳の中を断捨離できる
また、ある研究によれば、5分ほど体を活発に動かすだけでも、子どもの集中力改善の効果が見られたそうです。
さらに、運動をすることで、すぐに記憶力があがることもわかっています。
勉強と運動はとても相性がよく、デフォルト・モード・ネットワークをONにし記憶を【整理】するだけでなく、運動により学習機能がアップしたり、長期記憶を強化することもわかっています。
私は、勉強の間の時間を使って腹筋や腕立てふせなどの筋トレをしています。
また、週に2日はジムにいってランニングをするようにしていますが、運動をした後は頭がクリアになって、集中して作業をすることができると感じています。
まずは、休憩中にウォーキングや軽いストレッチなど、簡単にできることから始めてみて下さい!
まとめ:休憩中の行動が勉強効率を決める
いかがでしたでしょうか。
情報処理には以下の3段階があります。
情報の【整理】が行われるのは、デフォルト・モード・ネットワークがONの状態のとき。
そして、デフォルト・モード・ネットワークは、ボーッとしたり、無心になって運動しているときにONになります。
今まで休憩法を意識したことがないほど、効果が出るはずです。
今まで100のインプットをしても30しかアウトプットをできなかった人でも、休憩中にデフォルト・モード・ネットワークをONにすることにより、100のインプットで100のアウトプットができるようになります。
ぜひ、あなたの能力を最大限引き出すためにも、勉強効率を最大化する究極の休憩法を意識してみて下さい。
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① 目を閉じる
② 運動する