大学院の入学金は、入学を辞退しても返金されないのが原則です。
一方、前期授業料や施設費などは、期限内に辞退手続きをすれば返金される大学院があります。
同じ「入学手続時納付金」でも、費目によって扱いが違います。
返金の可否は、大学院、入試区分、申請日で変わります。
2027年度の公式例では、3月31日を締切とする大学院が複数あります。
ただし、正午、17時、23時59分など、締切時刻は同じではありません。
この記事では、入学金と授業料を分けて考えます。
大学院ごとの公式例、辞退手順、併願前の予算まで整理します。
検定料について知りたい人は、大学院の受験料はいくら?を先に確認してください。
結論:入学金は原則返金なし、授業料等は期限内なら戻る場合がある

最初に、返金の考え方を三つに分けます。
| 支払った費用 | 辞退時の一般的な扱い | 確認する場所 |
|---|---|---|
| 入学金・入学申込金 | 原則として返金なし | 学費表、入学手続要項 |
| 前期授業料・施設費 | 期限内の申請で返金される例がある | 入学辞退案内 |
| 検定料 | 原則として返金なし | 募集要項 |
ここでいう「原則」は、すべての大学院へ共通する保証ではありません。
大学独自の返還制度や、特別な免除制度が設けられる場合があります。
反対に、締切を過ぎると、授業料等も戻らないことがあります。
判断するときは、次の式で考えてください。
返金見込額=入学手続時納付金-返金対象外の入学金等
たとえば、入学金24万円と他の学費40万8,100円を払ったとします。
他の学費が全額返還対象なら、返金見込額は40万8,100円です。
24万円の入学金は、手元に戻らない前提で予算を組みます。
ただし、実際の返金額は大学院からの案内で確定してください。
入学金・授業料・検定料は別の費用

返金を調べる前に、名称を分けます。
「大学へ払ったお金」と一括りにすると、案内を読み違えます。
入学金は入学できる地位を確保する費用
入学金は、入学手続時に納める一度限りの費用です。
大学によっては「入学申込金」と表記されます。
中央大学の2027年度大学院学費一覧では、入学金を入学申込金とも表記しています。
同ページには、理由を問わず返還しないと明記されています。
入学金を納めると、入学できる地位を確保した扱いになります。
その後に別の大学院へ進学しても、返金されない例が多い費目です。
授業料や施設費は入学後の教育に関する費用
授業料、施設費、実験実習費などは、入学後の教育に関する費用です。
入学前の所定期限までに辞退すれば、返金される大学院があります。
ただし、自動で振り込まれるとは限りません。
辞退届と返還請求書を出す例もあります。
検定料は出願時に払う受験費用
検定料は、出願を受理して選抜を行うための費用です。
合格後に辞退しても、通常は返金されません。
入学金とは、支払う時期も目的も違います。
出願前に必要な総額は、検定料と入学手続金を別の列にしてください。
2027年度の大学院公式例を比較

最新の扱いは、必ず受験年度の公式情報で確認します。
ここでは、2027年度を中心に確認できた例を比較します。
| 大学院の公式例 | 返還の扱い | 主な締切 |
|---|---|---|
| 北里大学大学院 | 入学金を除く納付金を返還 | 2027年3月31日12時必着 |
| 目白大学大学院 | 入学金を除く納付金を返還 | 2027年3月31日必着 |
| 金沢医科大学大学院 | 入学金を除く授業料等を返還 | 2027年3月31日16時必着 |
| 愛知医科大学大学院 | 入学金20万円を差し引き返還 | 2027年3月31日17時必着 |
| 東京理科大学大学院 | 入学金以外が所定申請で返還対象 | 2027年3月31日17時 |
| 神戸学院大学大学院の対象選抜 | 入学金を除く前期授業料等を返還 | 2027年3月31日23時59分 |
共通しているのは、入学金と他の学費を分けている点です。
一方、期限、時刻、申請方法は揃っていません。
北里大学大学院では、一般入学と推薦入学でも扱いが違います。
一般入学は、期限内の辞退で入学金を除く納付金が返還対象です。
推薦入学は専願扱いで、原則として辞退できません。
やむを得ない事情がある場合も、審査があります。
金沢医科大学大学院では、入学金、授業料等、委託徴収金を分けています。
授業料等は期限内申請で返還されます。
委託徴収金も、辞退者には返還すると案内されています。
このように、「入学金以外は全部戻る」とも限りません。
費目ごとの行を読んで、返還対象を確定してください。
2026年以降も大学ごとの確認が必要
入学金の負担軽減をめぐる動きは変化しています。
ただし、全国一律で必ず返金される制度になったわけではありません。
文部科学省は2025年6月、私立大学へ負担軽減策の検討を求める通知を出しました。
2026年3月には、その考え方をまとめた資料も公表しています。
文部科学省の説明では、入学料の額や納付期限の扱いは、各設置者が判断します。
大学により、次のような対応が考えられます。
- 入学金の納付期限を遅らせる
- 入学金を分割して納められるようにする
- 一定条件で全部または一部を返還する
- 既存どおり返還しない
したがって、古い一般論だけで判断しないでください。
2026年以降は、大学独自の変更が出ていないかも確認します。
見る順番は、文部科学省の通知より大学院の入学手続要項が先です。
国の通知は背景を知る資料です。
自分の返金額を決めるのは、受験先の規程と手続案内です。
入学辞退と返金の手順
返金を受けるには、入学辞退を正式に完了させます。
電話やメールだけで終わらない大学院もあります。
1. 入学手続要項で返還対象を確認する
最初に、次の語句を探します。
- 入学辞退
- 学納金返還
- 納付金返還
- 既納金
- 入学時納付金
サイト内検索だけでなく、合格者向けの手続書類も見てください。
公開ページに詳細がなく、合格通知に同封される場合があります。
2. 申出期限と必着時刻を確認する
「3月31日まで」だけでは不十分です。
正午必着と17時必着では、郵送できる最終日が変わります。
オンライン申請も、入力開始時刻ではなく送信完了時刻で見ます。
確認表には、日付と時刻を一つの欄へ書いてください。
3. 先に入試担当へ連絡する
辞退が決まったら、入試担当へ連絡します。
北里大学大学院は、速やかに電話で申し出るよう案内しています。
連絡時は、受験番号、研究科、専攻、入試区分を用意します。
返金の可否を電話だけで確定せず、公式書類でも確認してください。
辞退をメールで伝える文面は、大学院合格後の進学辞退メール例文で確認できます。
4. 辞退届と返還書類を提出する
必要書類は大学院ごとに違います。
| 書類・情報 | 使う目的 |
|---|---|
| 入学辞退届 | 辞退意思を正式に示す |
| 納付金返還請求書 | 返還を申請する |
| 入学許可証 | 手続済みであることを確認する |
| 振込先口座 | 返還金を受け取る |
| 受験番号 | 本人と選抜区分を特定する |
北里大学大学院では、入学辞退届と入学許可証が必要です。
目白大学大学院では、簡易書留での郵送が案内されています。
記録が残る方法を選び、控えも保存してください。
5. 受付完了と入金予定を確認する
書類を送っただけで安心しないでください。
オンラインなら完了画面と通知メールを保存します。
郵送なら追跡番号と配達完了日を残します。
北里大学大学院は、返還まで3週間程度と案内しています。
目白大学大学院は、4月下旬までの振込を示しています。
入金時期には差があるため、直後の生活費へ充てる前提にしないでください。
状況別に返金の可能性を判断する
支払い状況により、次の行動が変わります。
自分に近いケースから確認してください。
入学金だけを払った
入学金だけを納め、その後に辞退するケースです。
原則返金なしの大学院では、戻る費用がありません。
ただし、辞退手続自体が不要とは限りません。
辞退手続が必要かは、納付した費目だけでは決まりません。
返金が0円でも、入学辞退届を求める大学院があります。
合格者向けの手続要項で、辞退連絡の要否を確認します。
入学金と前期授業料を払った
このケースは、授業料等が返金対象になる可能性があります。
たとえば納付額が70万円、入学金が20万円なら、返金候補は50万円です。
ただし、施設費や委託徴収金の扱いを別に確認します。
返金額は、次の表で計算すると見落としにくくなります。
| 費目 | 納付額 | 返還対象 | 返金見込額 |
|---|---|---|---|
| 入学金 | 200,000円 | 対象外 | 0円 |
| 前期授業料 | 400,000円 | 対象 | 400,000円 |
| 施設費 | 80,000円 | 対象 | 80,000円 |
| 委託徴収金 | 20,000円 | 要確認 | 未確定 |
「入学金を除く納付金」と書かれていても、対象外費用がないか見ます。
3月31日を過ぎてから辞退する
期限後は、返金されない可能性が高まります。
期限後の扱いは、大学院ごとに異なります。
返金申請とは別の手続を求められることもあります。
期限を過ぎたから連絡しない、という判断は避けてください。
進学しないことが決まった時点で、すぐ入試担当へ相談します。
国公立大学院を辞退する
国公立でも、納入済みの入学料が返還されない例があります。
北海道教育大学は、辞退時も納入済み入学料を返還しないと案内しています。
国立だから自動で戻るとは考えないでください。
授業料の納付時期は大学により異なります。
まだ授業料を払っていなければ、返還申請ではなく納付停止の確認になります。
推薦・専願合格は返金より先に辞退可否を確認
推薦入試では、金額だけ見てはいけません。
専願条件により、原則として辞退できない場合があります。
北里大学大学院は、推薦入学を専願者として扱います。
辞退できるのは、病気や怪我などやむを得ない理由がある場合です。
その場合も、審査で認められる必要があります。
学内推薦でも、合格後の入学確約を条件とすることがあります。
次の順番で確認してください。
- 募集要項の専願・入学確約条件を見る
- 推薦を出した指導教員や所属大学へ相談する
- 進学先の入試担当へ事情を伝える
- 指示された辞退書類を提出する
一般入試と同じ感覚で、返還請求書だけを送らないでください。
推薦元への連絡方法も、所属大学の指示に従ってください。
やむを得ない事情があるなら、自己判断で放置せず相談します。
併願するなら入学金の二重払いを予算に入れる
大学院併願では、合格発表と入学手続の順番がずれることがあります。
第1志望の発表前に、併願校の入学金期限が来るケースです。
席を確保するには、返金されない入学金を先に払う可能性があります。
受験前に、次の四つの日付を並べてください。
| 比較項目 | 第1志望 | 併願校 |
|---|---|---|
| 合格発表 | 9月10日 | 9月1日 |
| 入学金期限 | 9月20日 | 9月8日 |
| 授業料期限 | 3月中 | 9月15日 |
| 辞退・返還期限 | 3月31日 | 3月31日 |
この例では、併願校の入学金期限が先に来ます。
第1志望の結果を待つと、併願校の権利を失います。
一方、先に払えば、後で入学金が戻らない可能性があります。
併願表では、入学金を「戻らない費用」として別枠にします。
返金される授業料は、一時的な立替金として扱います。
まず研究内容と試験日程で候補を絞ります。
その後、納付期限と二重払いになる入学金の最大額を比較します。
受験校数の決め方は、院試は何校併願する?も確認してください。
合格発表日の探し方は、院試の合格発表はいつ?で整理しています。
返金で失敗しない確認表
辞退が決まる前から、確認表を作っておきます。
合格後は期限が短く、書類を探す時間も負担になるからです。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 大学・研究科 | 同じ大学内の取り違えを防ぐ |
| 入試区分 | 一般、推薦、社会人など |
| 入学金 | 金額と返還可否 |
| 授業料等 | 返還対象になる費目 |
| 辞退期限 | 日付、時刻、必着か送信完了か |
| 申請方法 | Web、郵送、窓口 |
| 必要書類 | 辞退届、許可証、口座情報 |
| 返還予定 | 振込時期と手数料 |
| 問合せ先 | 入試担当の電話とメール |
確認日は必ず残してください。
前年のページを見ていると、期限や様式が変わることがあります。
ファイル名には、年度と大学院名を入れます。
例は「2027_〇〇大学院_入学辞退案内」です。
スマホで確認する人は、期限の画面を画像でも保存してください。
ページ更新後も、自分が見た条件を確認しやすくなります。
よくある質問
最後に、大学院の入学金返金で迷いやすい点を整理します。
個別の返金可否は、受験先の入試担当へ確認してください。
入学金を払った後でも辞退できますか
一般入試なら、所定の辞退手続を案内する大学院があります。
ただし、入学金は戻らない例が多いです。
推薦や専願では、原則辞退不可の場合があります。
募集要項の入学確約条件を先に見てください。
入学金はクーリングオフできますか
入学手続金を、一般の通信販売と同じ感覚で判断しないでください。
大学院の規程と手続案内に基づいて処理されます。
返金を希望する場合は、入試担当へ正式に申し出ます。
授業料はいつまでなら返金されますか
3月31日を期限とする公式例が複数あります。
ただし、12時、16時、17時、23時59分など時刻が違います。
3月31日ならどこも同じ、と考えないでください。
辞退届はメールで送ればよいですか
大学院の指定方法に従います。
郵送、Web申請、窓口提出などがあります。
先に電話連絡を求める大学院もあります。
メールだけで完了したと思わず、受付完了を確認してください。
返金はいつ振り込まれますか
手続後3週間程度や、4月下旬までとする公式例があります。
書類不備があれば遅れる可能性もあります。
次の大学院の入学金や引っ越し費用は、別に用意してください。
返還制度が後から変わることはありますか
変わる可能性があります。
文部科学省の通知後、負担軽減策を検討する大学もあります。
必ず受験年度の公式ページと合格者向け書類を確認してください。
まとめ:返金額より先に費目と締切を分ける
大学院の入学金は、辞退しても返金されないのが原則です。
授業料、施設費、委託徴収金などは、期限内の辞退で戻る場合があります。
確認する順番は、次のとおりです。
- 入学金と他の学費を分ける
- 入学辞退と返還の期限を確認する
- 入試担当へ連絡する
- 指定書類を期限内に提出する
- 受付完了と返金予定日を保存する
推薦や専願では、返金より先に辞退できる条件を確認してください。
併願する人は、入学金を戻らない費用として予算へ入れます。
前期授業料等は、返金まで一時的に立て替える資金です。
大学院の学費全体は、大学院はいくらかかる?で確認できます。
最後は、自分が受ける年度の入学手続要項で確定してください。
今回確認した公式情報
以下は2026年7月28日時点の確認結果です。
最新条件は、必ず受験年度の要項で再確認してください。


