コンサル提案書は、顧客の課題に対して「何を、どこまで、どの順番で支援し、何を残すか」を判断してもらう資料です。作り方の要点は、経歴やサービス紹介を先に並べず、依頼の背景、支援範囲、成果物、進め方、役割、条件を一つの案件としてつなぐこと。この記事では、初回の業務提案を想定した完成例と、コピーして編集できるテンプレートを示します。
この記事でわかること
提案書を作り始める前の確認事項から、本文の組み立て、提出前の点検までを扱います。読み終えたら、相談中の案件について「相手が判断できる一枚の要約」を作れる状態を目指してください。
- 提案書と職務経歴書、報告資料の役割の違い
- 顧客の要望を、支援範囲と成果物へ変える手順
- 四週間の業務整理支援を題材にした架空の完成例
- Wordやスライドへコピーして編集できるひな形
- 費用、顧客側の協力、未確認事項を曖昧にしない書き方
読者の前提
対象は、独立・副業で顧客への提案を準備する人や、コンサル案件の提案づくりを初めて担当する人です。顧客との初回ヒアリングを終え、相談内容を業務として具体化する場面を中心に説明します。提案の機会を得るまでの流れは、フリーランスコンサルの案件獲得方法で別に整理しています。
顧客から指定の提案依頼書や書式が届いている場合は、提出条件を先に確認してください。本記事の章立ては独自の作成例で、入札や特定企業の指定様式を代替するものではありません。説明用の会社、日程、数量、金額はすべて架空です。実際の受注率、業界の標準単価、効果を表す数値ではありません。
また、提案段階の文書が契約上どう扱われるかは、合意内容によって異なります。ここでは業務の説明と確認項目を扱い、契約の成立や効力を判断しません。自社や契約相手の手続きに沿って、最終的な条件を確認するために使ってください。
結論
コンサル提案書は「課題をこう捉え、この範囲を、この方法と体制で進め、この成果物で確認する」という一本の説明にします。冒頭では今回の判断を一つに絞り、本文ではその判断に必要な根拠と条件を示します。大きな将来像だけでなく、最初の支援期間を終えたときに何が手元に残るかまで書くのが出発点です。
本記事では、次の七段階で作ります。
- 誰に、何を決めてもらう提案かを確認する
- 顧客が話した事実と、自分の仮説を分ける
- 支援する範囲と、今回含めない範囲を決める
- 成果物と、その内容を確認する方法を書く
- 工程、担当、顧客側の協力をつなぐ
- 費用の対象と変更時の相談方法を示す
- 要約に戻り、本文との矛盾を点検する

一枚ずつのメッセージや根拠の置き方は、コンサル資料の作り方の基本を参照してください。本記事では資料全般の見せ方よりも、受注前に支援内容を判断できるようにする点へ焦点を絞ります。
提案書と職務経歴書・報告書は何が違うか
提案書の中心は、これから引き受ける仕事です。過去の経歴は、その仕事を任せられるかを判断する材料として必要な部分を載せます。
| 文書 | 読み手が知りたいこと | 主に書く内容 |
|---|---|---|
| 職務経歴書・プロフィール | この人は何を担当してきたか | 経験、役割、実績、専門領域 |
| コンサル提案書 | この支援をどの条件で進めるか | 課題、範囲、成果物、工程、体制、費用 |
| 報告書 | 実施して何が分かり、次に何をするか | 調査・分析結果、判断、残課題 |
たとえば「業務改革の経験が豊富です」だけでは、今回どの業務を整理し、どこで支援を終えるかが分かりません。「受注処理の現状を整理し、例外対応の分類と改善候補の優先順位表を作る」と書けば、相手は自社で必要としている支援かを検討できます。
経験を載せるときも、今回の仕事との接点を一文添えます。「過去に複数部門へのヒアリングと業務フロー整理を担当したため、今回の現状整理を担当できる」といった形です。実施していない成果を足したり、チーム全体の実績を自分一人の実績へ変えたりしません。担当範囲を言葉にしにくい場合は、専門性を案件条件へ変える整理法から準備できます。
ステップ1:相手に決めてもらうことを一つに絞る
最初に書くのは、今回の提案で進めたい判断です。「ご検討ください」で止めず、対象範囲、判断者、判断に必要な情報を確認します。
初回ヒアリングで「受注業務を効率化したい」と言われたとします。これだけでは、現状調査を頼みたいのか、システムを導入したいのか、現場への定着まで支援してほしいのかが分かりません。提案前に「今回は現状整理の支援を決める場でしょうか。それとも改善施策の実施まで比較する場でしょうか」と聞き、検討する範囲を合わせます。
窓口担当者と判断者が異なるなら、担当者が説明に使う情報も確認します。誰の承認が必要かを推測で決めず、「この資料を次に確認する方と、その方が重視する条件を教えてください」と聞きます。費用を判断する人、現場の負担を判断する人、情報提供を許可する人が別の場合もあるため、役割で整理すると抜けを見つけやすくなります。
この段階での一文は「営業部長に、受注処理の現状整理を四週間で行う支援案と、担当者のヒアリング協力枠を検討してもらう」です。まだ期間や協力枠の合意がないなら、提案上の想定と明示します。合意済みの事実に見せると、後から条件を戻す説明が必要になります。
ステップ2:顧客の事実と課題仮説を分ける
提案の根拠は、確認できた事実と、これから確かめる仮説を分けて書きます。聞いていない原因を断定すると、提案全体が不確かな前提に乗ってしまいます。
| 区分 | 架空の受注業務での記入例 | 提案への使い方 |
|---|---|---|
| 確認済みの発言 | 営業担当者は確認の差し戻しが負担だと話している | 困りごとの出発点として記載 |
| 未検証の仮説 | 入力情報の不足と例外処理の判断先が影響していそう | 調査で確認する問いにする |
| 未確認の情報 | 差し戻し件数、原因別内訳、部門間の待ち時間 | 必要データと確認担当を決める |
悪い例は「入力ルールが不統一なので処理が遅れています。ルールを統一すれば解決します」です。まだ調査していないのに原因と施策を決めています。改善例は「差し戻しの負担が挙がっています。入力不足、例外処理、部門間の確認待ちのどこに要因があるかを調べ、改善候補を整理します」となります。
ヒアリング記録には確認日と発言者の役割を残し、資料には共有が許された範囲で要約します。担当者の印象を、会社全体で検証された事実に置き換えないことが大切です。数値がない場合も、数字を作って見栄えを整える必要はありません。「現状値は第一週に確認する」と書けば、情報の不足自体を工程へ組み込めます。
ステップ3:支援範囲を成果物の手前で区切る
支援範囲は、対象業務、対象組織、担当工程の三つで区切ります。加えて、似ているため含まれると誤解されやすい仕事を対象外として示します。
たとえば「受注業務改善支援」だけでは、見積、受注、出荷、請求、入金まで含むようにも読めます。今回扱うのが受注受付から出荷指示までなら、その始点と終点を明示します。営業部だけを対象にするのか、物流部門への確認も含むのか、例外処理をどこまで調べるのかも確認します。
| 範囲の軸 | 含める例 | 含めない例 |
|---|---|---|
| 業務 | 受注受付から出荷指示までの現状整理 | 請求・入金業務の全面見直し |
| 組織 | 営業部と出荷指示担当へのヒアリング | 海外拠点全体への調査 |
| 工程 | 現状把握、課題整理、改善候補の比較 | システム開発、全社導入、定着運用 |
対象外は責任を避けるための小さな注記にせず、必要なら次の検討段階と並べて説明します。「システム改修の要否は整理しますが、設計・開発費用は本提案に含めません」と書くと、今回の成果が次にどう使われるかも伝わります。
詳細な解決策がまだ決められない場合は、診断と実行を分ける方法もあります。ただし、毎回二段階にすればよいわけではありません。既に調査結果が揃っているなら、再調査を増やす理由を説明する必要があります。顧客の持つ情報を確認し、判断に足りない部分だけを支援範囲へ入れてください。
ステップ4:成果物と確認方法を対応させる
成果物は、作る資料の名前だけでなく、何が書かれ、誰が何を確認するかまで示します。「報告書一式」では作業の終わりを双方で判断しにくくなります。
受注業務の例なら、現状業務フロー、課題一覧、改善候補比較表の三つを成果物とします。現状業務フローは、通常処理と例外処理の分岐、担当、情報の受け渡しを示すものです。課題一覧には、困りごと、根拠、影響、追加確認事項を記載します。比較表では効果の見込み、実行負荷、依存条件、次の調査を並べ、優先する候補を選べるようにします。
確認方法は「現場担当者が業務の流れと分岐を確認し、営業部長が改善候補の優先順位と未確定事項を確認する」と書きます。提案段階で、確認担当やレビュー日が仮置きなら明示してください。「納品すれば終了」と一方的に決めず、提出形式や確認の進め方も相談します。
成果物と事業成果も分けます。今回約束するのが現状整理であるなら、売上増加や工数削減そのものを納品条件のように記載しません。改善候補の採否、実行時期、現場の利用状況によって事業への影響は変わります。測定する場合は、指標、対象範囲、比較期間、データの取得方法を別途決めると、根拠のない改善率を避けられます。
ステップ5:工程と役割を同じ表で確認する
工程表は、コンサル側の作業だけで埋めず、顧客側から必要な情報と判断も示します。資料提供やレビューが必要なのに、その時間を計画へ入れないと、開始後に予定を組み直すことになります。
| 時期 | 支援側の作業 | 顧客側へ依頼すること | 確認するもの |
|---|---|---|---|
| 第一週 | 既存資料確認、ヒアリング設計 | 利用可能な資料と窓口の指定 | 調査対象と質問項目 |
| 第二週 | 担当者ヒアリング、業務フロー作成 | 日程確保、事実関係の確認 | 現状フローの初稿 |
| 第三週 | 課題分類、改善候補の比較 | 制約と実行負荷への意見 | 課題一覧と比較表の初稿 |
| 第四週 | 最終レビュー、資料修正、引き継ぎ | 優先順位と残課題の確認 | 最終版と次の検討事項 |
この四週間は説明用のモデルです。最初にアクセス権の準備が必要な案件や、複数拠点の調査では別の工程になります。開始条件として「必要資料の利用許可と主要担当者の日程が確保できること」を置き、満たせないときは調査範囲、提出時期、代替手段を相談します。
体制欄では、支援者が何でも担当できるように見せないことも大切です。窓口、資料の確認者、業務上の判断者、システムの権限者を分けます。エージェントを介す場合は、顧客との業務確認と、費用・契約条件を調整する窓口の違いも、案件の取り決めに合わせて確認してください。
ステップ6:費用は対象範囲と前提をセットで示す
費用欄では、金額だけでなく、対象期間、想定する作業、含む費用、別途確認する費用を示します。説明する範囲は自分が提示権限を持つ条件に限り、未承認の金額を確定条件として送らないようにします。
本記事の架空例では、四週間の現状整理支援を税抜六十万円と仮置きします。十人日の作業を一人日六万円で積算した説明用の金額で、相場や推奨価格ではありません。支援者一名の資料確認、ヒアリング、分析、レビュー対応を含み、システム開発や全社展開は含みません。遠方出張など未確定の費用があれば、発生前に別途合意する欄を設けます。
十人日は四週間毎日常駐する意味ではありません。想定する会議枠や対応可能時間とともに説明し、顧客側の期待と合っているかを確かめます。総額方式、時間・稼働を基準にする方式など、実際の契約条件に応じて必要な表示は変わるため、この積算例をそのまま契約条件に転用しないでください。
追加の部門調査を求められたら、口頭で引き受けてから考えるのではなく、「対象、成果物、日程、費用への影響を整理し、着手前に確認する」と記載します。今回の範囲を保ったまま優先順位を入れ替えられる場合と、追加合意が必要な場合を分けると相談しやすくなります。締結前には、業務委託契約で確認すべき項目も併せて点検してください。
完成例:四週間の受注業務整理を提案する
以下は、全体のつながりを確認するための独自の架空完成例です。実在の顧客や受注事例ではありません。本文の六つの欄を、一つの提案として読む形にまとめています。
提案の要約
架空の青葉商事・営業部向けに、受注受付から出荷指示までの現状整理支援を提案します。担当者から挙がった確認の差し戻しについて、要因を調べ、改善候補の優先順位を判断できる状態を作ります。今回は四週間の調査・整理支援と、顧客側の資料提供・ヒアリング協力枠について検討をお願いします。
背景と確認する問い
事前ヒアリングでは、受注内容の確認と担当者への差し戻しが負担になっているという発言がありました。件数や時間は未確認です。入力不足、例外処理の判断先、部門間の情報受け渡しのどこに要因があるかを確認します。特定システムの導入を先に結論とせず、現行運用の見直しも含めて比較します。
支援範囲と成果物
営業部の受注受付から出荷指示までを対象とし、営業担当者と出荷指示担当者へ計四枠、各一時間のヒアリングを想定します。成果物は現状業務フロー、根拠と未確認点を含む課題一覧、改善候補比較表です。請求・入金業務の全面見直し、システム開発、全社展開は含めません。追加対象が生じた場合は、開始前に影響を確認します。
工程・体制・確認
第一週に既存資料と調査対象を確認し、第二週にヒアリングと業務フロー初稿を作ります。第三週に課題と改善候補を整理し、第四週に最終レビューと引き継ぎを行います。支援者一名が整理と分析を担当し、顧客窓口が日程と資料提供を調整します。現場担当者がフローの事実関係を、営業部長が優先順位と残課題を確認します。週一回、三十分の進捗確認を想定し、最終レビューは別に一時間確保します。
費用と前提
提案額は税抜六十万円です。資料確認と設計二人日、ヒアリングとフロー整理三人日、課題と改善案の比較三人日、レビューと修正二人日の計十人日を想定し、一人日六万円で積算しています。会議準備と参加はこの作業量に含みます。交通・宿泊を伴う出張は含まず、必要な場合は事前に相談します。この数字は説明用で、市場価格を示しません。
主要資料の利用許可と日程調整が開始条件です。開始日、請求・支払条件、最終的な作業範囲は双方で別途確認します。資料が揃わない場合は代替情報で可能な整理と限界を提示し、範囲または日程の変更を相談します。費用を変える場合も着手前に合意を確認します。
次に決めたいこと
次回は、調査対象が営業部の受注受付から出荷指示まででよいか、資料利用とヒアリング協力が可能かを確認します。その回答を反映した版で、開始日と条件の最終確認へ進めます。支援終了時には三つの成果物と未確定事項を引き継ぎます。改善施策の実行や工数削減そのものは、今回の支援で保証する内容に含めません。

この例の読みどころは、課題、調査、成果物、費用が同じ範囲を指していることです。要約では現状整理と言いながら、費用欄ではシステム開発まで含むような不一致を作らないようにします。相手から条件が変わったら、一か所だけ修正せず、関連する欄をまとめて見直します。
コピーして編集できる提案書テンプレート
以下をWord、Googleドキュメント、スライドの下書きへコピーし、角括弧内を自分の案件で置き換えてください。コードではなく編集用の文章ひな形です。空欄は推測で埋めず、未確認の場合は確認先と確認日を書きます。提出先の指定様式がある場合は、その欄へ対応させて使います。
提案名:[対象業務と支援内容] 提出先:[組織・役割] 提出者:[氏名・組織] 作成日:[日付] 版:[版番号] 1. 今回決めていただきたいこと [判断者]に、[支援の範囲・開始条件]をご検討いただきたい。 2. 背景と課題の捉え方 確認済みの事実:[確認日・確認方法も記載] 課題仮説:[事実と分けて記載] 未確認事項:[確認先・確認予定日] 3. 支援範囲 対象業務の始点と終点:[ ] 対象部門・関係者:[ ] 今回担当する工程:[ ] 今回含めないこと:[ ] 4. 成果物と確認方法 成果物名/記載内容/形式:[ ] 確認者/確認観点/確認時期:[ ] 5. 進め方と役割 各工程の作業/時期/担当:[ ] 顧客側へお願いする資料・時間:[ ] 開始条件/条件が揃わない場合の相談:[ ] 6. 費用と前提 対象期間/作業量や積算の考え方:[ ] 金額/税の扱い/含む費用:[ ] 含まない費用/追加時の確認方法:[ ] 請求・支払等の未確定条件と確認先:[ ] 7. 提案を支える経験 関連経験/本人の役割/今回使える点:[ ] 共有可能な根拠/限界:[ ] 8. 次の確認 次回決める項目/参加者/予定日:[ ] 保留事項/担当/確認期限:[ ]
初稿では文章を短くすることより、項目間の矛盾をなくすことを優先します。「対象部門は一つ」なのに「全社の業務フロー」を成果物にしていないか、十人日の作業に収まらない会議予定を入れていないかを確認してください。清書では、相手の判断に必要な要約を先頭へ置き、詳細な経験や参考情報を後ろへ回します。
よくある落とし穴
提案書の弱さは、情報量よりも、読み手が条件を補って解釈しなければならない箇所に表れます。次の五つを点検します。
経歴が長く、今回任せる仕事が見えない
会社や自分の紹介だけで冒頭が埋まっているなら、今回の支援内容を先に置きます。経験は削り切るのではなく、今回の調査・分析・調整を担当できる理由として選び直します。顧客名や成果物の画面を載せる場合も、共有権限を確認した範囲に限定します。
便利な言葉だけで成果物を説明する
「伴走」「高度化」「最適化」には、具体的に何を行うかを足します。「伴走支援」なら、週次の課題確認、論点整理、判断に必要な比較表の作成などへ分けます。ただし、説明のために作業を増やしすぎず、今回引き受ける範囲へ絞ります。
無料提案の段階で詳細設計を完成させる
受注前に示すのは、課題の捉え方、進め方、成果物のイメージと実施条件です。個別の詳細分析や、すぐ運用できる設計まで求められたら、作業目的、利用範囲、必要時間を確認します。必要に応じて有償の調査工程を提案しますが、相談内容を聞かず一律に費用化するのではなく、どこまでが初期提案かを先に共有します。
見込み効果を確定成果として書く
仮の削減率を大きく載せ、測定方法を小さく書くと、期待のずれが生じます。実測前なら、改善候補と確認する指標を説明し、成果の確約に見える書き方を避けます。数値を置くときは仮定、算出方法、実行条件を近くに記載します。
修正で範囲と金額の整合が崩れる
顧客の希望を反映して調査対象を増やしたら、ヒアリング数、工程、作業量、費用、成果物も再確認します。版番号を付け、前回からの変更点を送付文にまとめると、旧版との混同を減らせます。自分の作業メモや別顧客の情報が残っていないかも最後に点検します。
今日できるアクション
まず三十分を目安に、一件の相談内容から提案の骨組みを作ってください。三十分で完成するという意味ではなく、確認すべき不足を見つけるための着手時間です。
最初の十分で、顧客の事実、課題仮説、未確認事項を分けます。次の十分で、今回の支援範囲と成果物を一つずつ書き、含めない仕事を添えます。最後の十分で、顧客側にお願いする情報と時間、次に決めることを整理します。費用や期間を決められない場合は、決めるために必要な確認を残してください。

上司や協力者へレビューを頼むときは「きれいかどうか」だけを聞かず、「この範囲と成果物は一致しているか」「顧客側の負担を見落としていないか」の二点を確認します。独立準備全体の順番を戻って確認する場合は、フリーランスコンサルロードマップを利用してください。
FAQ
Q1. コンサル提案書は何枚にすればよいですか
一律の枚数は決めず、提出先の指定と判断に必要な情報に合わせます。初回の相談なら要約一枚から不足を確かめ、詳細が必要な段階で工程、体制、費用を補います。短くするために対象外や未確認条件を省かないようにしてください。本記事の完成例も、案件の複雑さに応じて分割して使えます。
Q2. PowerPointとWordのどちらで作るべきですか
相手の確認方法に合わせます。会議で説明するならスライド、条件や詳細を読み合わせるなら文書という使い分けができますが、指定があれば優先します。まず編集用テンプレートで内容を整理し、形式を決めた後も、範囲・成果物・費用のつながりを保ってください。
Q3. 顧客の情報が少ない段階でも提案できますか
仮説と未確認事項を明記した初期案は作れます。ただし、原因や効果を確定したように書かず、何を確かめれば支援内容を決められるかを示します。情報不足が大きければ、対象を限定した現状整理を先に検討し、その必要性と終了時に残すものを説明します。
Q4. 実績が少ないときは何を書けばよいですか
担当した作業と今回の支援の接点を具体的に書きます。業務フロー整理や部門間調整の経験があれば、本人の役割と成果物を示します。経験のない領域まで対応可能と広げず、協力者が必要な範囲や未経験部分を区別します。架空例を実績として掲載しないことも大切です。
Q5. 費用をまだ出せない場合はどうしますか
未確定のまま提出する理由と、算定に必要な確認事項を示します。対象部門数、ヒアリング範囲、成果物の深さが決まれば見積もれるなら、その条件と次の確認予定を書きます。根拠のない安い金額を先に置き、後から大きく変えるより、条件ごとの影響を説明できる形にします。
Q6. 提案書に契約条件はすべて書く必要がありますか
提案判断に必要な範囲、期間、費用、協力事項、対象外は見えるようにします。契約書や注文書との関係、最終的な条件の記載先は当事者の手続きに従います。文書名だけで効力を判断せず、不明な点は契約担当者へ確認してください。提案書と最終文書の条件の食い違いも点検します。
Q7. 生成AIで提案書の下書きを作ってもよいですか
利用が認められた環境と情報の範囲で、章立てや文章整理の補助に使う方法があります。顧客情報を入力できるかを確認し、架空の実績、存在しない根拠、引き受けていない作業が混ざっていないかを人が確認します。文章が自然でも、範囲と費用を決める責任を任せきりにはしません。
参考にした公開情報
公開情報では、才流の提案書テンプレートが、提案内容に加えて範囲、工程、役割、見積もりを整理する構成を示しています。また、JICAのプロポーザル作成ガイドライン(2015年3月改正版)では、実施方法と作業・要員計画の整合を確認する考え方を参照しました。後者は過去版の調達資料であり、現在の応募手続きや一般企業共通の提出規則として引用していません。
確認日は2026年10月20日です。本記事の七段階、青葉商事の完成例、金額、編集用テンプレートは、これらの書式を転載したものではなく、ESCAPE Consulting Careerが説明のために独自作成しています。実際の提出では、相手から指定された最新の条件を確認してください。
ESCAPE Consulting Careerでできること
関連教材「案件獲得・エージェント・面談・商流のリアル」では、案件に近い経験の伝え方、担当範囲、成果物、体制の確認を整理しています。この記事のひな形と組み合わせ、自分が何を引き受け、何を確認するかを言葉にしてみてください。
無料資料ライブラリの内容と受け取り方では、登録前に資料の表紙と内容を確認できます。資料は随時追加しています。公式LINEに無料登録すると、この教材の全ページを含む、ライブラリ掲載の全資料を閲覧できます。
提案する範囲や経験の伝え方に迷う場合は、完全無料のLINE相談をご利用ください。友だち追加直後のあいさつメッセージで資料ライブラリのURLが届くため、資料を見るための追加メッセージは不要です。相談時は顧客名や機密資料を送らず、課題、担当したい範囲、未確認の条件を一般化して共有してください。
