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コンサル議事録の書き方

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コンサル議事録の書き方で大事なのは、発言を漏れなく書き起こすことではありません。会議の目的、決定事項、未決論点、担当者、期限、次アクションを、後から動ける形で残すことです。読み返した人が「何が決まり、誰が、いつまでに、何をするのか」をすぐ判断できる議事録が、コンサル実務で使える議事録です。

この記事でわかること

この記事では、コンサル議事録の書き方を、就活・転職準備中の人、内定後に実務準備をしたい人、若手コンサルとして会議メモを任され始めた人向けに整理します。一般的なビジネスマナーではなく、クライアントワークで後続作業に使える議事録をどう作るかに絞ります。

  • コンサル議事録と発言録の違い
  • 会議前に押さえるべき目的と論点
  • そのまま使える議事録テンプレート
  • 会議中にメモすべき情報と捨てる情報
  • NG例と改善例
  • レビュー前のセルフチェック
  • 今日からできる練習方法

読者の前提

対象読者は、会議メモや議事録に苦手意識がある人です。たとえば、メモは大量に取っているのに「結局何が決まったの」と聞かれる人、発言者の言葉をそのまま書きすぎて読みにくくなる人、会議後にToDoや期限を確認し直すことが多い人を想定しています。

この記事では、特定ファームや特定クライアントの議事録フォーマット、非公開会議の進行ルール、案件固有の管理資料は扱いません。例はすべて、構造を示すための架空例です。実際の仕事では、プロジェクトのテンプレート、守秘義務、クライアントの文書ルールを優先してください。

また、議事録は文章力だけの問題ではありません。良い議事録を書くには、会議の目的、論点、意思決定、宿題を理解する必要があります。つまり、議事録は「聞き取る力」だけでなく、「論点を整理する力」と「次の行動に落とす力」の練習にもなります。

結論

コンサル議事録は、発言の記録ではなく、会議後の仕事を進めるための合意メモです。最低限残すべきものは、会議目的、決定事項、未決論点、ToDo、担当者、期限、次回確認事項です。この6つがそろっていれば、議事録は次の資料作成、追加調査、クライアント確認、チーム内レビューに使えます。

逆に、どれだけ丁寧に発言を書いていても、決定事項と宿題が曖昧なら実務では使いにくくなります。読み手は、長い発言録から結論を探したいわけではありません。会議に出ていなかった人でも、何が決まり、何が残り、次に誰が動くのかを確認したいのです。

そのため、初心者は「全部書く」よりも「動くために必要な情報を構造化する」ことを優先してください。会議中は発言をそのまま追いかけるのではなく、決定、論点、宿題、リスク、確認事項に分けてメモします。会議後は10分以内に、余計な発言メモを削り、読み手が動ける形に整えます。

コンサル議事録は発言録ではなく決定事項、論点、ToDoを残す成果物であることを示した図

コンサル議事録の役割

コンサル議事録の役割は、会議を思い出すことではなく、次の仕事を止めないことです。プロジェクトでは、会議の後に資料修正、追加分析、クライアント確認、社内レビュー、次回会議準備が続きます。議事録が弱いと、何をすべきかが曖昧になり、関係者への確認が増えます。

特にコンサルの会議では、話題が広がりやすくなります。論点、施策案、懸念、データ不足、次回までの宿題が同じ会話の中に混ざります。発言順にメモすると、あとから読む人は「決まった話」と「ただの意見」と「宿題」を区別しにくくなります。

議事録は、次の3つを明確にするためのものです。

  1. 何が決まったか
  2. 何がまだ決まっていないか
  3. 誰がいつまでに何をするか

この3つが曖昧な議事録は、文章がきれいでも実務上は弱いです。たとえば「価格案について議論した」と書くだけでは、A案で進めるのか、B案も残るのか、追加調査が必要なのかがわかりません。「価格案はA案を軸に次回提案する。ただし導入費用の前提は6月21日までに営業側へ確認する」と書けば、次の行動につながります。

議事録を書く人は、会議の書記ではなく、合意形成の補助者です。会議で曖昧なまま流れそうな点があれば、「この点はA案で決定、B案は保留という理解でよいでしょうか」と確認することもあります。新人や内定者の段階では発言しにくい場合もありますが、少なくともメモ上では「決定」「未決」「確認」と分ける意識を持ってください。

基本テンプレート

最初は、凝ったフォーマットを使う必要はありません。コンサル議事録では、読み手がすぐ行動できるように、上から順に「会議情報」「目的」「決定事項」「未決論点」「ToDo」「詳細メモ」を置くと整理しやすくなります。

会議名:
日時:
参加者:
会議目的:

決定事項:
1.
2.

未決論点:
1.
2.

ToDo:
| No | 内容 | 担当 | 期限 | 確認先 |
| --- | --- | --- | --- | --- |

詳細メモ:
- 論点1:
- 論点2:

次回確認事項:

このテンプレートのポイントは、詳細メモを上に置かないことです。初心者ほど、発言を追うので精一杯になり、詳細メモを議事録の中心にしてしまいます。しかし、読み手が最初に見たいのは詳細な会話ではなく、決定事項とToDoです。

会議目的も重要です。目的がない議事録は、何を基準に情報を残すべきか判断できません。たとえば「販売施策の進め方を決める会議」と「販売施策の論点を洗い出す会議」では、書くべき内容が変わります。前者なら決定事項が重要です。後者なら未決論点と追加確認事項が重要です。

ToDoは表にしてください。箇条書きだけだと、担当者や期限が抜けやすくなります。

No内容担当期限確認先
1A案の費用前提を再確認する佐藤6月21日営業チーム
2既存顧客3社の導入条件を整理する鈴木6月24日プロジェクトMTG
3次回提案資料の1章を修正する田中6月25日マネージャー

表にすると、抜け漏れが見えます。「誰が」「いつまでに」が空欄なら、その場で確認すべきです。確認できなかった場合は、空欄にせず「要確認」と書き、次回確認事項にも入れます。

コンサル議事録テンプレートを目的、決定事項、未決論点、ToDo、詳細メモに分けて整理する図

会議中のメモの取り方

会議中は、すべての発言を同じ重さでメモしないことが大切です。発言をそのまま追うと、会議の流れにはついていけても、あとから整理するときに時間がかかります。最初から分類してメモすると、会議後の修正が大きく減ります。

おすすめは、メモを次の5つに分けることです。

分類メモする内容
決定合意されたことA案を軸に次回提案する
未決まだ決まっていないこと価格条件は追加確認後に判断
ToDo誰かが実行すること費用前提を6月21日までに確認
根拠判断の背景になる事実既存顧客の導入期間が短い
リスク後で問題になる可能性競合比較の前提が不足

この分類を使うと、発言を短くできます。たとえば、会議で「A案はよさそうだけど、費用の前提がまだ粗いので、営業側に確認してから来週もう一度見たいですね」と話があった場合、発言をそのまま書く必要はありません。

未決: A案を軸に進める方向。ただし費用前提は未確定
ToDo: 営業側に費用前提を確認
期限: 次回会議前

会議中に判断が曖昧な場合は、メモ上で「決定」と断定しないでください。「方向性」「暫定」「要確認」のように状態を分けます。議事録で勝手に決定扱いすると、関係者の認識ずれを生む可能性があります。

また、発言者名は常に必要とは限りません。決定事項やToDoでは担当者が重要ですが、雑談や背景説明の発言者まで残すと読みにくくなります。誰が言ったかより、何が決まり、何をするかのほうが重要です。ただし、クライアントの依頼、重要な懸念、判断者の明確な指示は、発言者や確認元を残したほうが安全です。

会議後10分で整える手順

議事録は、会議直後に整えるほど品質が上がります。時間が経つと、発言のニュアンス、未決だった点、ToDoの期限が曖昧になります。おすすめは、会議終了後10分だけ確保し、次の順番で整えることです。

  1. 会議目的を1文で書く
  2. 決定事項を上に移す
  3. 未決論点を「次に判断すること」に直す
  4. ToDoを担当者と期限つきで表にする
  5. 詳細メモから不要な発言を削る
  6. 不明点を「要確認」として明示する
  7. 読み手に送る前に、次アクションだけ再確認する

この順番にすると、発言録から議事録へ変換できます。最初から文章をきれいにしようとすると時間がかかるので、まず構造を整えます。文章の自然さは最後で構いません。

たとえば、会議直後のメモが次のようになっていたとします。

価格案はAがよさそう。Bは導入は楽だが利益率が低い。Cはまだ情報不足。
田中さんが費用を確認。来週まで。営業にも聞く。
次回は提案資料を見る。顧客の反応も必要。

これを議事録に直すなら、次のようにします。

決定事項:
- 次回提案ではA案を軸に検討する。

未決論点:
- A案の費用前提が妥当か。
- C案を比較対象として残すか。

ToDo:
| 内容 | 担当 | 期限 | 確認先 |
| --- | --- | --- | --- |
| A案の費用前提を確認する | 田中 | 次回会議前 | 営業チーム |
| 既存顧客の反応を整理する | 佐藤 | 次回会議前 | 顧客ヒアリングメモ |

このように直すと、会議に出ていない人でも次に何をすればよいかがわかります。議事録の価値は、文章量ではなく、後続作業の迷いを減らすことにあります。

NG例と改善例

ここでは、よくあるNG議事録を架空例で見ていきます。

NG例は、発言順にすべて書いている議事録です。

田中さん: A案はよさそう。価格が少し高いかもしれない。
佐藤さん: B案は導入しやすいが、利益率が低い。
鈴木さん: C案は情報が足りないので、もう少し調べたい。
田中さん: 次回までに費用を見ておきます。
佐藤さん: 顧客の反応も必要ですね。

この議事録は、会話の流れはわかります。しかし、何が決まり、何が未決で、誰がいつまでに何をするかが読み取りにくいです。会議に出た人には伝わっても、後から参照する人には使いにくくなります。

改善例は、情報を役割ごとに整理します。

決定事項:
- 次回提案ではA案を軸に検討する。

未決論点:
- A案の価格が許容範囲か。
- C案を比較対象として残すか。

ToDo:
- 田中: A案の費用前提を次回会議前までに確認する。
- 佐藤: 既存顧客の反応を次回会議前までに整理する。

補足:
- B案は導入しやすいが、利益率の低さが懸念。

改善例では、発言者の言葉をそのまま残していません。その代わり、意思決定と宿題に変換しています。これが、発言録とコンサル議事録の大きな違いです。

もう1つのNGは、曖昧な表現で終わることです。

次回までに各自確認する。
必要に応じて資料を修正する。
方向性はおおむね合意。

この書き方では、誰が何をするのかがわかりません。改善するなら、担当、期限、確認先を入れます。

ToDo:
- 田中: A案の費用前提を営業チームへ確認し、6月21日までに共有する。
- 佐藤: 提案資料の比較表をA案/B案/C案で更新し、6月24日のレビューで確認する。

決定事項:
- 提案資料はA案を主軸に作成する。ただし、費用前提の確認結果によってB案も再検討する。

曖昧な言葉を具体化するだけで、議事録は実務で使いやすくなります。

レビュー前チェック

議事録を送る前に、最低限次のチェックをしてください。若手のうちは、文章表現よりも、抜け漏れのほうが大きな問題になりやすいです。

  • 会議目的が1文で書かれているか
  • 決定事項と未決論点が分かれているか
  • ToDoに担当者と期限が入っているか
  • 「要確認」が放置されていないか
  • クライアント名、個人情報、機密情報の扱いに問題がないか
  • 発言録が長すぎず、後続作業に必要な情報へ整理されているか
  • 次回会議で確認すべきことが見えるか

特に重要なのは、決定事項と未決論点の分離です。「A案で進める方向」と「A案で決定」は違います。方向性なのか、正式決定なのか、仮置きなのかを曖昧にすると、後続作業で認識がずれます。

守秘義務の確認も欠かせません。議事録には、クライアント名、参加者名、数字、施策案、内部検討内容が含まれることがあります。公開記事や外部共有資料に転用してはいけません。送付先、共有範囲、ファイル名、保管場所もプロジェクトルールに合わせます。

読みやすさの観点では、まず上部だけで要点がわかるかを確認します。冒頭に決定事項とToDoがあれば、読み手は詳細メモをすべて読まなくても次に動けます。詳細メモは、必要な人が確認する補足として置きます。

議事録レビュー前に目的、決定事項、未決論点、ToDo、守秘義務を確認するチェックリスト

よくある落とし穴

よくある落とし穴は、メモ量が多いほど良い議事録だと思うことです。もちろん、聞き漏らしが多いのは問題です。しかし、議事録の読み手は、会議を再現したいわけではありません。次に何をすべきかを知りたいのです。大量の発言メモがあるのに決定事項が見えない議事録は、実務では使いにくくなります。

次に、会議中に確認すべきことを会議後まで持ち越すことです。担当者や期限が曖昧なまま会議が終わると、議事録を書く人が後から推測することになります。推測で書くと危険です。会議中に確認できない場合でも、議事録には「要確認」と明示し、確認先を置きます。

3つ目は、言葉をきれいにしすぎることです。丁寧な文章は大切ですが、曖昧な合意をきれいな文章にすると、決まったように見えてしまうことがあります。「検討する」「進める」「確認する」だけでは足りません。何を検討するのか、誰が確認するのか、いつ判断するのかまで書きます。

4つ目は、会議の背景を残しすぎることです。背景説明が長いと、決定事項が埋もれます。背景は、判断に必要な範囲だけで十分です。論点の分け方に迷う場合は、論点思考とは何かロジックツリーの作り方の考え方も使えます。

最後に、議事録を資料作成と切り離して考えることです。良い議事録は、次の資料の骨子になります。決定事項は次回資料の前提になり、未決論点は追加調査の章になり、ToDoはプロジェクト管理表になります。資料作成の基本は、コンサル資料作成で初心者が意識すべきことともつながります。

今日できるアクション

今日やるなら、次の会議や練習用の会議メモで、まず5項目だけを埋めてください。

会議目的:
決定事項:
未決論点:
ToDo:
次回確認事項:

完璧な議事録を目指す必要はありません。最初の目標は、発言を全部書くことではなく、会議後に動ける情報を残すことです。会議中にすべてを整理できない場合は、メモに「決」「未」「ToDo」「確認」の印をつけるだけでも構いません。

会議後は10分以内に、上の5項目を整えます。決定事項が空欄なら、本当に何も決まらなかったのかを確認します。ToDoに担当や期限がないなら、要確認として残します。詳細メモが長い場合は、決定やToDoに関係する部分だけ残します。

練習するなら、過去の会議メモやニュース記事を使っても構いません。読んだ内容を「決定事項」「未決論点」「ToDo」に分ける練習をすると、会議中の分類も速くなります。コンサル就活や転職準備中の人は、OB/OG訪問や面談後のメモでも同じ型を使えます。OB/OG訪問で聞くべき質問のような行動記事と合わせると、質問後の整理にも使いやすくなります。

FAQ

コンサル議事録で最初に書くべきことは何ですか

最初に書くべきことは、会議目的と決定事項です。会議目的がないと、何を重要情報として残すべきか判断しにくくなります。決定事項が上にあると、読み手は詳細メモを読む前に、会議の結論を把握できます。

発言者名はすべて残すべきですか

すべて残す必要はありません。決定事項、重要な依頼、クライアントの懸念、ToDoの担当者など、後で確認が必要な発言は残します。一方で、雑談や背景説明の発言者まで細かく残すと、議事録が読みにくくなります。

会議中に決定か未決かわからない場合はどうすればよいですか

議事録では勝手に決定扱いしないでください。「方向性」「暫定」「要確認」として残し、必要なら会議中または会議後に確認します。曖昧な合意を決定事項として書くと、関係者の認識ずれにつながります。

議事録はどのくらい詳しく書くべきですか

後続作業に必要な範囲で十分です。決定事項、未決論点、ToDo、根拠、リスクがわかれば、発言をすべて書く必要はありません。詳細メモは、結論やToDoを支える補足として残します。

議事録が苦手な人は何から練習すべきですか

まず、会議中のメモを「決定」「未決」「ToDo」「根拠」「リスク」に分ける練習から始めてください。会議後に文章を整えるより、会議中に分類できるようになるほうが改善効果は大きいです。最初は5項目テンプレートを使えば十分です。

ESCAPE Consulting Careerでできること

ESCAPE Consulting Careerでは、公開記事で論点思考、仮説思考、ロジックツリー、資料作成、議事録、職務経歴書、ケース面接などの基本を整理し、メンバー向けにはより実践的な資料や相談導線を用意しています。公開記事では、個別案件や非公開情報には踏み込まず、読者が自分で準備を進めるための考え方と型を中心に扱います。

議事録は、若手コンサルだけの作業ではありません。就活でOB/OG訪問を整理するとき、転職で面談内容を振り返るとき、内定後に実務準備をするときにも使えます。まずはこの記事の5項目テンプレートで、次の会議や面談のメモを整理してください。そのうえで、仮説思考とは何かコンサル資料作成で初心者が意識すべきことも確認すると、議事録を次の資料や行動に接続しやすくなります。

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