OB/OG訪問で聞くべき質問は、会社説明をもう一度聞くための質問ではなく、自分の企業理解、志望理由、働き方の仮説を検証する質問です。コンサル就活では「何を聞いたか」よりも、聞いた内容をES、フィット面接、ファーム研究にどう使える形で残したかが重要です。この記事では、公開版の質問リスト、NG質問の直し方、メモの残し方まで整理します。
この記事でわかること
この記事では、コンサル就活でOB/OG訪問をするときに使える質問テンプレートを扱います。特定ファームの非公開選考情報、社員個人の評価、個別相談の再現には踏み込まず、公開しても問題ない粒度で「何を聞けば次の準備に使えるか」を整理します。
- OB/OG訪問前に作るべき仮説
- コンサル就活で聞くべき質問カテゴリ
- そのまま使える質問例
- NG質問をよい質問に変える方法
- 訪問後にES、面接、ファーム研究へつなげるメモの残し方
- 今日準備できる1枚テンプレート
企業研究の進め方から整理したい人は、先にファーム研究のやり方を確認してください。ESで何を見られるかを合わせて知りたい場合は、コンサルESで見られる3つの力も参考になります。
読者の前提
対象読者は、コンサル就活でOB/OG訪問を予定している学生、または説明会や採用ページだけではファーム理解に自信が持てない人です。すでに企業名をいくつか調べており、「何となく興味がある」状態から、志望理由や面接で話せる理解に変えたい人を想定しています。
この記事でいうOB/OG訪問は、社員から非公開情報を引き出す場ではありません。選考の答え、実際の評価基準、面接官の名前、特定部署の内部事情などを聞く場ではなく、自分の理解を確認し、公開情報だけでは見えにくい仕事の見方を補う場です。
また、質問例はそのまま暗記するものではありません。自分の仮説、調べた内容、迷っている点に合わせて言い換えることで、相手も答えやすくなります。
結論
OB/OG訪問では、1. 仕事理解、2. ファーム理解、3. 価値観の相性、4. 選考準備への転用、5. 次の行動の5カテゴリで質問を用意します。大事なのは、質問を並べることではなく、訪問前の仮説と訪問後のメモをセットにすることです。
たとえば、次のように準備します。
仮説: A社は若手から顧客接点が多い一方、プロジェクトの変化も速そう。 聞くこと: 入社1年目から顧客と直接話す場面は、どのような準備が必要でしたか。 メモ欄: 事実 / 自分の志望理由に使える点 / 追加で調べること 次の行動: ESの志望理由に「若手の役割」を1文で反映する。
この形にすると、訪問が雑談で終わりません。聞いた内容を企業研究、ES、フィット面接、逆質問に転用できます。

質問は仮説検証にする
よいOB/OG訪問は、質問の数ではなく仮説の質で決まります。訪問前に何も調べずに「どんな会社ですか」と聞くと、相手は一般的な説明しかできません。一方で、自分なりに調べたうえで「こう理解しているが、実際はどうか」と聞くと、具体的な話を引き出しやすくなります。
訪問前に用意する仮説は、完璧でなくて構いません。次の3つだけで十分です。
- そのファームに興味を持った理由
- 公開情報から見える仕事やカルチャーの仮説
- 自分が迷っている点、確かめたい点
たとえば「戦略案件が多そうですか」と聞くより、「採用ページでは新規事業や成長戦略の事例が目立ちました。若手のうちは、どのような役割で関わることが多いですか」と聞くほうが、仕事の解像度が上がります。
質問は、相手を試すものではありません。自分の理解をぶつけて、ずれている部分を直すためのものです。
OB/OG訪問で聞くべき質問リスト
まずは、目的別に質問を分けます。全部を聞く必要はありません。30分の訪問なら、優先度の高い質問を5〜7個に絞ります。
| 目的 | 質問例 | メモすること |
|---|---|---|
| 仕事理解 | 若手のうちは、どのような作業や役割から任されることが多いですか | 自分が想像していた仕事内容との差分 |
| プロジェクト理解 | 印象に残っている案件では、どんな論点に向き合いましたか | 守秘義務に触れない範囲の仕事の見方 |
| ファーム理解 | 他ファームと比べて、この会社らしい仕事の進め方はどこにありますか | 志望理由に使える比較軸 |
| 成長環境 | 入社後に最初につまずきやすい点は何ですか | 入社前に準備すべきこと |
| 価値観 | どんな人がこの環境で長く活躍しやすいと感じますか | 自分の経験との接点 |
| 選考準備 | 学生時代にやっておいてよかった準備は何でしたか | ES、面接、ケース対策への反映 |
| 次の行動 | 訪問後に追加で調べるなら、何を見るとよいですか | 調べる資料、次に会う人、整理する観点 |
特にコンサル就活では、仕事理解と選考準備を分けて聞くことが大切です。選考に役立つ話だけを求めると、相手にとって答えにくくなります。まず仕事の理解を深め、そのうえで自分の準備に引き寄せます。

コンサル就活向けの質問テンプレート
コンサル就活では、ファーム研究、ES、人物面接、ケース面接の準備がつながっています。OB/OG訪問の質問も、この4つに接続できるように作ると、訪問後の使い道が明確になります。
ファーム研究につなげる質問は、企業の特徴を比較するために使います。
公開情報では、A社は◯◯領域に強みがあると理解しました。 実際に働く中で、その特徴を感じる場面はありますか。 逆に、外から見た印象と違った点はありますか。
ESにつなげる質問は、志望理由の材料を増やすために使います。
私自身は、課題を構造化して周囲を巻き込む経験にやりがいを感じています。 この会社で若手が価値を出すうえで、似た力が求められる場面はありますか。
フィット面接につなげる質問は、自分の経験をどう語るかを考えるために使います。
入社後に伸びやすい人は、学生時代や前職でどのような経験をしている人が多いと感じますか。 スキル名ではなく、行動や姿勢として共通点があれば知りたいです。
ケース面接につなげる質問は、練習の方向性を整えるために使います。
入社後の仕事では、問題を解く速さと、相手と確認しながら進める力のどちらをより意識する場面が多いですか。 ケース面接の練習で、その感覚に近づけるなら何を意識すべきでしょうか。
フィット面接へのつなげ方を整理したい場合は、フィット面接の対策で見るべきポイントも合わせて確認してください。
NG質問と改善例
OB/OG訪問では、悪気がなくても相手が答えにくい質問があります。聞き方を少し変えるだけで、公開安全で実用的な質問になります。
| NG質問 | なぜ弱いか | 改善例 |
|---|---|---|
| 選考では何を聞かれますか | 非公開情報や個別選考の再現に寄りやすい | 選考準備で、仕事理解を深めるために見ておくべき観点はありますか |
| 御社の強みは何ですか | 説明会の繰り返しになりやすい | 公開情報で見える強みと、働いて感じる強みで違いはありますか |
| 激務ですか | 相手の主観だけで終わりやすい | 繁忙期と通常時で、若手の時間の使い方はどう変わりますか |
| どの部署が入りやすいですか | 憶測や選考裏情報に寄りやすい | 配属や案件が変わる中で、入社前に準備しておくとよい力は何ですか |
| 内定するには何をすればいいですか | 通過保証を求める聞き方になる | 自分の経験を伝えるうえで、面接前に整理しておくとよい観点は何ですか |
ポイントは、相手に「答えをください」と求めないことです。自分が何を調べ、何に迷い、どの方向に理解を深めたいかを示すと、相手の経験を聞きやすくなります。
メモの残し方
OB/OG訪問の価値は、当日の会話ではなく、訪問後のメモで決まります。聞いた話をそのまま保存するだけでは、ESや面接で使いにくくなります。次の4欄に分けて残してください。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 事実 | 相手が話してくれた仕事内容、役割、考え方 |
| 解釈 | 自分の企業理解がどう変わったか |
| 自分との接点 | 自分の経験、価値観、志望理由にどうつながるか |
| 次の行動 | ESに反映する、追加で調べる、別の社員に聞く、面接回答を直す |
たとえば、次のように書きます。
事実: 若手でも会議メモだけでなく、論点整理のたたき台を作る場面がある。 解釈: 資料作成力だけでなく、問いを分ける力が早くから必要。 自分との接点: ゼミで複雑なテーマを分解して議論を進めた経験とつながる。 次の行動: ESの「周囲を巻き込んだ経験」に、論点整理の行動を1文追加する。
この形で残すと、訪問がファーム研究、ES、人物面接の材料に変わります。単なる感想ではなく、次に直す文章や準備項目まで書くのが重要です。
よくある落とし穴
1つ目の落とし穴は、質問リストをそのまま読み上げることです。質問が多くても、自分の仮説がなければ会話は深まりません。最初に「今日はこの点を確かめたい」と伝えるだけで、相手も答えやすくなります。
2つ目は、選考情報を聞きすぎることです。OB/OG訪問は選考の抜け道を探す場ではありません。選考に関係する話を聞く場合も、非公開情報ではなく、仕事理解、自己理解、準備の観点に変換します。
3つ目は、相手の経験を一般化しすぎることです。1人の社員の話は貴重ですが、その会社全体を断定する材料ではありません。部署、職位、時期、案件によって見え方は変わるため、複数の情報源と合わせて整理します。
4つ目は、訪問後にメモを放置することです。24時間以内に、ESに使える文、面接で話せるエピソード、追加で調べる項目に分けておくと、次の準備につながります。
今日できるアクション
今日やることは、OB/OG訪問の質問を20個作ることではありません。まず、1社だけ選び、仮説と質問を1枚に整理してください。
- 興味のあるファームを1社選ぶ
- 採用ページ、事例、説明会メモから気になる点を3つ書く
- 自分の仮説を1文で書く
- 仕事理解、ファーム理解、選考準備の質問を各2個作る
- NG質問になっていないか確認する
- メモ欄を「事実、解釈、自分との接点、次の行動」に分ける
- 訪問後24時間以内にESや面接回答へ1つ反映する

FAQ
OB/OG訪問では質問を何個用意すべきですか
30分なら5〜7個、60分なら8〜12個を目安にします。ただし、数よりも優先順位が重要です。最初に必ず聞く質問を3個決め、残りは会話の流れに応じて使います。
選考対策について聞いてもよいですか
聞いても構いませんが、非公開情報や個別の選考再現を求める聞き方は避けます。「何を聞かれたか」ではなく、「仕事理解や自己理解を深めるために、何を準備すべきか」と聞くと安全です。
社員の話を志望動機にそのまま使ってよいですか
そのまま使うのではなく、自分の経験や価値観との接点に変換します。「社員の方が魅力的だった」だけでは弱いので、どの話から何を理解し、自分がなぜその環境に合うと考えたのかまで書きます。
OB/OG訪問後のお礼メールには何を書けばよいですか
長文にする必要はありません。時間をいただいたお礼、印象に残った学び、次に取り組むことを簡潔に書きます。詳しい依頼メールやお礼メールは、次回候補の「コンサルOB/OG訪問の依頼メール例」で整理する予定です。
ESCAPE Consulting Careerでできること
ESCAPE Consulting Careerでは、OB/OG訪問を単発の情報収集ではなく、ファーム研究、ES、人物面接、ケース面接をつなぐ準備として整理しています。質問リストを作るだけでなく、訪問前の仮説、訪問後のメモ、次に直す文章まで落とすことで、選考準備の精度が上がります。
次に読むなら、企業理解を深めるためにファーム研究のやり方、ESへの反映を考えるためにコンサルESで見られる3つの力、面接で経験を語る準備としてフィット面接の対策で見るべきポイントを確認してください。
メンバー向けには、企業研究、ES、人物面接、ケース面接をテーマ別に整理しています。公開版の質問テンプレートで自分の仮説を作ったうえで相談に持ち込むと、「何がわからないのか」「どの回答を直したいのか」が明確になり、相談の質を上げやすくなります。


