- 朝、起きられない
- 日中、眠たい
- 寝ても疲れが取れない
- 睡眠負債を解消したい
「どんな本?」
この本は、睡眠を改善するための科学的に正しい方法を教えてくれる本です。
『スタンフォード式最高の睡眠』はシリーズ累計30万部を突破している大ベストセラーシリーズです。
本書は、スタンフォード式最高の睡眠を初めてマンガ化したものになります。
著書の西野精治さんは、スタンフォード大学医学部精神科教授、同大学睡眠生体リズム研究所(SCNラボ)の所長です。
1987年、大阪医科大学大学院からスタンフォード大学医学部精神科睡眠研究所に留学しました。
突然眠りに落ちてしまう過眠症「ナルコレプシー」の原因究明に全力を注ぎ、睡眠・覚醒のメカニズムを、分子・遺伝子レベルから個体レベルまでの幅広い視野で研究しているそうです。
「睡眠を改善する、科学的に効果が確認された方法がある」ことを、広くみなさんに訴えたい。
そして、「睡眠で苦しむ人」を、早期に救いたい。
これらの思いが私の研究の原動力です。
これが著書の気持ちです。
本記事では、「適切な睡眠を取らないことがどれほど危険なのか」を理解していただけるように書いていきたいと思います。
それでは早速、適切な睡眠を取らないことの危険性をみていきましょう。
3つの「そうなんだ!」ポイント
- 睡眠負債が「眠りの自己破産」をもたらす
- 睡眠が適切に取れていないと死亡率が上がる
- 日本は、世界一「睡眠偏差値」が低い国
1. 睡眠負債が「眠りの自己破産」をもたらす
「徹夜明けで頭がボーっとする」
「寝不足が続いていて、肌の調子がパッとしない」
このようなとき、「ただの睡眠不足だからしょうがない」と、事態を軽く考えている人がほとんどでしょう。
これは大きな危険であると本書では述べています。
スタンフォードの睡眠研究者は、睡眠が足りていない状態を、「睡眠不足」ではなく「睡眠負債」という言葉をつかって表現するそうです。
これは、「借金」と同じで、「睡眠」も不足して返済が滞ると首が回らなくなります。
そして、最終的には、脳も体も思うようにならない、「眠りの自己破産」を引き起こすからです。
「休日寝だめしているから大丈夫」
「自分の睡眠不足は睡眠負債なんて仰々しいものじゃないよ」
このような意見の人もいるでしょう。
しかし、ある実験結果によると、「たった40分」の睡眠負債を返すのに、「毎日14時間ベッドにいることを、3週間も続けなければいけない」という結果が出ているそうです。
睡眠負債があると、日中の行動に大きなマイナス影響を及ぼします。
一見普通に起きている人でも、じつは能と体は「眠りの借金地獄=危機的状態」に陥っていて、正常に働いていない可能性があるといいます。
具体的な「睡眠不足」の影響をみてみましょう。
- 脳と体が十分に「休息」できておらず、疲労が着実に蓄積している
- 「記憶」の整理がままならず、覚えたはずのことが頭に定着していない
- 「ホルモンバランス」の調整がうまくいかず、肌が荒れたり、体重が増えたりする
- 「免疫力」を高く保てず、病気になるリスクが上がる
- 「脳の老廃物」が除去されず、神経疾患、ひいては認知症のリスクも増加
このように、日中のパフォーマンスの低下どころか、体調不良や万病をも招きかねないのです。
「睡眠負債」がどれだけ深刻なものであるのかがわかると思います。
睡眠不足による危険性については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
2. 睡眠が適切に取れていないと死亡率が上がる
「睡眠負債」を抱え続けることは、単調不良や万病を招きます。
実際に、サンディエゴ大学、スタンフォード大学、名古屋大学、上海交通大学の調査で、睡眠が適切に取れていないと「死亡率があがる」という結果がでているのです。
睡眠が適切に取れていない影響については、国内外で次のような報告がされているそうです。
- 眠らないと、「インスリン」の分泌や反応が悪くなって血糖値が高くなり、糖尿病を招く
- 眠らないと、食べ過ぎを抑制する「レプチン」というホルモンが出ず、反対に食欲を増す「グレリン」というホルモンが出るため、太る
- 眠らないと、交感神経の緊張状態が続いて高血圧になる
- 眠らないと、精神が不安定になり、うつ病、不安障害、アルコール依存、そして薬物依存の発症率が高くなる
また、「短時間睡眠の女性は肥満度を表すBMI値(体格指数)が高い」という研究結果もあるそうです。
このように、睡眠負債とは、あなたの寿命すら縮める可能性のある、恐るべき存在なのです。
3. 日本は、世界一「睡眠偏差値」が低い国
さて、「睡眠負債」がどれだけ恐ろしいかを少し理解したところで、実際に日本国民の睡眠状況を見てみましょう。
結論として、「睡眠負債を抱えている人の数が、日本は諸外国に比べて多い」という危険性が指摘されているそうです。
例えば、フィンランド、フランス、日本の平均睡眠時間を比べてみましょう。
- フィンランドの平均睡眠時間:7.9時間
- フランスの平均睡眠時間:7.3時間
- 日本の平均睡眠時間:6.3時間
また、日本人に限った調査では、「睡眠時間が6時間未満の人は、全体の40%」との報告もあるそうです。
ミシガン大学が2016年にインターネットで行った調査によると、次の結果が出ています。
日本の睡眠時間ランキングは「100か国中最下位」
日本は先進国であり、治安も安定しています。
紛争やテロもなく、飢餓に苦しむ人も射なければ、だれでも就職できる環境が整っています。
にも関わらず、日本は、世界の幸福度ランキングが低く、また自殺率も高いという結果が出ています。
「睡眠不足はうつ病になりやすい」「睡眠不足は幸福度に影響する」ということを見聞きしたこともあるため、日本の世界幸福度ランキングが低く、自殺率が高いのは、日本人が慢性的な睡眠不足であることが大きな要因であると考えることができるのではないでしょうか。
「睡眠負債」は体調不良や万病の原因になります。
さらに、「死亡率」まで高くなります。
そして、「日本人は睡眠時間が世界で1番短い」
日本人は睡眠時間を削ってまで働くというイメージがありますが、私達はもっと「睡眠」に気をつかい、「睡眠負債」の解消に向け、知識を吸収、実践をしなければならないでしょう。
本記事では、著書の意志も組み込み、少しでも睡眠不足」に対し少しでも警鐘を鳴らすことができればと意志を込めて執筆しました。
睡眠に関する事柄を下記でも紹介しています。
- 睡眠負債が「眠りの自己破産」をもたらす
- 睡眠が適切に取れていないと死亡率が上がる
- 日本は、世界一「睡眠偏差値」が低い国
まとめ
本書は、「睡眠負債」の危険性を示し、さらに科学的に正しい睡眠負債の解消方法を教えてくれる一冊です。
マンガを読むだけで、楽しく睡眠の質を改善する方法を学ぶことができます。
「朝、起きられない」
「日中、眠たい」
日本では、このような人がたくさんいるでしょう。
本書では、スタンフォード式最高の睡眠法から、日中の覚醒戦略まで、紹介しています。
興味があれば、是非チェックしてみてください。
「これは勉強に活かせる!」くろま式『スタンフォード式最高の睡眠』から学ぶ勉強法
最後に、数々の勉強法の本を出版している私が、「読んだ本すべてを勉強に活かす」をテーマに、
「これは勉強に活かせる!」と思った内容をご紹介します。
勉強に全く関係のない、小説やマンガからも「勉強に活かせる内容」をご紹介していこうと思っています。
『スタンフォード式最高の睡眠』から学ぶ勉強法は、以下です。
- 「パワーナップ」勉強法
本記事では、日中覚醒し、効率のいい勉強をするための睡眠法を紹介します。
本書では「超一流の仮眠法」として、パワーナップを紹介しています。
パワーナップという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
パワーナップとは、15分~30分程度の短い仮眠のことをいいます。
「あなたはランチを食べた後、眠くなったことはないでしょうか」
これは、「アフタヌーンディップ」と呼ばれる現象で、14時頃に眠くなるのは人間の体内時計による仕業なのです。
また、こちらの記事で紹介しましたが、眠気のある状態とは、「社会生活を行う上での致命的エラー」。眠気による経済損失も3兆4649億円とも言われる莫大な数値にのぼります。
Googleやナイキなど、勤務時間中に仮眠を推奨している企業も存在します。
それほどまでに、パワーナップの効果は認められているのです。
眠気のある状態で頑張って1時間勉強の成果は、覚醒している状態の30分の勉強の成果には遠く及びません。
また、睡眠には、思考の整理・記憶の定着率向上の効果もあります。
勉強とは、時間ではなく成果で測るもの。
日中の眠気は、パワーナップで解消し、覚醒した状態で勉強をするという習慣をつけるのも一つの戦略です。
ただし、日中寝すぎると夜に眠れなくなってしまうので、あくまで15分~30分程度の睡眠にしましょう。
「眠い」ときは思い切って寝る。
是非、「パワーナップ」勉強法を実践してみてください。
【パワーナップ】脳のパフォーマンスを上げる一流の『睡眠法』
人生を変える睡眠の法則「攻めの眠りで人生が充実!」
睡眠の質=人生の質!誰でもぐっすり眠れる方法
子どもがぐっすり眠れる環境を作りなさい「最高の寝室を作る方法」
スゴイ早起き「毎日が充実する、無敵の早起きメソッド」
[著書名] マンガでぐっすり! スタンフォード式 最高の睡眠
[著書] 西野精治
[イラスト] 四方山哲
[シナリオ] 星野卓也
[出版社] サンマーク出版
[出版日] 2018/8/27
[項数] 197ページ
[目次]
プロローグ ぐっすりを追究した、究極のスタンフォード・メソッド
第1章 なぜ人は「人生の3分の1」も眠るのか?
第2章 睡眠を導く「黄金の90分」の法則
第3章 スタンフォード式最高の睡眠法
第4章 スタンフォード式覚醒戦略
第5章 今晩、「ジャンク・スリープ」から卒業しよう