オンライン院試は、対面試験より楽な試験ではありません。
むしろ、通信環境、机周り、本人確認、画面共有まで含めて準備する必要があります。
この記事では、Zoomなどを使うオンライン口頭試問・面接の受け方を整理します。
東京大学や京都大学、東京科学大学系の公式案内では、オンラインで口述試験や口頭試問を実施する例があります。
ただし、実施方法は大学院・研究科・年度で変わります。
必ず自分の募集要項と受験案内を最優先にしてください。
私は受験相談でオンライン面接の練習を見ることがあります。
合否を分けるのは、話のうまさだけではありません。
本番前に「止まる要因」をどれだけ潰せるかで、当日の落ち着きが変わります。
| 不安 | 先にやること |
|---|---|
| 通信が切れそう | 有線または安定したWi-Fiを確認する |
| 何を置いてよいか不安 | 受験案内に書かれた物だけ机上に置く |
| 話が長くなる | 結論、根拠、研究接続の順で答える |
| トラブルが怖い | 連絡先と再接続手順を紙で用意する |
オンライン院試は今もあるのか
オンライン院試は、コロナ期だけの特例とは限りません。
研究科や専攻によっては、現在もオンライン口述試験やオンライン説明会を使う例があります。
オンライン実施の有無は年度ごとに変わる
オンラインか対面かは、大学名だけでは判断できません。
同じ大学でも、研究科や専攻によって実施方法が変わります。
たとえば、東京大学大学院情報理工学系研究科の知能機械情報学専攻案内書では、専門科目・口述試験を原則オンラインで行う記載があります。
一方で、別の研究科では対面試験が中心の場合もあります。
「東大だからオンライン」「理系だからオンライン」と決めつけないでください。
旧東工大は東京科学大学として確認する
古い記事では「東工大」と書かれていることがあります。
現在は東京工業大学と東京医科歯科大学が統合し、東京科学大学になっています。
検索すると旧ドメインや旧名称の案内も残っています。
受験生は、東京科学大学の最新ページ、または各学院・系の入試ページで確認してください。
東京科学大学の材料系では、Web会議システムZoomを用いた口述試験案内が公開された例があります。
公式情報を見ないオンライン対策は危険
オンライン院試では、大学ごとのルールが細かいです。
表示名、入室時刻、受験票、カメラ位置、机上に置ける物、録画の扱いまで違います。
一般論だけで準備すると、当日に指示とずれる可能性があります。
まず募集要項、次に専攻の入試案内、最後に受験案内メールを確認してください。
オンライン院試で準備するもの
オンライン院試では、学力以外の準備不足で焦る人がいます。
前日までに、通信、機器、机周り、連絡先を固定してください。

パソコンとカメラを最優先にする
基本はパソコンで受験する前提で準備します。
スマホだけで済ませようとすると、画面共有や資料確認で不利になることがあります。
東京大学情報理工学系研究科の案内では、口述試験で外付けWebカメラを用意し、WindowsまたはMac等を用いてZoomで接続するよう示されています。
すべての大学が外付けカメラ必須という意味ではありません。
ただ、カメラの位置や部屋確認を求められる可能性は想定してください。
通信環境は当日の場所で確認する
通信テストは、普段の部屋ではなく本番で使う場所で行います。
大学の案内でも、静かな個室や安定した通信環境を求める例があります。
有線LANが使えるなら、できるだけ有線を使ってください。
Wi-Fiの場合は、試験時間帯に家族の動画視聴や大容量通信が重ならないようにします。
私はオンライン模擬面接を見るとき、最初に音声の途切れを確認します。
映像が少し粗くても会話は進みますが、音声が途切れると回答の評価に影響しやすいからです。
受験票と連絡先は紙で置く
受験票、受験番号、大学の緊急連絡先は紙で用意します。
通信が切れたときに、メール画面を探している余裕はありません。
ただし、机上に置いてよい物は大学の指示に従ってください。
受験票以外の資料を置けない場合もあります。
許可されていないメモや参考書は、机から離してください。
Zoomやオンライン会議ツールの確認
オンライン院試では、ツール操作に慣れているだけで落ち着きます。
アプリ、表示名、音声、カメラを本番前に確認してください。
Zoomのテストミーティングを使う
Zoom公式ヘルプでは、テストミーティングで接続、ビデオ、オーディオを確認できると案内されています。
本番前に一度だけでなく、前日と当日の朝にも確認してください。
特に、マイク入力先とスピーカー出力先はズレやすいです。
外付けマイク、Bluetoothイヤホン、内蔵マイクが混在すると、音が出ない原因になります。
迷う場合は、大学が禁止していなければ有線イヤホンか内蔵スピーカーに固定します。
OSとアプリの更新は前日までに済ませる
試験直前の更新は危険です。
更新後にカメラやマイクの権限が変わることがあります。
Zoomのシステム要件では、インターネット接続、マイク、スピーカー、Webカメラなどが必要です。
古い端末を使う場合は、対応OSやブラウザも確認してください。
本番当日に初めてアプリを開く状態は避けます。
表示名は受験案内どおりにする
オンライン試験では、表示名が本人確認の入口になります。
京都大学地球環境学舎の案内では、Zoom上の表示名を受験番号と氏名に設定する例があります。
大学によっては、受験番号だけ、氏名だけ、ローマ字など指定が違います。
受験案内メールの表記をそのまま使ってください。
ニックネームや普段のアカウント名のまま入るのは避けます。
オンライン院試の当日の流れ
当日の流れは、入室、本人確認、試験、退出の順です。
対面試験よりも、最初の数分で慌てない準備が大切になります。
指定時刻より前に入室する
大学の案内では、試問実施時間の15分前や30分前に指定リンクへアクセスする例があります。
これは、本人確認や接続確認の時間が必要だからです。
ギリギリに入ると、名前変更や音声設定だけで焦ります。
本番は、指定時刻のさらに5分前には机に座ってください。
ただし、早すぎる入室を禁止している場合は大学の指示を優先します。
本人確認と部屋確認に備える
オンライン試験では、受験票や顔写真の確認を求められることがあります。
また、机の上や部屋の状況をカメラで見せるよう指示されることもあります。
東京大学情報理工学系研究科の案内では、試験前や試験中に机上や部屋全体を見せる必要があると示されています。
そのため、見られて困るものは事前に片付けます。
本棚や資料がある場合は、大学の指示に合わせて隠してください。
退出は指示を待つ
試験が終わっても、自分の判断ですぐ退出しないでください。
最後に追加の案内や確認が入ることがあります。
東京大学情報理工学系研究科の案内でも、口述試験終了後は試験監督者の指示に従って退出する旨が示されています。
終わったと思っても、必ず「退出してよい」という指示を待ちます。
オンライン口頭試問で見られること
オンラインでも、見られる本質は対面と同じです。
研究内容、専門知識、志望理由、説明力を自分の言葉で示します。

結論から短く答える
オンラインでは、話が長いほど伝わりにくくなります。
最初に結論を言い、そのあと根拠を1つか2つ添えてください。
たとえば、志望理由なら次の順番です。
「結論として、私は〇〇を研究したいです。理由は、学部で△△を扱う中で□□に課題を感じたからです。貴研究室では□□に近い研究が行われており、入学後は◇◇の方法で深めたいです」
最初から背景を長く話すと、質問の答えが見えにくくなります。
研究との接続を毎回入れる
院試の口頭試問では、単なる雑談力ではなく研究へのつながりが見られます。
「なぜその専攻か」「なぜその研究室か」「入学後に何をするか」を結びます。
内部リンクで準備を深めるなら、研究計画書の書き方も確認してください。
研究計画書と面接回答がずれていると、オンラインでも対面でも弱く見えます。
わからない質問は確認してから答える
オンラインでは、音声が少し遅れることがあります。
聞き取れないまま答えるより、短く確認してください。
「すみません、最後のご質問は〇〇という理解でよろしいでしょうか」と言えば十分です。
わからない質問に対しては、知っている範囲と今後確認すべき点を分けて答えます。
無理に断言すると、追加質問で崩れやすくなります。
研究発表や画面共有がある場合
オンライン院試では、研究発表やスライド共有を求められることがあります。
スライドは、対面発表よりさらに見やすさを優先してください。
発表時間から逆算する
東京大学情報理工学系研究科の案内では、英語での発表と質疑を行う例があります。
発表時間が7分なら、スライドは多くても6枚から8枚程度にします。
背景、目的、方法、結果または計画、志望研究室との接続、まとめの順で十分です。
詳しい院試面接の全体像は、院試の難易度の記事も参考になります。
文字を詰め込まない
画面共有では、相手の画面サイズが分かりません。
小さい文字や細かい表は避けてください。
1枚に入れる主張は1つにします。
専門用語は、短い補足を添えると伝わりやすいです。
私は模擬面接で、スライドが読めない受験生にはまず文字量を半分にしてもらいます。
内容を削るのではなく、話す内容と見せる内容を分けるためです。
画面共有の練習を録画して確認する
発表練習は、声に出すだけでは足りません。
実際に画面共有し、スライドをめくりながら録画してください。
時間、音量、視線、言い直しの多さが分かります。
ただし、本番の試験内容を録音・録画することは大学のルールに反する可能性があります。
練習だけを録画し、本番では受験案内に従ってください。
不正行為と疑われないための注意点
オンライン院試では、公正性の確認が厳しくなります。
意図がなくても、疑われる行動は避けてください。
部屋には一人でいる
京都大学地球環境学舎の留意事項では、試問中の第三者の存在や第三者とのやり取りが不正行為とみなされることがあると示されています。
家族や同居人には、試験時間中に入室しないよう事前に伝えてください。
インターホンや電話の音も切っておきます。
静かな個室が確保できない場合は、早めに大学へ相談します。
許可されていない資料を見ない
オンラインでは、手元の資料が見えにくいぶん、ルールが厳しくなります。
参考書、メモ、別画面、スマホ検索は、許可がない限り使わないでください。
東京大学情報理工学系研究科の心得でも、許可のない参考書、インターネット、メモ等の参照は不可とされています。
机の上には、指定された物だけを置きます。
バーチャル背景やヘッドホンに注意する
バーチャル背景やヘッドホンの可否は、大学の指示で変わります。
東京大学情報理工学系研究科の心得では、バーチャル背景を利用しないこと、帽子やヘッドホン・イヤホンを使用しないことが示されています。
一方で、別の大学ではマイク付きイヤホンを認める場合もあります。
自分の受験案内で許可されているかを確認してください。
通信トラブルが起きたときの対応
オンライン院試で一番怖いのは、通信トラブルです。
トラブルをゼロにするより、起きたときの動きを決めておく方が現実的です。

まず再接続する
接続が切れたら、まず同じリンクから再接続します。
そのために、リンク、ミーティングID、パスコードをすぐ開ける場所に置きます。
ブラウザのタブ、メール、紙のメモのどれか一つに依存しないでください。
再接続に時間がかかる場合は、大学の緊急連絡先へ連絡します。
大学の指示に従う
京都大学地球環境学舎の留意事項では、接続障害で当日の実施が困難な場合、試験期間中の別日・時間に試問を実施する場合があると案内されています。
ただし、受験者本人の事由による接続エラーやトラブルでは、不受験となることがあるとも示されています。
つまり、勝手な判断は危険です。
再接続、大学への連絡、指示待ちの順で動いてください。
予備端末と電源を準備する
予備端末は、受験に使えるかどうかを事前に確認します。
スマホを予備にする場合も、大学がスマホ受験を認めるとは限りません。
最低限、大学へ連絡するための端末として用意してください。
パソコンは充電し、電源ケーブルを接続した状態で受けます。
試験中の電池切れは避けられるトラブルです。
前日チェックリスト
前日は、新しいことを増やす日ではありません。
本番で止まらない状態を作る日です。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 募集要項 | 試験形式、時間、持ち物を確認 |
| 受験案内メール | Zoomリンク、表示名、入室時刻を確認 |
| 通信 | 本番の場所で接続テスト |
| 音声 | マイクとスピーカーの入力先を固定 |
| カメラ | 顔、上半身、机周りの見え方を確認 |
| 机上 | 許可された物以外を片付ける |
| 回答 | 志望理由、研究計画、専門質問を声に出す |
| 連絡先 | 緊急連絡先を紙で用意 |
院試前日は詰め込みすぎない
前日に専門科目を新しく増やすと、面接回答が不安定になります。
前日は、話す練習と環境確認に寄せてください。
詳しくは、院試の前日にやるべきことでも整理しています。
オンライン試験では、当日の環境が整っているだけで集中しやすくなります。
1ヶ月前から準備するなら順番を決める
1ヶ月前なら、まだ十分に立て直せます。
過去問、専門科目、研究計画、口頭試問練習を分けて進めてください。
過去問の探し方は、大学院入試の過去問と解答の入手方法で確認できます。
何年分解くかは、院試の過去問は何年分解くべきかも参考になります。
直前期の全体設計は、大学院受験1ヶ月前の記事に回してください。
当日チェックリスト
当日は、普段より早めに準備を始めます。
「入室時刻に間に合う」ではなく「入室前に落ち着いている」を目標にしてください。
| 時間 | やること |
|---|---|
| 60分前 | 食事、トイレ、服装、部屋を整える |
| 45分前 | PC再起動、Zoom起動、音声確認 |
| 30分前 | 受験票、連絡先、机上を最終確認 |
| 指定時刻前 | 大学の指示どおりに入室 |
| 試験中 | 結論から話し、聞こえない時は確認 |
| 終了時 | 退出指示を待つ |
服装は画面越しでも清潔感を出す
オンラインでも、服装は見られます。
迷う場合は、対面面接に近い服装にしてください。
スーツ指定がなくても、上半身だけラフすぎる服装は避けます。
面接の服装や髪型は、院試面接のスーツ・髪型の記事で詳しく整理しています。
視線はカメラと画面を使い分ける
オンラインでは、相手の顔を見すぎると視線が下に見えます。
結論を話すときはカメラ、質問を聞くときは画面を見ると自然です。
原稿を読む時間が長いと、目線の動きで分かります。
キーワードだけ手元で整理し、文章を読み上げない練習をしてください。
よくある質問
オンライン院試でよく聞かれる疑問を整理します。
最終判断は、必ず受験先の案内に従ってください。
スマホだけで受験してもよいですか?
大学が認めていれば可能な場合もあります。
ただし、画面共有、資料確認、安定性を考えると、基本はパソコンで準備してください。
スマホは予備連絡用として使う方が安全です。
カンペを見てもよいですか?
許可がない限り避けてください。
オンライン口頭試問では、机上の物や別画面の参照が制限されることがあります。
暗記用の文章ではなく、頭の中で答えられる型を作ります。
通信が悪くなったら落ちますか?
一度のトラブルで必ず不合格になるとは限りません。
ただし、受験者側の準備不足と判断されると不利になる可能性があります。
事前テスト、安定した場所、緊急連絡先の準備でリスクを下げてください。
オンラインの方が対面より簡単ですか?
簡単とは言えません。
移動は減りますが、通信、画面共有、本人確認、部屋確認の負担があります。
面接官との空気感も読み取りにくいです。
対面と同じ準備に、オンライン環境の準備を足すと考えてください。
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オンライン院試は、単体で対策するより全体計画に入れる方が安定します。
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まとめ:オンライン院試は環境準備で差がつく
オンライン院試では、対面試験と同じように専門知識、研究計画、志望理由が見られます。
それに加えて、通信環境、カメラ、音声、机上、表示名、トラブル対応まで準備が必要です。
まず、自分の募集要項と受験案内を確認してください。
次に、Zoomなどのツールを本番の場所でテストします。
最後に、口頭試問の回答を結論、根拠、研究接続の順で練習してください。
オンラインだからこそ、準備の粗さが画面越しに出ます。
前日までに止まる要因を消し、当日は質問に集中できる状態を作りましょう。
参考にした一次情報
この記事では、大学院の公式入試案内とZoom公式ヘルプを確認したうえで整理しています。


