院試面接が苦手でも、合格は狙えます。面接が得意な人だけが受かるわけではありません。
ただし、苦手なまま何も準備しないと、当日に頭が真っ白になりやすいです。必要なのは、性格を変えることではなく、不安を分解して、答え方を決めておくことです。
この記事では、院試面接が苦手な人向けに、緊張を減らす準備、質問への答え方、当日のルーティンを整理します。面接対策の全体像は、院試面接対策の記事も合わせて確認してください。
面接が苦手でも落ちるとは限らない
面接が苦手な人は、「うまく話せないから終わりだ」と考えがちです。ですが、院試面接で見られるのは、話のうまさだけではありません。
研究への関心、基礎知識、志望理由、研究計画、入学後に学ぶ姿勢が見られます。つまり、準備で改善できる部分が多いです。
面接で流暢に話す必要はありません。聞かれたことに対して、短く、正直に、根拠を添えて答えられれば十分です。
不安を5つに分解する
面接不安は、まとめて考えると大きく見えます。まずは、何が怖いのかを分けてください。

| 不安 | 準備すること |
|---|---|
| 質問に答えられない | 想定質問を20個作る |
| 研究説明がまとまらない | 1分説明と3分説明を作る |
| 沈黙が怖い | 考える時間をもらう言い方を練習する |
| 表情が硬くなる | 最初の挨拶だけ練習する |
| 当日迷いそう | 集合場所と時間を前日に確認する |
面接でよく聞かれる質問
院試面接では、次のような質問がよく出ます。
- 志望理由を教えてください
- なぜこの研究室を選びましたか
- 卒業研究の内容を説明してください
- 大学院で何を研究したいですか
- 入学後に補うべき知識は何だと思いますか
- 将来はどのように進みたいですか
すべてを暗記する必要はありません。質問の型ごとに、答える材料を用意します。
答え方は結論から短くする
面接で緊張する人ほど、長く話してしまいます。長く話すほど、自分でも何を言っているかわからなくなります。
答え方は、結論、理由、具体例の順にしてください。
| 順番 | 話す内容 | 例 |
|---|---|---|
| 結論 | 答えを先に言う | 〇〇の研究に取り組みたいです |
| 理由 | なぜそう考えたか | 学部で△△を学び、□□に関心を持ったためです |
| 具体例 | 経験や準備を添える | 卒業研究では関連する論文を読み始めています |
沈黙してしまったときの言い方
面接で少し沈黙しても、それだけで落ちるわけではありません。焦って適当に答える方が危険です。
答えに詰まったら、次のように言ってください。
- 少し整理してからお答えしてもよろしいでしょうか
- 質問の意図を確認してもよろしいでしょうか
- 現時点で理解している範囲では、〇〇だと考えています
わからないことを聞かれた場合は、無理に知っているふりをしないでください。現時点の理解と、入学前に補う意思を伝えます。
研究計画と志望理由をつなげる
面接でよくある失敗は、志望理由と研究計画が別々になることです。
志望理由では、その研究室でなければならない理由を話します。研究計画では、何を明らかにしたいのかを話します。この2つがつながると、面接で説得力が出ます。
研究計画書が必要な人は、研究計画書の書き方も確認してください。
緊張を減らす練習方法
緊張は、ゼロにしようとすると逆に意識してしまいます。目標は、緊張しても話せる状態にすることです。
最初は、1人で声に出します。次に、スマホで録音します。最後に、友人や先生に聞いてもらいます。
- 志望理由を30秒で話す
- 研究内容を1分で話す
- 想定質問に一問一答で答える
- 答えが長い部分を削る
- 本番と同じ服装で一度練習する
録音すると、自分の話が長すぎる部分に気づけます。うまく話すより、短く伝える練習をしてください。
当日のルーティン
当日は、何をするかを決めておくと不安が減ります。

| タイミング | やること |
|---|---|
| 前日 | 集合場所、持ち物、服装、面接時間を確認する |
| 当日朝 | 新しい内容を詰め込まない |
| 到着後 | 志望理由と研究説明のメモだけ見る |
| 入室前 | 深く息を吐いてから入る |
| 退出後 | 次の試験があればすぐ切り替える |
面接が嫌いな人ほど準備を型にする
面接が嫌いな人は、気合いで乗り切ろうとしない方がよいです。
気合いではなく、型を作ります。志望理由の型、研究説明の型、わからないときの型、退出時の型。型があると、緊張しても戻る場所ができます。
合格者の話でも、面接が得意だった人ばかりではありません。苦手でも、聞かれそうな質問を整理し、声に出して練習した人は本番で崩れにくいです。
注意:医療的な不安は専門家に相談する
面接の緊張は多くの人にあります。ただし、眠れない、食べられない、強い動悸やパニックが続く場合は、大学の学生相談や医療機関に相談してください。
この記事は院試面接の準備方法を整理するものです。強い不安を一人で抱え込む必要はありません。
まとめ:面接不安は準備で小さくできる
院試面接が苦手でも、準備すれば戦えます。
不安を分解する。想定質問を作る。結論から短く答える。沈黙したときの言い方を決める。当日のルーティンを固定する。
この5つを準備すれば、面接が嫌いでも本番で大きく崩れにくくなります。
準備の優先順位
面接対策でやることが多すぎると、かえって不安になります。優先順位を決めてください。
| 優先度 | やること | 目的 |
|---|---|---|
| 最優先 | 志望理由と研究内容を1分で話す | 最初の質問で崩れない |
| 高い | 想定質問を20個作る | 質問への恐怖を減らす |
| 高い | わからない時の言い方を決める | 沈黙への不安を減らす |
| 中 | 逆質問を3つ用意する | 研究室への関心を示す |
| 中 | 当日の動線を確認する | 余計な焦りを減らす |
研究室訪問をしている人は、訪問時に聞いた内容を面接準備へ使えます。まだの場合は、研究室訪問の流れを確認してください。
研究テーマが固まりきっていない人は、研究テーマ未定での研究室訪問も参考になります。面接では、未定そのものより、どう考えているかが見られます。
逆質問の準備
面接の最後に質問があるか聞かれることがあります。質問がない場合でも落ちるとは限りませんが、準備しておくと安心です。
逆質問は、合否を直接聞く場ではありません。研究室での学び方や、入学前に補うべきことを聞きます。
- 入学前に補っておくべき分野はありますか
- 修士1年の前半はどのように研究テーマを決めますか
- 研究室でよく使う手法や文献はありますか
- 外部生が最初につまずきやすい点はありますか
逆質問をするときは、公式ページに書いてあることをそのまま聞かないでください。公式情報を読んだ上で、より具体的に聞く方が自然です。
前日にやること
前日は、新しい知識を増やすより、当日の不安を減らす準備に使います。
- 集合場所と時間を確認する
- 服装と持ち物を用意する
- 志望理由を1回だけ声に出す
- 研究説明を1分で確認する
- 寝る前に新しい情報を詰め込まない
前日に完璧にしようとすると眠れなくなります。前日は、確認だけで十分です。
院試全体の準備が不安な人は、院試勉強法ロードマップと院試勉強の開始時期を見直してください。面接だけでなく、全体の準備が見えると不安は下がります。
答えを丸暗記しない
面接が苦手な人ほど、回答を丸暗記しようとします。丸暗記は、少し質問が変わると崩れやすいです。
暗記するのは文章ではなく、材料です。志望理由なら、きっかけ、研究室を選んだ理由、入学後にやりたいことの3点を覚えます。
研究内容なら、背景、方法、わかったこと、次に知りたいことの4点を覚えます。言葉は本番で少し変わっても構いません。
よくある質問
声が震えたら評価が下がりますか
声が震えただけで大きく評価が下がるとは考えにくいです。問題は、質問に答えられないことや、準備不足が見えることです。
震えても、結論から短く答えれば伝わります。最初の一文だけ練習しておくと、入りが安定します。
面接で泣きそうになったらどうすればよいですか
まず、深く息を吐いてください。必要なら、少し時間をくださいと伝えます。
強い不安が続く場合は、一人で抱え込まず、大学の学生相談や医療機関へ相談してください。院試対策としてできる範囲と、専門家に相談すべき範囲は分けて考えます。
面接練習は誰に頼むべきですか
最初は友人でも構いません。次に、研究室の先輩、大学の先生、キャリアセンターなど、少し緊張する相手に頼みます。
練習相手には、話のうまさではなく、結論が先に出ているか、長すぎないか、質問に答えているかを見てもらってください。
面接カードを1枚作る
面接が苦手な人は、面接カードを1枚作ると準備しやすくなります。ノート何ページ分も作る必要はありません。A4一枚に、面接で必ず話す材料をまとめます。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 志望理由 | なぜその研究科・研究室なのか |
| 研究関心 | 何を明らかにしたいのか |
| 卒業研究 | 背景、方法、結果、今後の課題 |
| 補う分野 | 入学前に勉強する科目 |
| 将来像 | 修士後にどう進みたいか |
面接カードは、暗記用ではありません。話す材料を整理するためのものです。当日はこのカードを見られない場合が多いので、前日までに声に出して確認します。
失敗した答えを引きずらない
面接中に一つうまく答えられなくても、そこで終わりではありません。次の質問で立て直せます。
うまく答えられなかったと感じたら、次の質問では短く結論から答えてください。前の失敗を取り戻そうとして話しすぎると、さらに崩れます。
面接官は、完璧なスピーチを聞きたいわけではありません。研究への関心、基礎知識、考え方、入学後に学ぶ姿勢を見ています。
研究室訪問で聞いたことを使う
研究室訪問をしている人は、面接でその経験を使えます。
たとえば、訪問時に聞いた研究内容、入学前に補うべき分野、研究室の進め方を、志望理由や研究計画に反映します。
ただし、「訪問したから志望しています」だけでは弱いです。訪問で何を知り、それを踏まえて何を学びたいと思ったのかまで話してください。
面接練習の回数目安
面接練習は、多ければよいわけではありません。質の低い練習を何度も繰り返すより、録音して改善する方が効果的です。
目安として、1人練習を3回、録音確認を2回、人に見てもらう練習を2回行えば、かなり話しやすくなります。
練習のたびに、話す内容を増やすのではなく、短くします。面接では、長い答えより、質問に対してまっすぐ答える力が大切です。
合格者の声から見る面接対策
合格者の体験談を見ると、面接で完璧に話せた人ばかりではありません。むしろ、緊張した、言い直した、想定外の質問があった、という声は普通にあります。
それでも合格している人は、志望理由、研究内容、入学後に学びたいことを最低限説明できています。面接で大切なのは、緊張しないことではなく、緊張しても戻れる準備をしておくことです。
面接練習では、うまく話す練習だけでなく、言い直す練習もしてください。「すみません、整理して言い直します」と言えるだけで、焦りはかなり小さくなります。
面接後にやること
面接が終わったら、すぐに反省しすぎないでください。次の試験や手続きがある場合は、まずそちらに切り替えます。
すべて終わってから、聞かれた質問、答えに詰まった質問、次に活かせることをメモします。別の大学院も受ける場合、このメモが次の面接対策になります。
面接後の反省は、自分を責めるためではありません。次に同じ質問が来たとき、より短く答えるための材料にします。
一度失敗した質問は、次の受験では強みにできます。質問の意図を考え、結論、理由、具体例の順に組み直してください。
面接が苦手な人ほど、反省を記録に変えることが大切です。不安な記憶のまま残すのではなく、次の回答メモとして残してください。
参考にした一次情報・研究
大学院入試や研究室訪問の扱いは、研究科や年度で変わります。この記事では、次の公式情報と研究を参考にしています。


