
- 「大学院に進学しようと思っているよ」
- 「研究室はどうやって探せばいいの?」
本記事では、このような悩みや疑問を解決していきます!
大学院入試で『研究室選び』が大切な5つの理由

大学院入試において『研究室選び』は非常に重要です。
5つの理由を紹介していきます。
① 研究室を決めないと受験できない
② 研究室によって研究内容が全然違う
③ 研究室によって入学しやすさが変わる
④ 研究室によって修士生活が180度変わる
⑤ 大学院では研究室ごとに学生を採用する
1つずつ見ていきます。
理由①:研究室を決めないと受験できない
大学院入試で研究室選びが大切な理由の1つめは、「研究室を決めないと受験できない」です。
・願書提出の際に志望する研究室を記入する
【一部の大学院】
・志望する研究室の指導員からの受験許可がないと受験できない
大学院、専攻によっては、研究室の指導員からの許可がなければ受験できないところもあります。
大学受験のイメージでいると驚くかも知れません。
また、指導員の許可が不要な場合でも、願書の提出時に志望する研究室を記入する必要があります。(第10志望まで記入させられるところも多い)
大学院入試では、『研究室選び』は受験の大前提ということですね。

- 「ちなみに、受験に指導教員の許可が必要かどうかは『募集要項』に書いてあります!」
理由②:研究室によって研究内容が全然違う
大学院入試で研究室選びが大切な理由の2つめは、「研究室によって研究内容が全然違う」です。
同じ大学、研究科、専攻でも、研究室によって研究内容は全然違います。
「となりの研究室とは、文系と理系くらいやっていることが違う」ということもあります。

- 「僕は宇宙系に興味があるので、航空宇宙の専攻ならどんな研究室でもいいかって思っていたんですが…」

- 「研究室は大まかな分野ではなく、かなりニッチな細かい研究ごとに別れています。なので、宇宙系に興味があるといっても、研究室次第ではやりたい研究が全然できないことも多いですよ!」
例えば、こんな感じです。
研究室A:飛行機の設計(翼型)の研究
研究室B:超音速気流における空力の安定性や加熱に関する研究
研究室C:ホールクラスターの研究(人工衛星などに搭載されるプラズマ推進機)
一口に航空宇宙工学といっても、研究内容は全然違います。
漠然と「〇〇に関する研究がしたい」ではなく、その中でもどんな研究に興味があるのかを突き詰めて考えるようにするといいですね!
理由③:研究室によって入学しやすさが変わる
大学院入試で研究室選びが大切な理由の3つめは、「研究室によって入学しやすさが変わる」です。
・60名(受験者180名)
【A研究室の定員数】
・3名(第一志望者30名)
【B研究室の定員数】
・3名(第一志望者3名)
大学院入試では、専攻の定員数とは別に、研究室ごとに定員数が定められています。
研究室ごとの倍率でみると、「A研究室は10倍」「B研究室は1倍」なので倍率が全然違います。

- 「A研究室を志望している人が、B研究室を志望している人より試験の点数が良くても落とされてしまうことはあるのですか?」
基本的には、筆記試験と面接試験を合計した点数によって合否が決まります。
第一志望の研究室の定員数がいっぱいでも、合格点をとっていれば第二志望や第三志望の研究室に配属されることもあります。
ただし、あまり点数が変わらない場合、志望度によって教授の配慮が働くという可能性は十分に考えられます。
「筆記試験はちょっと低いけど、自分の研究室を第一志望にしてくれている学生をとろう」

- 「入学しやすさが変わる可能性もあるので、志望校選びは大切です!」
理由④:研究室によって修士生活が180度変わる
大学院入試で研究室選びが大切な理由の4つめは、「研究室によって修士生活が180度変わる」です。
| # | 内容 | 研究室A | 研究室B |
| 1 | 立地 | 実家から徒歩5分 | 実家から電車で2時間 |
| 2 | 雰囲気 | 和やか | 殺伐としている |
| 3 | コアタイム | なし | 9:00~18:00 |
| 4 | バイト | 自由 | 原則禁止 |
| 5 | 国際学会 | あり | なし |
研究室Aに所属するか、研究室Bに所属するかでは大きく違いますよね。
どんな研究室がいいのかは、人それぞれ好みによって変わります。

- 「バイトも続けたいし、プライベートも大切にしたいので、Aの研究室がいいです」

- 「一人で黙々と研究をしていたいので、Bの研究室が良いです」
ワークライフバランスならぬ、スタディライフバランスですね。
研究内容ももちろん大切ですが、自分に合う研究室かどうかも大切です。
研究室選びで修士生活は180度変わるので、研究室を選ぶときはしっかりと吟味しましょう。

- 「研究室の詳細な情報を知るためには、研究室訪問で実際に足を運んでみるのが一番いいですよ!」
>>【大学院の研究室訪問】時期はいつ?注意点やポイントも解説
理由⑤:大学院では研究室ごとに学生を採用する
大学院入試で研究室選びが大切な理由の5つめは、「大学院では研究室ごとに学生を採用する」です。
大学、学部、学科ごとに学生を採用する
【大学院入試】
・研究室ごとに学生を採用する
研究室に所属している学生や指導員がチームとなって、研究を進めていきます。
(個別の研究テーマがあるとはいえ、通常は、先輩が後輩の面倒を見たり、後輩が先輩の研究を手伝う)
研究室は、言わば小さな組織です。
そして、組織のボスが、研究室の指導員になります。
そのため、大学院入試では研究室ごとに学生を採用するという意味合いが強いです。
研究室ごとに学生を採用する以上、院試を受ける学生も「〇〇研究室に所属したい」という考え方で受験に臨む必要があります。

- 「研究室選びが大切なのはわかったよ!次は、研究室の探し方も教えて欲しい!」
それでは、研究テーマとマッチする研究室の探し方を見ていきます。
研究テーマとマッチする研究室の探し方5ステップ

研究室テーマとマッチする研究室の探し方5ステップを紹介します。
① やりたい研究テーマからキーワードを抽出する
② 『キーワード+専攻、研究室』で検索する
③ 見つけた専攻、研究室を一覧で確認する
④ 研究テーマ、研究内容をHPで確認する
⑤ 研究室訪問でマッチ度を確認する
1つずつ見ていきます。
ステップ①:やりたい研究テーマからキーワードを抽出する
研究テーマとマッチする研究室の探し方の1つめのステップは、「やりたい研究テーマからキーワードを抽出する」です。
『自分のやりたい研究』『自分の興味のある研究分野』からキーワードを抽出しましょう。
・ 宇宙探査機の軌道や制御に関する研究がしたい!
・ 宇宙に関する研究に興味がある
<キーワード抽出>
・ 『宇宙』『航空宇宙』など

- 「キーワードはいくつあってもOKなので、思いついたキーワードを全てメモしましょう」
ステップ②:『キーワード+専攻、研究室』で検索する
研究テーマとマッチする研究室の探し方の2つめのステップは、「『キーワード+専攻、研究室』で検索する」です。
ここでは、『航空宇宙』というキーワードで研究室を探していきます。
・『航空宇宙 大学院 専攻』
・『航空宇宙 大学院 研究室』
・『〇〇大学 航空宇宙 専攻』
・『〇〇大学 航空宇宙 研究室』 など
実際に検索してみると、以下のように検索結果が現れました。


- 「東京大学、東北大学、京都大学に、航空宇宙に関する専攻があることがわかりましたね!」
ステップ③:見つけた専攻から、研究室を一覧で確認する
研究テーマとマッチする研究室の探し方の3つめのステップは、「見つけた専攻、研究室を一覧で確認する」です。
※検索結果に研究室が出てきた場合は、次のステップに進んでください
見つけた専攻から、研究室一覧を確認しましょう。

このように、専攻のHPでは研究室を一覧で確認することができます。
自分のやりたい研究に近い研究室を探しましょう。
ステップ④:研究テーマ、研究内容をHPで確認する
研究テーマとマッチする研究室の探し方の4つめのステップは、「研究テーマ、研究内容をHPで確認する」です。
次は、実際に研究室のHPから研究テーマや研究内容を確認していきます。

かなり詳しく書かれていますね。
興味のありそうな研究室を片っ端からひたすら見ていきましょう。
自分とマッチする研究室を見つけるためには、時間をかけて一つずつHPをみていくのがおすすめです。
ステップ⑤:研究室訪問でマッチ度を確認する
研究テーマとマッチする研究室の探し方の5つめのステップは、「研究室訪問でマッチ度を確認をする」です。
行きたい研究室を見つけたら、研究室訪問をしましょう。
とくに外部の大学院を受験する場合は、研究室訪問はほぼ必須と考えてください。
✓ やりたい研究ができるか
✓ 直近で研究している内容
✓ 教授や院生の人柄
✓ 研究室の雰囲気
✓ 実験設備や設備 など
HPだけでは確認できないことも多いです。
進学後のミスマッチを防ぐためにも、第一志望の研究室は研究室訪問をしてから決めるようにしましょう。
おすすめの研究室訪問の時期やポイントは以下で解説しています。
合わせてご覧ください。
>>【大学院の研究室訪問】時期はいつ?注意点やポイントも解説

- 「こちらが王道の研究室の探し方です。その他、2つの研究室の探し方も紹介していきます」
【その他】研究室の探し方2つ

研究室の探し方として、インターネットから検索する以外の方法を2つ紹介します。
① 論文から探す
② 教授に教えてもらう
1つずつ見ていきます。
その他①:論文から探す
その他の研究室の探し方の1つめは、「論文から探す」です。
『グーグルスカラー』や『J-Stage』などを使って、興味のある論文を見つけます。
あるいは、専門誌や本などの参考文献から、気になる論文を見つけます。
学生論文の場合でも、教授(指導員)との連名になっている場合がほとんどなので、教授の名前を検索すると研究室に関する情報を見つけることができます。

- 「普段から気になった論文の著者の経歴や所属研究室などを意識するといいですね」
その他②:教授に教えてもらう
その他の研究室の探し方の2つめは、「教授に教えてもらう」です。

- 「学部でやっている研究と似た研究をしたいです。ただ、今の研究室ではできない研究です」
このようなケースもありますよね。
学部と同じ分野の研究がしたい場合は、所属している研究室の教授に聞いてみるのも1つの手段です。
同じ分野の研究をしている教授たちは、学会や研究会などで何度も顔を合わせているため、横のつながりも強いです。

- 「その研究なら、〇〇くんのところの研究室で似た研究をしているよ」
- 「その分野なら第一人者の〇〇教授のところに行ってみるといいよ」
このように、分野に精通しているからできるアドバイスをもらえることもあります。
教授との信頼関係が築けているのであれば、一度教授に聞いてみるのもおすすめです。
研究室は、時間をかけてしっかりと探そう
いかがでしたでしょうか。
大学院入試で『研究室選び』が大切な5つの理由と、研究テーマとマッチする研究室の探し方5ステップなどをおさらいします。
① 研究室を決めないと受験できない
② 研究室によって研究内容が全然違う
③ 研究室によって入学しやすさが変わる
④ 研究室によって修士生活が180度変わる
⑤ 大学院では研究室ごとに学生を採用する
【研究室テーマとマッチする研究室の探し方5ステップ】
① やりたい研究テーマからキーワードを抽出する
② 『キーワード+専攻、研究室』で検索する
③ 見つけた専攻、研究室を一覧で確認する
④ 研究テーマ、研究内容をHPで確認する
⑤ 研究室訪問でマッチ度を確認する
【その他 研究室の2つの探し方】
① 論文から探す
② 教授に教えてもらう
大学院入試において研究室選びはかなり重要です。
しっかりと時間をかけ、自分にあった研究室を見つけましょう。
志望校が決まらなくて困っている方は、こちらも合わせてご覧ください。




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