
- 「大学院入試の小論文の対策方法が知りたいです」
- 「院試の小論文試験のために、何をすればいいのかわかりません」
本記事では、このような悩みや疑問を解決していきます!
大学院入試の小論文を知ろう

- 「小論文の対策って何をすればいいの?」
大学院入試を控えている人の中には、このように疑問に思っている人も多いですよね。
まずは、大学院入試の小論文の基礎知識を見ていきましょう。
大学院入試で小論文があるのはなぜ?
小論文は、『修士論文や、学会論文を書く能力を見るための試験』です。

- 「理系なのに、小論の試験なんて嫌だ…」
- 「理系なら専門科目だけで勝負したい!」
このように考える理系学生の人も多いですよね。
しかし実態は、理系の大学院入試に小論文を出題する専攻は少なくありません。
修士の学生の成果物は『論文』です。
「問題を提起する力」「仮説と検証を繰り返す力」は当然として、それらを「文字にする力」が求められます。
このことを考慮すれば、院試の試験に「小論文」が課せられるのは当然と言えます。
大学院入試の小論文の種類は?
① 『読解-意見』型
→課題文が与えられ、文章の内容を考慮しながら自分の意見を論じる型
② 『テーマ-意見』型
→「地球温暖化」のようなテーマが与えられ、自分の意見を論じる型
③ 『分析-意見』型
→グラフや資料が与えられ、読み取れる情報や対策(意見)を論じる型
大学院入試の小論文は、大きくこれら3つの種類に分けることができます。
いろいろな大学院の院試試験を調べた限りでは、①がもっとも出題頻度が高く、③がもっとも出題頻度が低かったです。
小論文対策は手を抜かずに!

- 「私が入学した、東京大学工学系研究科システム創成学専攻では、以下のような配点でした」
✓数学:300点
✓英語:150点
✓小論文:150点
✓面接:200点
見ての通り、英語と同じ配点です。
小論文は、専門科目や英語のように、対策に時間をかけすぎる必要はありません。
しかし配点は低くないため、小論文対策の手を抜くと、一気に合格圏内から墜落してしまう恐れもあります。
逆に言えば、小論文は短期間で点数をとれる試験。
しっかりと小論対策を行い、点数の底上げをしましょう。
それでは早速、小論文の対策7ステップと、小論文の解き方5ステップを見ていきます。
大学院入試の小論文対策7ステップ
大学院入試の小論文対策の7ステップを紹介します。
① 過去問を入手する
② 過去問を分析する
③ 専門知識が不足していれば補う
④ 文章を意識して新聞や本を読む
⑤ 小論対策の本を読む
⑥ 過去問を解く
⑦ 添削してもらう
1つずつ見ていきます。
ステップ①:過去問を入手する
大学院入試の小論文対策の1つめのステップは、「過去問を入手する」です。
小論文対策のためには、まず始めに過去問を入手しましょう。
小論文に限らず、院試対策は『過去問の分析』からスタートです。
過去問を持っていない方は、大学院入試(院試)の過去問の入手方法7選を合わせてご覧ください。
ステップ②:過去問を分析する
大学院入試の小論文対策の2つめのステップは、「過去問を分析する」です。
ステップ①で入手した過去問を、一通り確認してみましょう。
- 小論文の種類(『読解-意見型』『テーマ-意見型』『分析-意見型』)
- 試験中のおおよその時間配分
- 不足している知識の分析
- 対策にかかる時間の見積もり など

- 「分析-意見型の試験なのに、ずっと読解型の対策をしていた」
- 「小論文を書く練習だけしていたので、専門知識が全然足りない」
過去問の分析からスタートすることで、このような不測の事態を防ぐことができます。
ステップ③:専門知識が不足していれば補う
大学院入試の小論文対策の3つめのステップは、「専門知識が不足していれば補う」です。
小論文で専門知識が問われるケースも少なくありません。
- 農村開発にマイクロファイナンスが寄与する可能性について、具体的事例を上げて論じなさい
- 最近、カーボンフットプリントに加えて「ウォーターフットプリント(water footprint)も商品に表示すべきである」との主張が一部の有識者により為されている。そのような主張の是非について、そう考える理由とともに述べなさい。
【2019年度 東京大学 国際協力学専攻の試験問題より抜粋】
マイクロファイナンスやカーボンフットプリントという言葉を知っていなければ、論文を書けませんよね。
専門知識がテーマとなる小論文の場合、テーマとなる単語を理解していなければ論文を書くことすらできません。
「過去問で扱われたテーマ」「今後扱われそうなテーマ」の知識は、きちんと抑えておきましょう。
ステップ④:文章を意識して新聞や本を読む
大学院入試の小論文対策の4つめのステップは、「文章を意識して新聞や本を読む」です。
相手に分かりやすい文章を書くためには、優れた文章に多く触れることが大切です。
新聞や本は、作成から推敲まで多くの人が関わっています。
何度も見直され、相手に伝わりやすいように工夫された文章です。
・全体の構成
・句読点の位置
・言葉のチョイス
・言い回し、伝え方 など
これらの”文章”を意識しながら、新聞や本を読んでみてください。
「わかりやすく伝える」能力は、社会に出てからも必ず役に立ちます。
ステップ⑤:小論対策の本を読む
大学院入試の小論文対策の5つめのステップは、「小論対策の本を読む」です。

- 「小論文の書き方がわからない」
- 「小論文の採点基準がわからない」
- 「小論文を書くときのポイントがわからない」
今まで小論文試験を受けたことがない人は、このような状態からスタートのはずです。
最低1冊は、小論文対策の本を読むようにしましょう。
おすすめの小論文対策本を3冊紹介します。
もちろん、本屋に行って気に入った本を買ってもOKです。
小論文の「減点基準」を紹介している本です。
小論文は採点基準がわからないので、どこを改善すれば良いのか不透明です。
それを解消してくれるのがこの本。
1度は読んでみて欲しい本です。
文章の構成を中心に、採点者に響く小論文の書き方を55の要素に分けて紹介している本です。
「小論文は初めて」という方にもおすすめの本です。
文章を普段まったく書かない方におすすめです。
本書はウルトラ超基礎編ですが、シリーズには「超基礎編」や「応用編」もあります。
自分にあった難易度を選べるので、ぜひチェックしてみて下さい。
ステップ⑥:過去問を解く
大学院入試の小論文対策の6つめのステップは、「過去問を解く」です。
小論文の基礎を身につけたら、実際に小論文を解きましょう。
「頭の中で書くことが思い浮かんでも、文章にできない」ということはよくあります。
こればかりは、書いてみないと練習はできません。
また、過去問を解くときは必ず時間を測りましょう。
最後まで書けなかった小論文は、0点と同じです。
制限時間内に書き終えるために、何度も練習を繰り返しましょう。
ステップ⑦:添削してもらう
大学院入試の小論文対策の7つめのステップは、「添削してもらう」です。
過去問を解いたら、教授や先輩、友人に添削してもらうのがおすすめです。
・独特な表現をしている
・日本語の使い方が間違っている
このような自分では気づかないことも、他人なら簡単に気づくことがあります。

- 「私は、同じ専攻を受ける友人が近くにいました」
- 「友人と回答を見せあい、意見交換をしました」
他の人の意見を取り入れることで、より分かりやすい小論文になります。
思い切って、周りの人に小論文の添削をお願いしてみましょう。
大学院入試の小論文の解き方5ステップ
大学院入試本番での、小論文の解き方5ステップを紹介します。
① 時間配分を決める
② 問題文を読む
③ 構成を決める
④ 小論文を書く
⑤ 文章を推敲する
1つずつ見ていきます。
ステップ①:時間配分を決める
大学院入試の小論文の解き方の1つめのステップ、「時間配分を決める」です。
【試験時間:120分】
① 時間配分を決める:5分
② 問題文を読む:25分
③ 構成を決める:15分
④ 小論文を書く:60分
⑤ 文章を推敲する:15分
小論文試験でもっとも気をつけなければならないのが、制限時間です。
時間内に書き終えることができなければ、0点になってしまう可能性もあります。
まず始めに、おおよその時間配分を決めましょう。
そうすることで、「予定より遅れているからペースアップする」のような調整をすることも可能です。
ステップ②:問題文を読む
大学院入試の小論文の解き方の2つめのステップは、「問題文を読む」です。
① 『読解-意見』型
→課題文が与えられ、文章の内容を考慮しながら自分の意見を論じる型
② 『テーマ-意見』型
→「地球温暖化」のようなテーマが与えられ、自分の意見を論じる型
③ 『分析-意見』型
→グラフや資料が与えられ、読み取れる情報や対策(意見)を論じる型
とくに①の『読解-意見型』のケースでは、文章を読むのに時間がかかります。
文章を読み慣れていないと、時間がかかりすぎるケースもあるので注意しましょう。
普段から活字に触れ、速く読む練習をするのがおすすめです。
ステップ③:構成を決める
大学院入試の小論文の解き方の3つめのステップは、「構成を決める」です。
構成を決めることで、以下のような事態を防ぐことができます。
・何を書いているのか分からなくなる
・主張したいことが伝わらない文章になる
・文字数がオーバーして全部書き直すハメになる
書き始める前に、必ず構成を決めるようにしましょう。
慣れるまでは、時間をかけてもOKです。
ステップ④:小論文を書く
大学院入試の小論文の解き方の4つめのステップは、「小論文を書く」です。
構成を決めたら、小論文を書きます。
文字数は、以下を意識しましょう。
・9割以上が理想。最低8割以上
例)1,000字以内
900字以上が理想。最低でも800字以上
【〇〇字程度のケース】
・誤差1割未満が理想
例)1,000字程度
900字~1,100字が理想
ステップ⑤:文章を推敲する
大学院入試の小論文の解き方の5つめのステップは、「文章を推敲する」です。
ここでいう推敲は、誤字脱字のチェックです。
時間も迫ってきているはずなので、大幅に書き直すのはリスクが高いです。
誤字脱字をチェックする時間をとれるように、時間配分を調整しましょう。
大学院入試の小論文はしっかり対策しよう
いかがでしたでしょうか。
大学院入試の小論文対策7ステップと、小論文の解き方5ステップをおさらいします。
① 過去問を入手する
② 過去問を分析する
③ 専門知識が不足していれば補う
④ 文章を意識して新聞や本を読む
⑤ 小論対策の本を読む
⑥ 過去問を解く
⑦ 添削してもらう
【大学院入試の小論文の解き方5ステップ】
① 時間配分を決める
② 問題文を読む
③ 構成を決める
④ 小論文を書く
⑤ 文章を推敲する
「小論文対策ってなにすればいいの?」
院試で小論文試験がある人は、このような疑問を抱えている人も多いですよね。
小論文は、短時間の対策で高得点を獲得できる試験です。
「採点基準がわからないから…」と手を抜かず、7ステップの対策で準備万端にして試験本番に臨みましょう。
小論文を制すれば、あなたの院試合格がさらに近づきます。
記事内に記載したリンク、おすすめリンクをまとめておきます。
院試MENU