院試でTOEICとTOEFL ITPの両方が気になる受験生は多いです。
結論から言うと、両立はできます。ただし、同じ比重で同時に進めると失敗します。
TOEICとTOEFL ITPは、どちらもListeningとReadingが中心です。一方で、目的、出題内容、文法の扱いが違います。
この記事では、TOEICとTOEFL ITPの違いを整理し、院試で両立するための勉強順を説明します。
参考にした公式情報
TOEICとTOEFL ITPは目的が違う
TOEIC L&Rは、仕事で使う英語のListeningとReadingを測る試験です。
ETS公式情報では、TOEIC L&Rは100問のListeningと100問のReadingで構成されています。
TOEFL ITPは、大学や機関が実施する団体向けの英語試験です。ETS公式情報では、Level 1がListening、Structure and Written Expression、Readingで構成されています。
| 比較項目 | TOEIC L&R | TOEFL ITP |
|---|---|---|
| 主な場面 | ビジネス、日常業務 | 大学、アカデミック |
| 問題数 | Listening 100問、Reading 100問 | Level 1は合計140問 |
| 文法セクション | Part 5などで出る | 独立した文法セクションがある |
| 院試での扱い | 提出スコアとして使える専攻がある | 学内試験や団体試験で使われやすい |
同じ英語試験と見なすのは危険です。TOEICで高得点でも、TOEFL ITPの文法で落とす受験生はいます。
院試では第一志望で使う試験を先に決める
両立で一番大切なのは、優先順位です。
第一志望で使う試験を先に決めます。併願校で必要な試験は、その次に置きます。
| 状況 | 優先する試験 | 理由 |
|---|---|---|
| 第一志望がTOEFL iBT必須 | TOEFL iBT | 代替できないため |
| 第一志望がTOEIC L&R可 | TOEIC L&R | 受験機会が比較的多いため |
| 第一志望がTOEFL ITP実施 | TOEFL ITP | 文法とアカデミック長文が必要なため |
| 併願校で試験が分かれる | 共通するReadingとListening | 無駄が少ないため |
東京大学大学院工学系研究科のように、専攻ごとにTOEFL、TOEIC L&R、独自試験の扱いが違う例もあります。
そのため、最初に併願校一覧を作ってください。試験名、提出期限、有効期限を横に並べます。
TOEICとTOEFL ITPで共通する勉強
両立できる理由は、共通部分があるからです。
ListeningとReadingの基礎は、どちらの試験にも効きます。
共通する勉強1:英文を前から処理する
返り読みが多いと、どちらの試験でも時間が足りません。
主語、動詞、目的語を前から取り、段落の役割を見ます。意味を完璧に取るより、設問に答える情報を見つけることを優先します。
共通する勉強2:音読とシャドーイング
Listeningでは、知っている単語でも音で聞けないと失点します。
短い英文を使い、音読とシャドーイングを毎日10分入れてください。長時間より継続が大切です。
共通する勉強3:頻出単語の反復
TOEICはビジネス寄り、TOEFL ITPはアカデミック寄りです。
ただし、基本単語と抽象語は共通します。まずは共通語彙を固め、そのあと試験別の単語を足します。
TOEICとTOEFL ITPで分ける勉強
共通部分だけでは、どちらも中途半端になります。
最後は試験別の形式に合わせます。
| 試験 | 分けて対策する部分 | 勉強方法 |
|---|---|---|
| TOEIC L&R | Part 3、Part 4、Part 7 | 設問先読み、情報検索、複数文書読解 |
| TOEIC L&R | Part 5 | 品詞、語法、時制を短時間で処理 |
| TOEFL ITP | Structure | 文型、関係詞、分詞構文、比較 |
| TOEFL ITP | Academic Reading | 専門用語に慣れ、段落展開を読む |
私なら、TOEIC L&Rを先に1回受けます。現状のListeningとReadingの土台が見えるからです。
その後、TOEFL ITPに寄せるなら文法とアカデミック長文を増やします。逆にTOEIC提出が主目的なら、Part別演習を増やします。
両立する6週間スケジュール
短期で両立するなら、週ごとに試験比率を変えます。
毎日両方を同じ量やる必要はありません。
| 期間 | 重点 | 内容 |
|---|---|---|
| 1週目 | 現状把握 | TOEIC形式でListeningとReadingを測る |
| 2週目 | 共通基礎 | 単語、音読、英文解釈を毎日回す |
| 3週目 | TOEIC | Part 5とPart 7を重点的に解く |
| 4週目 | TOEFL ITP | StructureとAcademic Readingを解く |
| 5週目 | 弱点補強 | 失点セクションだけ集中的に復習する |
| 6週目 | 提出試験 | 第一志望で使う試験に比重を寄せる |
第一志望の締切が近いなら、6週目を待たずに比重を寄せます。提出期限がある試験は、点数より先に日程が制約になります。
両立でやってはいけないこと
TOEICとTOEFL ITPの両立で多い失敗は、教材を増やしすぎることです。
問題集が増えるほど、復習が浅くなります。
- TOEIC公式問題集を解きっぱなしにする
- TOEFL ITPの文法を後回しにする
- 単語帳を3冊以上に増やす
- 提出期限を確認せずに受験日を選ぶ
- 第一志望で使わない試験に時間を使いすぎる
両立の目的は、英語を趣味として広げることではありません。院試で必要なスコアを期限内に出すことです。
迷ったら、第一志望で使う試験に戻ってください。
よくある質問
TOEICとTOEFL ITPを同時に進める時の疑問を整理します。
TOEICだけでTOEFL ITP対策になりますか?
一部はなります。
ListeningとReadingの基礎は共通します。ただし、TOEFL ITPのStructureは別に対策してください。
TOEFL ITPだけでTOEIC対策になりますか?
Readingの基礎にはなります。
ただし、TOEIC特有のビジネス場面、Part 3、Part 4、Part 7は別演習が必要です。
どちらを先に受けるべきですか?
提出期限が早い方を先に受けます。
期限が同じなら、受験機会を確保しやすい試験から受け、結果を見て弱点を補強します。
スコア別の両立戦略
TOEICとTOEFL ITPの両立は、今の英語力でやることが変わります。
同じ教材を使っても、優先順位が違います。
| 現状 | 最初の重点 | 理由 |
|---|---|---|
| TOEIC 500点未満 | 中学高校英文法と基本単語 | 共通基礎が不足しているため |
| TOEIC 500から650点 | Part 5とTOEFL ITP Structure | 文法の穴を埋めやすいため |
| TOEIC 650から750点 | 長文処理とListeningの安定 | 時間切れを減らせるため |
| TOEIC 750点以上 | TOEFL ITPの学術長文と文法 | 試験差分を埋めればよいため |
TOEICの点数が高い人でも、TOEFL ITPのStructureで落とすことがあります。
逆に、TOEFL ITPの文法が得意でも、TOEICのPart 3やPart 4で設問先読みができないと点が伸びません。
今の点数を見て、共通基礎をやるのか、試験別の形式に寄せるのかを決めてください。
1日の勉強配分
両立で大切なのは、毎日の配分を固定することです。
その日の気分でTOEICだけ、TOEFL ITPだけに寄せると偏ります。
| 使える時間 | 配分例 | 内容 |
|---|---|---|
| 30分 | 共通基礎20分、復習10分 | 単語、音読、文法ミスの確認 |
| 60分 | TOEIC 30分、TOEFL ITP 20分、復習10分 | Part 5とStructureを交互に扱う |
| 90分 | Reading 40分、Listening 30分、復習20分 | 長文と音声を両方入れる |
| 120分 | 提出試験80分、もう一方20分、復習20分 | 第一志望に必要な試験へ寄せる |
時間が少ない日は、復習を削らないでください。
復習を削ると、同じミスを繰り返します。新しい問題を解く量より、間違いを減らすことを優先します。
院試全体とのバランス
英語の両立に集中しすぎると、専門科目が遅れます。
院試では、英語は必要条件になることが多いです。合格の決め手は、専門科目や面接になることもあります。
- 英語スコア提出が終わったら専門科目へ比重を移す
- 英語の復習は毎日30分だけ残す
- 過去問演習の日は英語を軽めにする
- 面接前は研究内容説明を優先する
- 出願期限前はスコア送付と書類確認を優先する
英語は早めに形にすると、院試全体が楽になります。
ただし、英語だけで満点を目指す必要はありません。第一志望の合格に必要な点数から逆算してください。
まとめ:両立は共通部分から入り、最後に試験別へ寄せる
TOEICとTOEFL ITPは、ListeningとReadingの基礎が共通します。
ただし、TOEFL ITPには文法セクションがあります。TOEICにはTOEIC特有のPart構成があります。
院試で両立するなら、第一志望で使う試験を先に決めます。そのうえで、共通基礎を固め、最後に提出試験へ比重を寄せてください。
両立で使う教材の絞り方
TOEICとTOEFL ITPを同時に進める時は、教材を増やしすぎないでください。
教材は、役割ごとに1つずつで十分です。
| 役割 | 教材の条件 | 使い方 |
|---|---|---|
| 単語 | 毎日回せる量 | 朝と夜に短く見る |
| TOEIC演習 | 公式形式に近いもの | Part 5とPart 7を重点的に解く |
| TOEFL ITP文法 | Structure問題が多いもの | 品詞と文型を高速で判断する |
| Listening | スクリプトがあるもの | 聞いた後に原因を確認する |
| 復習ノート | 自作でよい | 同じミスだけ集める |
教材を増やしたくなるのは、勉強している安心感があるからです。
しかし、院試では復習の深さが点数につながります。買った教材の数ではなく、同じミスを減らした数を見てください。
両立の進捗を測る指標
両立が進んでいるかは、点数だけでは判断しません。
日々の指標を持つと、迷いが減ります。
- Part 5を1問30秒前後で処理できる
- TOEFL ITPのStructureで品詞を先に見られる
- Readingで根拠文を本文から示せる
- Listeningで聞き逃しても次へ進める
- 週1回、提出試験に合わせて比重を変えている
この5つができると、両立はかなり安定します。
特に「提出試験に合わせて比重を変える」ことが大切です。ずっと五分五分で勉強するのではなく、締切が近い試験へ寄せてください。
院試英語は、期限内に使えるスコアを出すことが目的です。
迷った時は、第一志望の提出条件に戻ります。
第一志望でTOEIC L&Rが使えるなら、TOEIC形式に寄せます。第一志望でTOEFL ITPを使うなら、Structureを毎日入れます。どちらも必要なら、共通基礎を午前に置き、試験別対策を夜に置くと続けやすいです。
両立で失敗する人は、毎日判断し直しています。判断を減らすために、曜日ごとのメニューを固定してください。月水金はTOEIC、火木土はTOEFL ITP、日曜は復習のように決めると迷いません。
スコアが停滞したら、勉強時間ではなく失点の種類を見ます。TOEICのPart 5で落としているのか、TOEFL ITPのStructureで落としているのかを分けてください。
分けて記録すると、翌日の勉強が決まります。両立は気合いではなく、修正の回数で進みます。
記録は短くて構いません。


