研究室訪問は、当日より前の準備でほぼ決まります。
当日にうまく話せるか不安な人ほど、服装や持ち物だけでなく、研究室の下調べ、質問リスト、自己紹介、入試情報の確認まで済ませておいてください。
この記事では、研究室訪問の前に準備することを、チェックリスト形式で整理します。
研究室訪問で何を話すかを知りたい人は、先に大学院の研究室訪問では何を話す?も確認してください。この記事では、訪問前の準備に絞って解説します。
研究室訪問は事前準備でほぼ決まる

研究室訪問で失敗しやすい人は、当日の会話力が足りない人ではありません。
多くの場合、準備不足です。
最低限、訪問前に次の5つを確認してください。
- 研究室ホームページ
- 教員の研究テーマ
- 最近の論文や研究紹介
- 募集要項と入試科目
- 自分の関心と質問リスト
大学院入試では、研究室や指導教員との適合が重要です。筑波大学大学院の募集要項でも、学位プログラムによっては、出願前に志望する指導教員から研究指導の受け入れの内諾を得る必要があると案内されています。
つまり、研究室訪問は「行けたら行くもの」ではありません。
志望先によっては、出願前にかなり重要な意味を持ちます。
研究室訪問前のチェックリスト
研究室訪問の前日は、次のチェックリストを見てください。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 研究室HP | 研究テーマ、メンバー、発表実績を読む |
| 教員情報 | 専門分野、最近の研究、連絡先を確認する |
| 募集要項 | 出願条件、試験科目、指導教員連絡の有無を見る |
| 質問リスト | 研究内容、入試、生活、進路を分けて用意する |
| 自己紹介 | 所属、関心、志望理由を1分で話せるようにする |
| 服装 | 清潔感のある服を用意する |
| 持ち物 | メモ、筆記用具、資料、スマホ充電を確認する |
大切なのは、研究室訪問を「当日だけのイベント」にしないことです。
訪問前に何を調べたかで、質問の質が変わります。質問の質が変われば、先生から得られる情報も変わります。
研究室の下調べで見るべきポイント
研究室ホームページを見るときは、流し読みで終わらせないでください。
次の順番で確認すると、質問を作りやすくなります。
研究テーマ
まず、研究室が扱っているテーマを確認します。
研究テーマを見たら、自分の関心と近いものを1つ選んでください。
「全部おもしろそうです」では話が広がりません。「特に〇〇のテーマに関心があります」と言える方が自然です。
教員の論文や研究紹介
論文をすべて理解する必要はありません。
ただし、タイトル、要旨、図、研究の目的くらいは見ておきます。
論文を読んでわからない点があれば、それを質問にできます。
「論文の〇〇という部分を読みましたが、△△の理解で合っていますか」と聞けると、かなり良い準備です。
学生の研究テーマ
修士学生や博士学生のテーマが公開されている場合は、必ず見ます。
教員の研究テーマだけでなく、学生が実際にどのようなテーマを担当しているかを見ると、入学後のイメージが具体的になります。
外部受験生は、ここを見ておくと面接でも話しやすくなります。
入試情報
募集要項、入試科目、過去問、英語スコアの扱いを確認します。
公式に説明会や研究室訪問の機会が案内されている研究科もあります。たとえば京都大学大学院生命科学研究科の入試説明会資料では、研究室ごとの訪問可能時間帯や説明担当者が整理されています。
このような公式情報があるなら、先に目を通してください。
研究室訪問で用意する質問リスト
質問は、5個から10個ほど用意しておくと安心です。
ただし、全部聞く必要はありません。会話の流れに合わせて使います。
研究内容について
研究内容については、次の質問が使いやすいです。
- 修士学生はどのように研究テーマを決めていますか
- 外部生が入学前に補うべき分野はありますか
- 最近、研究室で力を入れているテーマは何ですか
- 〇〇に関心がある場合、どの研究テーマが近いでしょうか
- 入学前に読んでおくとよい教科書や論文はありますか
研究内容の質問は、必ず下調べとセットにします。
何も読まずに「どんな研究をしていますか」と聞くのは避けてください。
入試について
入試については、聞き方に注意します。
聞いてよいのは、準備の方向性です。
- 外部生はどの科目を重点的に準備すべきですか
- 研究計画書ではどの程度具体化すべきですか
- 面接では研究内容をどのくらい説明できる必要がありますか
- 英語スコアはどの時期までに用意すべきですか
- 過去問以外に確認すべき資料はありますか
一方で、「何点取れば受かりますか」「今年は何人取りますか」「自分は受かりますか」は避けてください。
先生が答えにくい質問です。
研究室生活について
研究室生活は、入学後のミスマッチを防ぐために確認します。
- ゼミや進捗報告はどのくらいの頻度ですか
- 修士1年の前半はどのように過ごす人が多いですか
- 学会発表の機会はありますか
- 学生同士で相談しやすい雰囲気ですか
- 就職活動と研究の両立はどのようにしていますか
学生と話せる機会があれば、生活面は学生に聞くのも有効です。
研究室訪問の服装

研究室訪問の服装は、清潔感が最優先です。
スーツ指定がない限り、必ずスーツで行く必要はありません。理系の研究室訪問では、落ち着いた私服やオフィスカジュアルでも問題ないことが多いです。
迷うなら、次の服装にしてください。
| 場面 | 服装の目安 |
|---|---|
| 対面訪問 | 襟付きシャツ、落ち着いたパンツ、きれいな靴 |
| オンライン訪問 | 上半身は対面と同じ清潔感 |
| 説明会形式 | 派手すぎない私服またはオフィスカジュアル |
| 医学・法学・社会人系 | スーツ寄りでもよい |
避けたいのは、寝癖、サンダル、派手すぎる服、しわだらけの服です。
服装で合否が決まるわけではありません。
ただし、第一印象を落とす必要もありません。研究内容で勝負するために、服装では余計な不安を作らないようにします。
研究室訪問の持ち物
持ち物は多すぎなくて大丈夫です。
ただし、メモを取れる状態にはしておきます。
| 持ち物 | 理由 |
|---|---|
| メモ帳 | 聞いた内容を残す |
| 筆記用具 | その場でメモする |
| スマホ | 地図、連絡、緊急時に使う |
| モバイルバッテリー | 長時間移動に備える |
| 募集要項の控え | 入試条件を確認する |
| 質問リスト | 聞き忘れを防ぐ |
| 研究メモ | 自分の関心を説明する |
成績証明書や履歴書は、求められていない限り必須ではありません。
ただし、先生から成績や履修科目を聞かれたときに説明できるよう、自分の専門科目や卒論テーマは整理しておいてください。
オンラインの場合は、持ち物より環境確認が重要です。
カメラ、マイク、通信環境、表示名、背景、充電を事前にチェックします。オンライン研究室訪問の詳しい注意点は、オンライン研究室訪問の注意点で整理しています。
研究室訪問メールを送る前の確認
研究室訪問の準備は、メールを送る前から始まっています。
メール文面が雑だと、訪問前の印象が悪くなります。長い自己PRを書く必要はありませんが、最低限の情報は入れてください。
送信前に確認する項目は次の通りです。
- 件名に「研究室訪問のお願い」と入っているか
- 所属大学、学部、学年、氏名を書いているか
- 何に興味を持ったのかを書いているか
- 対面かオンラインか、希望を伝えているか
- 候補日時を複数出しているか
- 署名に連絡先を入れているか
件名は、次のようにします。
「大学院進学に関する研究室訪問のお願い(〇〇大学・氏名)」
本文では、先生の研究内容を読んだことが伝わる一文を入れてください。
たとえば、「先生の研究室で扱われている〇〇のテーマに関心を持っています」と書きます。これだけでも、ただ一斉に送っているメールとは印象が変わります。
候補日時は、1つだけではなく、2つから3つ出します。
先生に日程調整の負担をかけすぎないためです。
メールを送る前に、研究室名、先生の名前、敬称、大学名を必ず確認してください。ここを間違えると、準備不足がそのまま伝わります。
自己紹介は1分で準備する
研究室訪問では、最初に自己紹介を求められることがあります。
長く話す必要はありません。
次の4点を1分で話せるようにします。
- 所属大学、学部、学年
- 学んでいる分野
- 興味のある研究テーマ
- 研究室に関心を持った理由
例文は次の通りです。
「〇〇大学〇〇学部の〇〇です。現在は〇〇分野を学んでいます。大学院では△△に関する研究に関心があり、先生の研究室で扱われている□□のテーマに興味を持ちました。本日は、研究内容と入試までの準備について伺いたいと考えています」
これで十分です。
自己紹介で完璧に見せようとする必要はありません。むしろ、簡潔に話して、その後の会話に時間を使ってください。
研究テーマが未定の場合の準備
研究テーマがまだ固まっていなくても、研究室訪問はできます。
ただし、完全に白紙のまま行くのは避けてください。
最低限、次の3つを用意します。
- 興味のある分野
- なぜその分野に関心があるのか
- 研究室のどのテーマと近いと感じたのか
研究テーマ未定の人は、「テーマは未定ですが、〇〇分野に関心があります」と伝えれば大丈夫です。
詳しくは、研究テーマ未定でも研究室訪問していい?で解説しています。
大切なのは、未定であることを隠さないことです。
その代わり、関心の方向と調べた内容を伝えてください。
当日の直前チェック

訪問当日の朝は、次の項目を確認します。
- 到着時間
- 建物と部屋番号
- 先生の名前と所属
- メール履歴
- 質問リスト
- 服装
- 持ち物
対面の場合は、10分前には近くに着くようにします。
早すぎる到着も相手の負担になるため、研究室に入るのは約束時間の少し前で構いません。
オンラインの場合は、5分前には接続できる状態にしておきます。
通信トラブルが起きた場合に備えて、連絡先をすぐ見られるようにしておきます。
訪問後に必ずやること
研究室訪問は、訪問後の整理までがセットです。
帰宅後、次の3つを行ってください。
- メモを整理する
- お礼メールを送る
- 入試対策に落とし込む
お礼メールは、その日か翌日までに送るのが自然です。
長文にする必要はありません。
「本日はありがとうございました」「〇〇のお話が参考になりました」「今後は△△を重点的に準備します」と伝えれば十分です。
そして、聞いた内容を学習計画に反映します。
たとえば、先生から「数学の基礎を固めておくとよい」と言われたなら、過去問と参考書の優先順位を変えます。研究計画書の方向性を指摘されたなら、次の下書きに反映します。
訪問後に行動が変わらないなら、情報を活かせていません。
よくある準備不足と対策
最後に、研究室訪問でよくある準備不足を整理します。
次のような状態なら、訪問前に直してください。
| 準備不足 | 対策 |
|---|---|
| 研究室HPを読んでいない | 研究テーマと教員紹介を読む |
| 質問がない | 研究内容、入試、生活で3つずつ作る |
| 志望理由が浅い | どの研究テーマに惹かれたか言語化する |
| 服装に迷う | 清潔感のある落ち着いた服にする |
| 持ち物が曖昧 | メモ、筆記用具、募集要項、質問リストを用意する |
| 訪問後の行動がない | お礼メールと学習計画の修正まで行う |
研究室訪問は、完璧な知識を見せる場ではありません。
ただし、何も準備していないことはすぐ伝わります。
「この研究室で学びたい」という気持ちを伝えるには、気合いより準備が必要です。
特に外部受験生は、内部生より情報が少ない状態で戦うことになります。研究室訪問の準備を丁寧にするだけで、入試対策の方向がかなりはっきりします。
まとめ:研究室訪問は準備で不安を減らせる
研究室訪問は、慣れていないと緊張します。
しかし、準備すべきことは決まっています。
研究室ホームページを読み、教員の研究テーマを確認し、募集要項を見て、質問リストと自己紹介を用意する。服装と持ち物を整え、当日は落ち着いて話す。
これだけで、研究室訪問の不安はかなり減ります。
完璧な受け答えを目指す必要はありません。
自分がその研究室で学べるかを確認し、先生にも自分の関心と準備状況を伝える。そのための準備を、訪問前に一つずつ済ませてください。



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