研究室訪問で聞くべき質問と見るポイント18選【院試のプロが教える】
「研究室訪問」の目的は、ミスマッチを防ぐことです。
配属されてから、「あれ?思ったのと違う」「やりたい研究ができない」となっても、2年間はそこで過ごさないといけません。
とくに、他大学に進学しようと思ってる人にとって、学校の雰囲気を知る機会は研究室訪問や説明会しかありません。
しかも、説明会では学校の雰囲気を知ることができても、研究室の細かい情報を知ることはできません。
研究室の細かい情報、研究内容や雰囲気、教授や学生の人柄や性格などを知ることができるのは、研究室訪問が最初で最後の機会なのです。
本記事では、研究室訪問を成功させるための聞くべき質問や見るべきポイントを紹介します!
研究室訪問の流れや、送付するメールの内容で悩んでいる方は以下の記事をお読みください。
コピペだけで簡単に研究室訪問のアポ取りができる例文も紹介しています!


また、院試対策は、まずはじめにこちらをご覧ください。
👉【これだけでOK】大学院受験でやるべき11のこと【東大院試】
研究室訪問で聞くべき14の質問と見るべき4つのポイント
それでは早速、研究室訪問当日に聞くべき14の質問と見るべき4つのポイントを紹介していきます。
すべて必ずチェックしないといけないわけではありません。
気になるポイントを自分なりにピックアップして活用してください!
まずは一覧で紹介していきます。
質問に応じ、教授に聞くのか学生に聞くのかを使い分けましょう。
① 研究内容や今後の研究方針
② 研究内容の決め方
③ コアタイムの有無
④ 輪講・ゼミの回数
⑤ ホワイトかブラックか
⑥ 人気のある研究室か
⑦ 配属される人数
⑧ 学会の有無
⑨ 卒業生の進路
⑩アルバイトは可能か
⑪ どんな勉強をしたか
⑫ 過去問の回答はあるか
⑬ 面接で何を聞かれたか
⑭ いつから勉強をはじめたか
② 院生の人柄・性格
③ 研究室の雰囲気
④ 実験施設・設備
1つずつみていきます。
研究室訪問で聞くべき質問<研究室情報>
1. 研究内容や今後の研究方針
研究内容は、事前にある程度下調べしてから研究室訪問に臨みましょう。
しかし、せっかく研究室訪問に来ているので、分からないところや疑問点はどんどん聞いてしまいましょう。
研究室訪問が疑問を解決する最も最適な機会です。
今後の研究方針もこの機会に聞いておくといいでしょう。
進学したらあなたが取り組むことになる可能性が高い研究内容が事前にわかります。
2. 研究内容の決め方
研究内容の決め方も重要ですね。
もしあなたが「〇〇の研究がしたい!」という強い気持ちがあるのなら、本当にその研究ができるか思い切って聞いてみてもいいと思います。
研究内容の決め方は大きく2パターンあります。
- 学生の希望をそのまま採用する
- 研究室の主流の研究を割り当てる
要するに、自分の希望が通るかどうかですね。
学生が一から価値のある研究内容を考えることは難しいので、ある程度希望を聞きながらも②番になる研究室が多いように思います。
やりたい研究ができるかどうかは研究室訪問の機会にチェックするようにしましょう。
3. コアタイムの有無
コアタイムとは、出勤義務のある時間のこと。
基本的に何時に大学に行き、何時に帰るかは各人の裁量次第ですが、研究室によっては、月~金は10:00~18:00まで必ず大学に行かなければいけない研究室なども存在します。
コアタイムは、その研究室がホワイトかブラックかを判断する指標としても使われますね。
大学院生活を性格にイメージするためにも、コアタイムの有無は必ず聞いておきましょう。
4. 輪講・ゼミの回数
私の研究室では、週に1度3時間の輪講を行っていました。
輪講やゼミという言葉が聞き慣れない人は、研究室のミーティングだと思ってください。
研究の進捗報告や今後の研究方針を確認する場です。
輪講やゼミの回数で、教授は学生を放任するタイプか、きっちり管理するタイプかの判断材料にもなりますし、大学院生活の忙しさもイメージすることができます。
見落としがちな質問ですので、しっかり覚えておきましょう。
5. ホワイトかブラックか
おそらく多くの学生が気になるのが、ホワイトな研究室かブラックな研究室かどうかです。
ブラック企業が世間でここまで話題になっているのに、ブラック研究室が世間であまり話題になっていないのは一重に大学院生の母数の少なさかもしれません。
しかし、ホワイトかブラックかどうかは、研究室選びでも必ず気にしなければいけないポイントです。
研究室によっては、プライベートな時間は全く無く、QOLがかなり低い2年間を過ごすことになってしまいます。
例えば、私も卒研の追い込み時期に大学に寝泊まりしたことがありますが、本当のブラック研究室ではしょっちゅう大学で寝泊まりしています。
「休日も祝日も関係なく研究したい」という人以外は、しっかりと研究室がブラックかどうかは確認しておきましょう。
6. 人気のある研究室か
人気のある研究室ということは、倍率が高いということになります。
つまり、第二志望や大三志望の研究室に配属される可能性が高くなり、それを避けるためには上位の成績を取らなければいけません。
研究室の配属方法は色々ありますが、成績上位者から順に希望していく場合、受験者のTOP3の成績を取らなければ確実に第一志望の研究室に入れるとは限りません。
「人気があるならもっと勉強頑張ろう」と奮起するか、「人気があるなら別の研究室にしよう」とシフトするかは自由ですが、聞いておいて損はない情報です。
7. 配属される人数
配属される人数も、希望する研究室への配属されやすさに影響します。
また、同学年の人数を事前に予測することも可能です。
同学年で同じ研究室の学生は、2年間ずっと一緒に過ごす仲間ですので、「多いほうがいい」「少ないほうがいい」という希望が各自あると思います。
気になる人は、配属される人数も聞いておきましょう。
8. 学会の有無
学会に出たい人はチェックしましょう。
毎年学会に出る研究室もあれば、あまり学会に出ない研究室もあります。
海外での学会を経験したいと思っている人も多いと思うので、学会があるかどうかや、来年の学会の開催地なども聞いておきましょう。
9. 卒業生の進路
卒業生の進路は必須の質問です。
理系の専門職では、大学教授のコネクション採用も多く、企業によっては特別推薦を貰えることもあります。
卒業生の進路と、あなたの希望する進路が全くマッチしないのであれば、もっと最適な研究室が他にあるかもしれません。
逆に、卒業生の進路と、あなたの希望する進路がマッチしていれば、あなたにとって最適な研究室ということになるでしょう。
10. アルバイトは可能か
学生の中には、学費や生活費を自分で工面しなければならない人もいると思います。
「研究が忙しくて、アルバイトをする時間なんてないよ」ということであれば、事前に奨学金を申請したり別の策を考える必要が出てくるでしょう。
また、修士生であれば、TA(Teaching Assistant)をして賃金をもらえるケースもあります。
金銭面で不安を抱えている人や、大学時代のバイトを続けたい人などは、きちんと確認するようにしましょう。
研究室訪問で聞くべき質問<院試情報>
11. どんな勉強をしたか
大学受験と違い、大学院の情報はあまり得ることができないでしょう。
研究室訪問は、実際に院試をパスした人のナマの情報を得るチャンスです。
「合格者のアドバイスのおかげで院試に合格できた」といったことにもなり得ます。
研究室の学生と話す機会があれば、どんな勉強をしたのかを聞いてみましょう。
12. 過去問の回答はあるか
院試の過去問の回答を入手することは困難です。
基本的に、自分で解いて、分からない問題は参考書で解法を調べるしかありません。
しかし、過去問や過去問の回答がまとめられている研究室も少なくありません。
とくに外部進学を考えている人は、過去問の回答を入手する機会は研究室訪問くらいですので、しっかりと確認するようにしましょう。
13. 面接で何を聞かれたか
もし可能であれば、勇気を出して面接で聞かれたことを聞いてみるのもありです。
優しい学生がいれば、かなり細かい質問まで答えてもらえるかもしれません。
院試の面接は、よく聞かれる質問などを知っているだけで対策が容易になります。
👉面接試験対策まとめ【大学院受験対策に】
👉院試のプロが教える『院試面接バイブル』
14. いつから勉強をはじめたか
院試の情報として、いつから勉強をはじめたかも重要なポイントです。
院試に不安を持っている人や、院試勉強のモチベーションを高めたい人、院試対策開始から院試当日までのスケジュールをイメージしたい人などは聞いておきたい質問です。
👉【院試の不安は情報不足】大学院受験合格までの道のりを確認する方法
研究室訪問で見るべきポイント
15. 教授の人柄・性格
教授の人柄や性格はチェック必須です。
進学すれば2年間は一緒に過ごすことになるので、自分と合うかどうかをしっかりと見ておきましょう。
「優しいか」「怖いか」「面倒見が良さそうか」「学生に関心がなさそうか」など、気になる項目を確認しましょう。
16. 院生の人柄・性格
教授と同様、院生の人柄や性格も気になるところですね。
とくに、自分が進学したときにいる可能性が高い修士の1年生の人柄や性格は、教授と同じくらい重要です。
17. 研究室の雰囲気
大学院生活の大半の時間を研究室で過ごすことになります。
そのため、研究室の雰囲気はとても重要。
自分にあうかどうか、居心地が良さそうかなど、研究室訪問の際にしっかりとチェックしておきましょう。
研究室によっては、テレビゲームやボードゲームがおいてあり、終始和やかで居心地のいい時間を過ごせることができるかもしれません。
18. 実験施設・設備
実験施設や設備もチェックしておきましょう。
気になる人は、パソコンのスペック(各自のパソコンや解析用のパソコンなど)も確認しておくとよいでしょう。
数値解析やシュミレーションではなく、大型設備で研究を行いたいと考えている人は、実験室にも連れて行ってもらういましょう。
同時に、自分がやりたい研究ができるかどうかも設備から判断できます。
研究室訪問の聞くべき質問と見るポイントは必ず抑えておこう!
いかがでしたでしょうか。
研究室訪問は、事前準備の有無で成功か否かが決まります。
研究室訪問は通常1~2時間程度です。
その間に気になることや疑問を解消するためには、しっかりと聞きたいポイントをまとめておく必要があります。
訪問後に、「あっ!あれを確認するの忘れた!」とならないように、聞いておくべき質問や見るべきポイントをおさらいします。
① 研究内容や今後の研究方針
② 研究内容の決め方
③ コアタイムの有無
④ 輪講・ゼミの回数
⑤ ホワイトかブラックか
⑥ 人気のある研究室か
⑦ 配属される人数
⑧ 学会の有無
⑨ 卒業生の進路
⑩アルバイトは可能か
⑪ どんな勉強をしたか
⑫ 過去問の回答はあるか
⑬ 面接で何を聞かれたか
⑭ いつから勉強をはじめたか
② 院生の人柄・性格
③ 研究室の雰囲気
④ 実験施設・設備
この記事を何回も読み直して、あなたが確認したいポイントをしっかりと頭に入れてから研究室訪問に臨みましょう。
そうすれば、必ず研究室訪問を成功させることができます!
研究室訪問の日程調整の方法は、こちらの【例文あり】研究室訪問の日程調整やお礼メールの送り方『コピペOK』の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。
また、研究室訪問を成功させる事前準備や持ち物については、こちらの【院試のプロ直伝】研究室訪問を成功させる事前準備・服装・持ち物の記事でまとめています。あわせてご覧ください。
ぜひ、研究室訪問で気になるポイントや疑問点を解消してください!!
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