大学受験では、教師・先輩・友人から受験に必要な情報を簡単に情報を得ることができ、書店に行けば赤本で志望大学の過去問と丁寧な回答を得ることができました。
しかし、大学院受験(院試)は、大学受験とは異なり、情報がほとんど出回っていません。
理由は以下の3点です。
- そもそも大学院受験経験者が少ない
- 受験する大学院、研究科、専攻により求められる知識が異なり一般化しにくい
- 説明会や研究室訪問、志望理由書や面接試験など筆記試験以外にもやることが多い
そのため、『情報収集をした人』と『情報収集不足の人』では、試験対策の効率が全然違えば、大学院合格率も大きく変わってくるでしょう。
とくに、他大学を受験する(外部受験をする)予定の人は、内部受験者と比べて情報が殆ど入ってこないのが現実です。
しかし、情報収集を諦めるのではなく、自分のコネやインターネットなどを駆使して、できる限り多くの情報を集めるようにしてください。
【大学受験=学力勝負】に対し、【大学院受験=学力+情報収集力勝負】です。
院試では情報収集力が合否を大きく分けます。
東大院試合格者はなぜ参考書より過去問を優先するのか?
- 過去問を20時間勉強した人
- 参考書を100時間勉強した人
この場合、圧倒的に前者の方が院試で高得点を取ることができると思います。
まずは参考書に手をつけるという人が多いですが、これくらい参考書よりも過去問のほうが重要です。
なぜなら、過去問を見ることで、始めて試験で問われる問題の種類・形式、知識の深さや広さを知ることができるからです。
試験で問われる内容(ゴール)を把握しないまま走り出してしまえば、大体の方向しかわからずに進むことになり、結果的にかなり大回りしてしまいます。
院試を始める場合は、過去問を見るのがスタートラインだと思うようにしてください。
過去問を先にチェックしないとどうなる?
過去問をチェックする目的は、ゴールを確認すること。
ゴールがわからずに参考書を解いても、何を覚えるべきなのかがわかりません。
すると、全ての知識を均等に覚えるしか方法はなくなってしまいます。
これがどれだけ時間を無駄にするかは、簡単に想像できると思います。
・微分方程式:100点
・微分積分:60点
・線形代数:30点
・確率統計:10点
過去問を見てチェックしていれば、微分方程式と微分積分を集中して勉強をすれば、簡単に高得点が狙えることがわかります。
しかし、過去問をチェックせずに参考書からはじめてしまうと、確率統計や線形代数の勉強にかなりの時間を割くことになってしまうのです。
しかも、時間を割いたところで試験の点数は少ししか上がりません。
このような人は、先に過去問をチェックするように変えるだけで、どんどん点数が上がっていきます。
確かに参考書をマスターすれば高得点狙えるけど・・・
- 「でも、参考書をマスターするに越したことはない」
- 「参考書をやり込めば高得点も狙える」
まず過去問チェックするべきというと、このように反論したくなる方もいると思います。
この反論は、間違っていません。
確かに、参考書の内容を完璧に理解すれば、過去問のチェックを後回しにしても、いきなり高得点を狙うことができると思います。
しかし、1冊の参考書をマスターするには、膨大な時間が必要だということを忘れないで下さい。
大学院進学を考えている人は、おそらく大学の講義、卒業研究、バイト、部活、サークルなどをこなしながら、余った時間を利用して院試の対策をしているでしょう。
社会人で働きながら大学院進学を考えている人は、さらに時間が足りないですよね。
であれば、「参考書をマスターすれば過去問のチェックは後回しでも良い」というような、大は小をかねる的発想は、机上の空論に過ぎません。
無理に実行しようとすると、どんどん自分の首をしめることにつながってしまいます。
このような発想をする人は、『完璧主義の人』に多いです。
少しでも「自分は完璧主義かも・・・」と思う人は、膨大な時間を消費する前に、ぜひこちらの記事をお読み下さい。
本当に過去問と似た問題がでるの?
「本当に過去問と似た問題がでるか不安・・・」
このように思う人は多いでしょう。
疑問に思うならば、過去問と似た問題が出るのかチェックするしかありません。
もちろん、大学院に「今年はどんな問題が出ますか?」と聞くわけにもいかないですよね。
似た問題が出るかどうか調べるためには、結局、過去問をチェックするしかないのです。
15年分も問題の出題傾向を確認すれば、過去問に似た問題が出題されるかとうかはわかります。
そして、院試ではほとんどの確率で同じ傾向の問題が出題されます。
院試の問題がガラッと変わらない理由として、以下の3つが考えられます。
それでも万が一、過去問と大幅に違う問題が出た場合でも、受験者全員条件は同じです。
腹をくくって、わかる問題から落ち着いて解いていきましょう。
院試対策の過去問と参考書の使い方
ここまでで、過去問の重要性を理解していただけたと思います。
しかし、だからといって参考書が全く不要というわけではありません。
むしろ、過去問の内容を理解するためには、参考書は不可欠であるとも言えます。
過去問と参考書をどちらも正しく活用することで、院試対策の時間を節約しながら、試験の得点を伸ばすことが可能になるのです。
それでは、過去問と参考書の使い方を見ていきましょう。
過去問の解説を手に入れても、基礎知識が不足していれば理解することは難しいです。
そのため、参考書で基礎知識を補う必要があります。
さらに言えば、参考書の内容が理解できないほど難解だったら、そこから先に進むことができなくなってしまいます。
そのため、参考書は、なるべく解説がわかりやすく、イラストが多いものがおすすめです。
英語や数学など、教科別のおすすめ参考書は以下も参考にしてみて下さい。
院試の過去問を優先すると、最短ルートで合格点に到達できる
いかがでしたでしょうか。
院試で参考書よりも過去問を優先するのは、効率的に勉強するため、すなわち最小限の時間で最大の成果を生み出すためです。
大学4年生になれば、卒業研究にも時間を取られますし、バイトや講義、定期試験、サークル、部活などもあり、院試対策に取れる時間は限られていますよね。
参考書よりも過去問を優先するを徹底する(過去問で出題傾向を確認する)ことで、少ない時間でも最短ルートで合格点に到達することが可能になります。
理由は以下の3点です。
勉強時間が成績に比例するというのはある程度真実ですが、過去問で出題傾向を分析しなければ、合格点到達まで2倍以上の時間はかかってしまうと思います。
それは、2倍の時間をかければ合格できるという単純な話ではありません。
試験当日までに2倍の時間を掛けられなかったために、不合格になってしまったという結果を招くと考えて下さい。
『院試対策は、過去問を見たときがスタート』
このことを忘れなければ、あなたは最短ルートで合格点まで到達することができます。
「院試ってなにすればいいの?」という方はこちらをご覧ください。
👉【これだけでOK】大学院受験でやるべき11のこと【東大院試】
(1) 試験は『欲しい人材』をチェックするために時間を掛けて考えられたものであり、欲しい人材の条件が1年で大幅に変わることはないから
(2) 試験作成する上で、過去問に似た問題を作るのが最も簡単だから
(3) 試験を大幅に変更すると、クレームなどのバッシングを受ける恐れがあるから