【東大院試対策】論理的思考能力?TMI・シス創・原子力国際の院試対策
大学受験では、教師・先輩・友人から受験に必要な情報を簡単に情報を得ることができ、書店に行けば赤本で志望大学の過去問と丁寧な回答を得ることができました。
大学院受験(院試)は、大学受験とは異なり、情報がほとんど出回っていません。
理由は以下の3点です。
- そもそも大学院受験経験者が少ない
- 受験する大学院、研究科、専攻により求められる知識が異なり一般化しにくい
- 説明会や研究室訪問、志望理由書や面接試験など筆記試験以外にもやることが多い
そのため、『情報収集をした人』と『情報収集不足の人』では、試験対策の効率が全然違えば、大学院合格率も大きく変わってくるでしょう。
とくに、他大学を受験する(外部受験をする)予定の人は、内部受験者と比べて情報が殆ど入ってこないのが現実です。
しかし、情報収集を諦めるのではなく、自分のコネやインターネットなどを駆使して、できる限り多くの情報を集めるようにしてください。
【大学受験=学力勝負】に対し、【大学院受験=学力+情報収集力勝負】です。
院試では情報収集力が合否を大きく分けます。
大学院受験(院試)で必要な情報は、こちら。
志望理由書(研究計画書)や面接試験の対策についてはこちら。
英語の試験対策と失敗しない参考書選びはこちら。
数学の試験対策と合格者の使用した参考書はこちら。
『TMI』『シス創』『原子力国際』共通の論理的思考力を見るための数理的問題って?
・思考力やひらめきを必要とする、高校数学までの範囲の問題。誰でも解ける可能性があるが、対策が難しい
いわゆる、判断推理・数的推理と呼ばれる問題と似ている
例)虫食い算、暗号、確率など
H28年度の問題例
【第14問】
以下に示す掛け算の答えを求めよ。ただし,各アルファベットは 0 から 9 までの異なる整数を表している。
『東京大学大学院HPより抜粋(http://www.sys.t.u-tokyo.ac.jp/admissions/regularadmission/)』
※解答は本記事の一番下に記載
H30年度の問題例
【第2問】
ある暗号で「system」が「022, 002, 022, 021, 211, 112」,「utokyo」が「020, 021, 110, 121, 002, 110」であるとき, 「202, 120, 221, 120, 012, 011」で表される文字列を理由とともに示せ
『東京大学大学院HPより抜粋(http://www.sys.t.u-tokyo.ac.jp/admissions/regularadmission/)』
※解答は本記事の一番下に記載
論理的思考力を見るための数理的問題の対策とおすすめ参考書
論理的思考力を見るための数理的問題の対策で最も大切なのは、なるべく多くの問題に触れることです。
「ひらめきの問題は苦手」と始めは感じることがあるかもしれませんが、10問、20問と問題に触れるうちに、解答のパターンが分かるようになってきます。
最低限でも【過去問10年分2周】。
可能であれば、【過去問は15年分3周+参考書】は解くようにしましょう。
実際に解いてみて試験に役立ったと感じた参考書を以下に紹介します。
論理的思考力を見るための数理的問題、おすすめ参考書・問題集
1. 上・中級公務員 判断推理・数的推理
問題数、問題の質ともに、この参考書を解けばTMI、シス創、原子力国際の院試に役立つこと間違いなしです。
しかし、イラストなどはほとんどなく、ただ問題文が並んでいるだけです。
「イラストがたくさんあって、視覚的にも楽しみながら勉強したい!」という方は、次に紹介する参考書がおすすめです。
こちらは、古き良き参考書です。
上・中級公務員 標準判断推理―確かな解答力が身につく“基本書”
上・中級公務員標準数的推理―基礎から体系的に学べる“基本書”
2. 畑中敦子シリーズ 判断推理・数的推理
畑中敦子さんは、公務員試験を受けるならば、知らない人はほとんどいないと言っていいほど有名です。
こちらはどんどん最新版がリリースされており、視覚的にも楽しんで問題を解くことができます。
院試対策としても申し分なく使用できる参考書です。
まとめ:論理的思考能力は専用の対策が必要
いかがでしたでしょうか。
論理的思考力を見る数理的問題は、はじめて見たときは「本当に院試の問題か?」と思ったほど他の専攻とは趣向が違います。
思考力、ひらめき、思考の柔軟性。
大学数学の試験は、単純に勉強量でカバーできますが、論理的思考力を見る数理的問題はそうはいきません。
回答パターンをしっかりと頭に叩き込みながら、色々な問題を解くことで、試験本番までにしっかりと対応しておきましょう。
配点もかなり高い(英語試験よりも高い)ので、論理的思考力を見る数理的問題の対策をしっかりすれば、合格がかなり近づきます。
また、『研究室訪問の流れ』『志望校を決める際の注意点』『過去問の入手方法』など、院試を決めたやるべきことは、以下の記事でこれでもかというほど記載しているので、そちらもご覧ください。
「二流大学→東大・京大を受験する際のデメリット」「内部と外部の院試対策・時期の違い」「出身大学と年収の関係」は以下の記事にまとめています。
あわせてご覧ください。
例題の解答
H28 【第14問】
以下に示す掛け算の答えを求めよ。ただし,各アルファベットは 0 から 9 までの異なる整数を表している。
<解答>
【パターン①】
最後の答えが左右対称になっていることに注目します。
足し算も左右対称なことから、繰り上がりがまったくないことがわかります。
F+G+A+G+F<10なので、『A=3、F,G=1or2』が確定します。
あとは場合分けをして正しい答えを見つけるだけです。
【パターン②】
掛け算の途中式が、AAAAAA,FFFFFF,GGGGGGとキレイすぎることに注目します。
このように6桁すべてが同じ数字になる掛け算のパターンはほとんどありません。
AAAAAA,FFFFFF,GGGGGGにどのような数字が当てはまるとしても、111111の倍数ですよね。
111111÷3=37037。37037×2=74074。このことに気がつけば、一番上のABCAB=37037or74074ということがわかります。
あとは実際に当てはめて計算すれば答えはすぐにわかります。
H30 第2問
ある暗号で「system」が「022, 002, 022, 021, 211, 112」,「utokyo」が「020, 021, 110, 121, 002, 110」であるとき, 「202, 120, 221, 120, 012, 011」で表される文字列を理由とともに示せ
<解答>
0,1,2という3つの数字しか使っていないことに注目しましょう。
3つの数字しか使わない場合、3桁の数字のパターンは3×3×3の27通り。
アルファベットは全部で26文字。
『y=002』であることから、『z=001』を予測できれば、27通りから000を除いた26通りが、z~aに当てはまることに気づくことができます。
院試MENU