志望理由書(研究計画書)も面接試験も、対策は似ている!
大学院を受験する際に、志望理由書(研究計画書)の事前提出を要求されるパターンがあります。
「少し面倒くさい」と思われるかもしれませんが、研究計画書を書くことにはメリットがたくさんあります。
また、志望理由書(研究計画書)を要求されなくても、ほとんどの大学院では面接試験が存在します。
面接試験でも、問われることは志望理由書(研究計画書)と大差ありません。
そのため、面接試験も志望理由書(研究計画書)も、同じような対策をする必要があります。
まずは面接試験からみていきますが、その前に情報の正当性や正確さを証明するため、簡単に大学院受験に関する私の経歴を紹介します。
- 「他大学の院を受験した人が周りにいなくて情報が全然ない」
- 「調べても院試の情報がほとんど得られなくて不安を抱えている」
このような方のために、大学院受験(院試)で必要な情報を、こちらの記事に詰め込んでいますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
志望理由書(研究計画書)や面接試験の対策は、院試の対策のほんの一部です。
面接は点数化される場合とされない場合がある
章タイトルのように、面接試験は点数化される場合とされない場合とがあります。
換言すれば、合否に大きく関わるか、ほとんど関わらないかの違いです。
ここで、ほとんどと記載しているのは、面接を行う以上、合否に全く関係がないとは言えないためです。
大学院関係者(試験官)の立場で考えると、会話がきちんとできない人、面接の態度が著しく悪い人、大学院で研究をする気のない人は入学させたくないですよね。
そのため、どのみち面接対策は行う必要があります。
しかし、筆記試験対策との時間配分などを考慮する際に、面接が合否に大きく関係するかどうかは重要な要素であるので、面接試験が点数化されるかどうかをチェックする方法を紹介します。
①各大学院のHPで面接の配点があるかチェックする
(例)東京大学大学院 工学系研究科 システム創生学専攻
数学300点 英語 150点 小論 150点 面接 200点
②各大学院のHPで面接が二次試験に位置づけられているかチェックする
①や②に当てはまる場合は、面接時間は10分~20分。
当てはまらない場合は、面接時間は5分~10分くらいです。
また、人数は1:3から1:10くらいまで想定しておきましょう。
『専攻に所属する教授の数』÷『面接会場の数』で、おおよそですが面接官の人数を計算できます。
そこに、司会の人が加わるか否かといったところです。
もちろん、①、②のどちらにも当てはまらないケースでも、受験の合否や研究室への配属先に多少なりとも影響を与えるでしょう。
次に、本サークルの難関大学院受験者約20名が、面接試験で聞かれたことをまとめているので、自分ならどう答えるかをしっかりと考えてみてください。
面接試験でよく聞かれる質問とポイント
難関大学受験者が、面接で聞かれた質問及びそのポイントをまとめました。
どの質問にも対応できるように準備してください。
院試で何を見られているのかはこちらをご覧ください。
「大学院でどのような研究をしたいか?」
なぜこの専攻を志望しているのか?
なぜこの研究室を志望しているのか?
この質問は、ほぼ100%聞かれる質問です。
類似質問にもあるように、専攻・研究室・研究内容を統括した質問なので、これらすべてを絡めて解答ができるとベストです。
- 大学院ではこんな研究がしたい
- なぜなら・・・
- そのため、この専攻・研究室を志望している
・大学院でやりたいことを明確にイメージできているか
・やりたい研究と、志望する専攻、研究室に齟齬がないか
「大学でどのような研究をしているのか?」
この質問も、よく聞かれます。
といっても、よほど教授が興味を持たない限りは深く突っ込まれることはありません。
きちんと大学で研究をしているか、自身の研究内容を把握しているかということを問われています。
換言すると、「大学院できちんと研究をしてくれるか」を見られているということです。
わかりやすく、簡潔に伝えることを意識してください。
意欲をもって主体的に研究している様子を伝えられるとさらにいいです。
・専門用語をなるべく排除した、わかりやすい、簡潔な説明になっているか
・誰かのうけうりではなく、自分のことばで説明できているか
・誰が聞いても一回で理解できる内容になっているか
「他にどこを受験しているか?」
この質問も70%くらいの確率で聞かれます。
隠す必要はありません。受験している大学院・専攻を伝えましょう。
関連性の高い専攻のみを志望している場合は、とくに深く質問されることはないと思います。
しかし、関連性の薄い専攻(例えば、文系と理系など)を志望している場合は、理由を聞かれることも。
しっかりと回答を用意しておきましょう。
・一貫性のある専攻を選択しているか
・関連性が薄い場合、きちんと理由を答えられるか
「受験している大学院・専攻に全部受かったらどこに入るか?」
複数の大学院・専攻を受験していると伝えた場合は、そのあとに「全部受かったらどこに入るの?」と聞かれるケースが多いです。
回答は、3つのパターンに別れます。
1. 第一志望なので、「ここに入ります」と回答する
2. 第一志望ではないが、「ここに入ります」と虚偽を交えて回答する
3. 第一志望ではないため、「〇〇に入ります」と正直に回答する
パターン1であれば、なにも問題はないと思います。
問題は、第一志望ではない場合、パターン2とパターン3どちらの回答をするかですよね。
結論をいうと、「どちらでも大した違いはない」です。
教授達(試験官)の立場で考えると、「合格者を少なくしすぎて、定員割れの研究室がでることは避けたい」という気持ちからの質問でしょう。
さすがに、「第一志望じゃない」と伝えたせいで、不合格にさせられることはないと思います。
しかし、面接官も人間ですので、表面上表れなくても、不快にさせたり、印象が悪くなったりする可能性は0ではありません。
「第一志望じゃない」と伝えるのがどうしても不安な人は、パターン2の回答をしてもいいかもしれません。
専門的な質問
専門的な質問は、必ず質問されるパターンと、こちらの回答に対して質問されるパターンの2つがあります。
そのため、志望する研究室で現在行っている主な研究や、教授の執筆した論文などは、いくつか読んでから面接試験に望んだほうがいいでしょう。
面接試験対策だけでなく、志望する研究室を決める際にも、HPで調べたり、論文を確認するくらいはしたほうがいいかもしれません。
(1) 全員に同じ質問がされる
例)あなたにとって国際協力とはなにか?
(2) こちらの回答に対して質問される
例)ゲーム理論の具体例なにか言える?
→「大学院でどのようなことがしたい?」「なんでこの研究室を志望しているの?」
このような質問に対して、深く意味を理解しないまま専門用語をしようしてしまうと、突然詰められるケースがあります。これらの質問に対して回答が詰まってしまうと、勉強不足が露見してしまうので注意しましょう。
コラム:院試の面接試験は圧迫面接?
院試の面接試験は圧迫面接ではありません。
- 「なんでこの研究室を志望しているの?」
- 「この研究室じゃなきゃだめなの?」
- 「他の研究室でもできるんじゃない?」
このような質問を受け、圧迫面接のように感じた人は何人かいましたが、原因は準備不足によるものだと思います。
- 「あれ?この大学じゃなくてもできるんじゃないか?」
- 「あれ?他の研究室でもいいんじゃないか?」
このような疑問を感じたら、どんどん質問をされます。
1つの回答に対して、「なぜ?」と3回は問いかけられてもいい準備をしておきましょう。
自分一人では気づかないこともたくさんあるので、教授、先輩や友人などに頼んで、面接の練習をしてもらうことをおすすめします。
面接試験でたまに聞かれる質問と全体的なポイント
上述した5つの質問は、かなり聞かれる可能性の高い質問です。
その他、聞かれる可能性は低いですが、回答を準備しておきたい質問をご紹介します。
(1)「試験の出来栄えは?」「何点くらい取れたと思う?」
(2)「修士で就職する?博士まで進む?」
(3)「将来はなにをしたいの?」
(4)「研究室の情報はどうやって得たの?」
(5)「第一志望の研究室じゃなくても来る?」
(6)「大学ではなぜその研究を選んだの?」
面接のさいの服装、髪型、姿勢、表情などの見た目の注意点はこちらもお読み下さい。
志望理由書(研究計画書)の対策
・Word1枚程度(1200~1600字程度)
・筆記試験より前に提出
・面接試験時に試験官が見る
志望理由書(研究計画書)は事前に郵送で提出するパターンが多いと思います。
接試験のときに試験官が一人一枚見ていましたが、分量も大したことがないので、面接試験で気になる部分を深堀りされます。
おそらく、事前の読み込みはされていませんでした。
最高でも1600字程度しか書けないため、面接試験の対策を先にしてしまえば、後は文字に起こすだけです。
しかし、書面化するということは、提出後の軌道修正や誤記修正は行えないので、しっかりと時間を書けて準備・見直しを行いましょう。
「うまくまとめられない」という人は、以下の順番を意識してみて下さい。
こちらも、書き終わったら複数人の第三者にチェックしてもらい、何度もブラッシュアップするようにしましょう。
他大学の院試を考えている人は、こちらの【学歴ロンダリングで東大・京大に】就職、いじめなど疑問を徹底解説の記事もあわせてご覧ください。
志望理由書・面接対策まとめ
いかがでしたでしょうか。
筆記試験と違い、自身で数値化できないため、対策をおろそかにしてしまうのが志望理由書や面接試験です。
面接試験に関しては、紙に書き一人で黙読するだけでは対策としては少し弱いです。
実際に声に出し、何回も誰かに聞いてもらい、「なぜ?」と理由を深堀りしてくことで、面接試験本番でもスムーズに口から言葉がでるようになるでしょう。
脅すわけではないですが、1次の筆記試験は通ったけど、2次の面接試験で落ちたという人は意外と多いです。
志望理由書や面接試験対策は大学4年生になってからの対応で問題ないですが、しっかりと対策に時間を取れるように、大学3年生までに筆記試験の対策をできるだけ進めておきましょう。
「ぜひ、うちの専攻に来て欲しい!」と思ってもらえるように、志望理由書と面接試験も手を抜かずに、しっかりと対策するようにしてみてください。
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