東大生は勉強中に耳栓をつける人が多い?
①耳栓
②タイマー
③消せるボールペン(青)
勉強中、集中するために欠かせない最も大切なアイテムが『耳栓』であるという話をしました。
私は、耳栓のある無しで、集中力が大きく変わってしまいます。
そして、東大に入って始めて気づいたのですが、東大生は勉強中に耳栓をつけている人が多いです。
私は、図書館、カフェ、ファミレス、ファーストフード店、自習室など、様々な場所で勉強してきました。
学生時代は東大の図書館で毎日のように勉強していましたが、そこで耳栓やインナーイヤーイヤホン(イヤホンジャックはどこにもつながっていない)をつけて勉強をしている人をよく見かけました。
では、なぜ耳栓を付けると、勉強に集中できるのでしょう。
本記事では、この疑問を解決していきます。
1つに絞ると集中力が上がる【3つの例】
『耳栓を使う=聴覚を奪う=勉強1つだけに集中する』ということです。
- 「右手で文字を書きながら、左手で計算をできますか?」
- 「家がごちゃごちゃしている環境で集中できますか?」
- 「不安や雑念を抱えたまま、目の前の作業に集中できますか?」
人は、1つに絞ることで、ものすごい集中力を発揮することができます。
- マルチタスクよりシングルタスク
- 作業中は他の情報を入れない
- 作業のことだけ考える
1つに絞ることの大切さを深く理解するため、まずは、『1つに絞ると集中力が上がる』3つの例をみていきましょう。
マルチタスクよりシングルタスク
・1度に1つずつタスク(作業)を行うこと
【マルチタスク】
・同時に複数のタスク(作業)を行うこと
シングルタスクとマルチタスク。
聞いたことがありますよね。
「同時に複数処理できるマルチタスクの方が効率がいい!」と思う人もいると思いますが、実は違います。
シングルタスクの方が、断然生産性が高いです。
マルチタスクとは、厳密に言えば、高速で脳が活発に活動する箇所が切り替わっている状態。
- 運転中のスマホを見ると、注意が散漫になる
- 友達と話に夢中になっていると、車が近づいてきていることに気づかない
このような例であれば、マルチタスクの難しさがわかりやすね。
デボラ・ザック氏は、著書『SINGLE TASK 一点集中術』(ダイヤモンド社)の中で次のように述べています。
マルチタスクは常に気が散っている状態であり、シングルタスクにすると生産性は10倍になる
マルチタスクよりシングルタスクの方が生産性が上がるのは、1つに絞ると集中力が上がる代表例の1つです。
必要のないものは捨てる
「部屋がごちゃごちゃしていると集中できない」
「資料が散らばっていて、すぐに作業が途切れる」
このような経験はないでしょうか。
最近は『ミニマリスト』という最小限のモノだけで暮らす人たちが増えてきています。
自分にとって本当に必要な物だけを持つことで、かえって豊かに生きられるという考え方です。
机の上を掃除してキレイになったり、家から不要なものを処分して家が広く感じられるようになると、気分が晴れやかになりわくわくしますよね。
実はこれ、脳も一緒です。
授業風景を思い出してみて下さい。
普通は、先生が前で一人で話していますよね。
しかし、先生だけでなく、何人もの生徒が大声で会話していたら、先生の声だけに集中することは難しくなります。
部屋も脳も、不要なものがいっぱいになると、必要なものが埋もれてしまうのです。
また、メンタリストのDaigoさんも、『自分を操る超集中力』(かんき出版)の中で、「モノを減らすほど、自己コントロール力が増す」と述べています。
さらに、散らかっていた部屋で作業をしていたグループのほうが気が散りやすく集中力がなくなっていた、という心理学の実験結果もあります。
必要なものは、必要なものだけに。
必要のないものは、モノも情報も捨てることで、集中力は高くなります。
ワーキング・メモリをフル活用する
・情報を一時的に保つ脳の機能。作業記憶、作動記憶ともいう
ワーキング・メモリとは、『第三の記憶』あるいは『脳のメモ帳』と呼ばれています。
- 会話の内容を覚え、的確に返答する
- 頭のなかでお釣りの計算をする
- 文章を読んで理解する
このようなときに、ワーキング・メモリを使用しています。
しかし、ワーキング・メモリの容量は無限ではありません。
『会話の内容を覚え、的確に返答する』だけであれば、誰でも自然と行っています。
しかし、『会話の内容を覚え、的確に返答する』『頭のなかでお釣りの計算をする』『文章を読んで理解する』これを3つ同時にやってくださいと言われると、かなり難しいですよね。
なぜかと言うと、1つの作業に使えるワーキング・メモリの容量がおよそ1/3になってしまうからです。
このように、ワーキング・メモリから考えても、1つに絞ることで集中力や作業効率がかなり上がるのです。
耳栓で聴覚を奪え【ディストラクション効果】
・五感への刺激が強ければ強いほど、注意力が拡散してしまう効果
天気のいい日は屋外で説得する
ビジネスなどで使える交渉術の面白いデータがあるのでご紹介します。
心理学者の内藤誼人さんは、著書『人の心を手玉に取れる 心理操作』(KKベストセラーシリーズ)の中で、「天気のいい日は屋外で説得してみろ」と述べています。
屋内というのは開放感があり、心がオープンになりやすい場所です。
さらに屋外は、視覚、聴覚、嗅覚と、あらゆる刺激に満ちています。
私達は、五感への刺激が多ければ多いほど、注意力が拡散されてしまう(ディストラクション効果)ため、説得にとってはおおきな促進要因となります。
以上2つの理由から、説得の際は屋外が効果的だと言われています。
五感への刺激を減らせば、集中力が上がる
Q.「東大生はなぜ耳栓をつけて勉強しているのか?」
A.「集中して勉強できるから」
Q.「なぜ耳栓をつけると集中できるのか?」
A.「五感への刺激を減らすことで、集中力が増えるから」
東大生が勉強中に耳栓をつける人が多い理由は、上の2つの質問で解決です。
『五感への刺激を減らせば、集中力があがる』と聞いても、あまりピンとこないかもしれません。
しかし、実は私達は、自然とこのことを実践しているのです。
- 音楽を聴くときに、目を閉じる
- 香りをかぐときに、目を閉じる
どちらも自然にしてしまう動作ですよね。
どちらの動作も、五感の1つである視覚を遮断することで、聴覚や嗅覚に集中しているのです。
勉強中、リスニングの勉強などを除き、聴覚から入ってくるのは次のような雑音です。
- 風の音
- 人の話し声
- 人の足音
- チャイムの音
- 工事現場の音
- 時計の針の音
これらの音が一度気になってしまうと、100%勉強に集中することができなくなります。
聴覚や嗅覚に集中するときに、自然と目を閉じてしまうように、勉強中は耳栓をつけ、聴覚を遮断することにより、より高い集中力を発揮できるようになるのです。
勉強で結果を出してきた人は、自分で集中できる勉強のスタイルを確立しているものです。
東大生に耳栓をつける人が多かったのは、勉強スタイルを確立する際に、聴覚を遮断することが集中力を増えることに気がついたことが原因であると思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
- 大音量の音楽が流れている場所で勉強する
- ごちゃごちゃした机の上で勉強する
このような場所だと、なかなか集中できないですよね。
私達は、五感への刺激が多ければ多いほど、注意力が拡散されてしまいます。(ディストラクション効果)
勉強に関する刺激であれば問題ないのですが、勉強とは全く関係のない人の話し声や風の音などの雑音は、集中力を阻害する原因になってしまいます。
カフェやファミレスなど、人がたくさんいるところで勉強するときや、周囲の音が気になるときなどは、まさに聴覚への刺激で注意力が拡散している状態です。
私も作業中は耳栓をつけるようにしていますが、耳栓があるかないかでは作業効率、集中力がかなり違います。
そのため、家用と持ち歩く用に最低2つの耳栓を常備しているほどです。
一度試してみるとすぐに違いを実感できると思います。
作業中の集中力を高めるためにも、ぜひ耳栓をつけてみていただけると、幸いです。
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