睡眠前の習慣が人生を左右する
「寝不足で疲れが取れず体が重い」
「ベッドに入っても、全然眠れない」
「日中、眠気のせいで仕事に身が入らない」
「たくさん寝たはずなのに、熟睡感がない」
このような悩みを抱えている人はたくさんいると思います。
とくに、日本は『睡眠偏差値が最も低い国』と言われるほど、睡眠に対する意識が低い国でもありあます。
スタンフォード大学医学部教授である西野精治さんは、睡眠について次のように述べています。
- 睡眠とは最強の味方であり、敵に回すと最悪な恐ろしい相手
日本の睡眠偏差値を考慮すると、半数以上が『睡眠は最悪な恐ろしい相手』と化しているのではないでしょうか。
満足な睡眠を取れない日が続くと、以下のようなリスクがあります。
- 『集中力の低下』
- 『記憶力の低下』
- 『思考力の低下』
- 『免疫力の低下』
- 『心筋梗塞や脳梗塞などのリスクの向上』
- 『インフルエンザなどの感染症、がんの誘因になる』
- 『高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の悪化』
満足な睡眠が取れていないことによるリスクは、以下の記事でも詳しく解説しています。
本記事では、睡眠を最強の味方につけるための、【絶対にやってはいけない】『睡眠前の悪習慣』を8つ、ご紹介します。
それでは早速、今すぐやめるべき習慣を詳しくみていきましょう。
絶対にやってはいけない。睡眠前の悪習慣8選
① 寝る前にスマホやテレビをみる
② 17時以降にカフェインを摂取
③ 帰宅中の電車でうとうとする
④ 帰宅直前にコンビニに寄る
⑤ 布団の中でのスマホや読書
⑥ 夕食をどか食いする
⑦ 寝る直前に入浴する
⑧ 寝酒をする
あなたが何気なく行っている、睡眠前のちょっとした習慣が、もしかしたらあなたの睡眠を妨げているかもしれません。
ショートスリーパーでもない限り、人生の3/1~4/1は睡眠の時間です。
こんなにも大量の時間を費やしているにもかかわらず、正しい睡眠の知識は学校では教えてくれません。
まずは、睡眠前に何気なくしている『8つの悪習慣』を紹介するので、もしあてはまる行動がある方は、これから注意するようにしてみてください。
睡眠が変われば、あなたの人生が好転します。
① 寝る前にテレビやスマホをみる
・体内時計に働きかけ、自然な眠りをサポートするホルモン。睡眠ホルモンとも呼ばれる。
【ブルーライト】
・テレビやスマホから出る、青色光。
ブルーライトを見続けると、眠気を誘うメラトニンの分泌と体温低下が抑制されてしまう。
人が自然と眠りにつけるように、睡眠を促す物質があります。
それが、メラトニンというホルモンです。
メラトニンは、『眠りの誘惑物質』とも言える成分であり、スムーズに眠り、質の高い睡眠をとるために重要なホルモンです。
しかし、テレビやスマホから出る「470ナノメーター」というブルーの領域といわれる特定の光(ブルーライト)を感知すると、メラトニンの合成と分泌が抑えられることがわかっています。
つまり、メラトニンの分泌が抑えられることによって、体が昼間だと勘違いし、夜なのに眠れなくなってしまうのです。
また、澤田彰史さんが書いた『ぐ~たらな私の はじめてのアンチエイジング』(総合法令出版)では、夜スマホを使いすぎると、髪が老化すると述べています。
理想をいえば、眠る2時間前からはテレビやスマホをシャットアウトするのがよいです。
私は、夜遅い時間にスマホを見る必要があるときは、スマホの画面の明かりをなるべく抑え、『おやすみモード』に設定しています。
こうすることで、少しでもブルーライトの浴びる量を減らすことができます。
② 17時以降にカフェインを摂取
・コーヒーや栄養ドリンクに含まれる成分。アデノシンの「睡眠誘発作用」をブロックする働きがある。
【アデノシン】
・睡眠誘発作用をもつ物質。
コーヒーや栄養ドリンクを眠気覚ましにつかっているサラリーマンの方は多いと思います。
私の職場でも、コーヒーを片手に仕事をしている人も何人もみかけました。
実は、カフェインそのものが眠気を覚ます効果を持っているのではなく、アデノシンのもつ睡眠誘発作用をブロックすることによって、自然な眠気を人工的にブロックしているのです。
もちろん、寝る前にカフェインを含むコーヒーや栄養ドリンクを摂取すれば、当然眠りを妨げることになります。
カフェインを摂取してから効果が薄れるまでにかかる時間は個人差があり、通常2時間半~4時間半くらいと言われています。
「じゃあ、寝る4時間半前までは飲んでもいいのか」
ではなく、夕方17時以降にはコーヒーや栄養ドリンクを飲まないなど、自分の中でルールを決めてしまいましょう。
私は、『16時以降に飲むコーヒーはカフェインレスにする』とマイルールを定めています。
無類のコーヒー好きで、「17時以降にコーヒーを飲まないなんて無理だよ」と思われる方も中にはいると思います。
そんな方は、私と同じように、カフェインレスのコーヒーを注文することでカフェインの摂取を控えるようにしましょう。
時間を気にせずカフェインを摂取していた人は、17時以降にカフェインを摂取しないだけで、睡眠の質がかなり変わります。
③ 帰宅中の電車でうとうとする
朝早く家を出て、満員電車で会社につく頃にはすでに疲れ気味。
日中はずっと働いて、やっとその日の仕事が終わって帰宅。
「今日もやっと終わりだぁ」
とホッと気が緩み、披露もピークになる帰りの電車は、どうしても眠くなってしまいます。
運良く座れた日には、車内で爆睡なんて人も少なくないでしょう。
しかし、夕方以降の睡眠は、その日の睡眠の質を著しく下げるだけでなく、日々の睡眠リズムを乱すことになりかねません。
帰りの電車で熟睡してしまうと、寝室に入ってからの寝付き悪くなります。
すると、睡眠のリズムが乱れ、翌朝の目覚めまで悪くなってしまいます。
中途半端な時間に寝てしまうのは、絶対にやってはいけない行動の一つです。
私は、帰宅途中の電車では座ると寝てしまうので、席が空いていても座らないようにしています。
帰宅途中の電車で寝ないことが習慣になり、睡眠の質が改善されると、段々と帰りの電車でも眠くならなくなります。
夕方以降は寝ないよう、注意してみてください。
④ 帰宅直前にコンビニに寄る
先程も出てきましたが、メラトニンは、『眠りの誘惑物質』とも言える成分であり、スムーズに眠り、質の高い睡眠をとるために重要なホルモンです。
そして、メラトニンの分泌が止まる光の強さは、1000~2500ルクス以上です。
一般的な過程では、テーブルの位置で大体500ルクス程度の明るさです。
では、コンビニエンスストアの証明は、どの程度の明るさがあるでしょうか。
正解は、コンビニの証明は2500ルクス以上と非常に明るいのです。
当然、コンビニに入るだけで、メラトニンの分泌がストップすることになります。
コンビニは24時間営業が多く、どこにでもあるのでとても便利です。
しかし、快眠戦略のためには、夜遅い時間にコンビニに行くのは避けましょう。
コンビニにいくと、ついスナック菓子などのジャンクフードを買ってしまい身体に悪影響があるばかりか、雑誌の立ち読みなどを始めると、長時間強い光に照らされることになります。
毎日帰宅前にコンビニに行ってしまうという人は、まずはその習慣を変えていきましょう。
何度も言うように、メラトニンは快眠のためにものすごく重要なホルモンです。
メラトニンの分泌がストップされると、自然に眠くならず、睡眠の質も低くなってしまうので気をつけましょう。
⑤ 布団の中でのスマホや読書
「ソファでは眠かったのに、ベッドに入ると眠くない」
こんな経験はないでしょうか。
私達の脳は、場所と行為をセットで記憶するという特徴を持っています。
例えば、いつも定位置で本を読んでいれば、その場所に行ったときに以前読んだ本の内容が思い出しやすくなります。
実はこの、場所と行為をセットで記憶する仕組は、睡眠と深く関わっています。
- ベッドで考え事をしていると、次にベッドに行くと考え事をする脳の反応がつくられる
- ソファで眠ると、ソファ=眠る場所と記憶され、ベッドに行ったときになかなか眠くなくなる
このような現象が起きてしまうのです。
とくに、ベッドでスマホをいじったり、本を読んだりする習慣がある人は要注意です。
眠くなったらベッドに移動するようにし、ベッドの上では”寝る”以外の行為を行わないようにすることで、ベッド=寝る場所という記憶を脳にうえつけることができるようになります。
⑥ 夕食をどか食いする
食事も睡眠と関わりがあります。
朝食、昼食、夕食のうち、もっとも量を少なくするべきなのが、夕食です。
『医者が教える食事術』(ダイヤモンド社)の著書である牧田善二さんは、『朝:昼:夜』=『3:5:2』が理想であると述べています。
また、睡眠時間が短くなると、食欲を抑制する「レプチン」の分泌が低下し、食欲を増進する「グレリン」の分泌が増えることもわかっています。
- 睡眠が不足している
- 夕食をたくさん食べてしまう
- 肥満になる
- 睡眠時無呼吸症候群になりやすくなる
- さらに睡眠の質が悪くなる
夕食や夜食のどか食いが習慣になってしまうと、このような悪循環に陥ってしまう危険があります。
また、夕食のどか食いは、身体を休める睡眠の時間にもかかわらず、胃や腸が忙しく活動させてしまうことにも繋がります。
たくさん食べたいという人は、夕食の食事量を朝や昼に分け、夕食の食事量を少しづつ減らしていくようにしましょう。
⑦ 寝る直前に入浴する
人の眠気は、体温が急激に下がっていくときに起こります。
そのため、夜にお風呂に入ることは、睡眠の質を高めるかなり効果的な方法と言えます。
しかし、注意しなければいけないポイントがあります。
それは、体温が急激に下がるのは、お風呂を上がってから60分~90分の時間がかかるということ。
つまり、寝る直前に熱いお風呂に入り、身体の中から温まってしまうと、なかなか体温が下がらないため、眠れなくなってしまうのです。
お風呂に入ってゆっくりすると、身体もほぐれ、リラックスできます。
一日の疲れを癒やすためにも、入浴は大切です。
体温が高いときはベッドに入っても眠ることができません。
お風呂からあがる時間は、睡眠の直前ではなく、就寝時間からおよそ90分前にすることで、スムーズな入眠と質の高い睡眠が期待できます。
いつもより早く寝るときも遅く寝るときも、睡眠時間と入浴時間はセットでずらすようにしてみてください。
⑧ 寝酒をする
菅原洋平さんが書いた『誰でもできる!「睡眠の法則」超活用法』(自由国民社)の中で、寝酒率の調査が記載されています。
その調査によると、日本は、眠るためにお酒を飲む人が30.3%もおり、調査対象になった先進10か国の中で最も寝酒率が高いそうです。
お酒を適量以上に飲むことによって睡眠に与える悪影響は、以下のようなものがあります。
- 深いノンレム睡眠が出現しなくなる
- アルコールの利尿効果により、夜中になんどもトイレに行きたくなる
- 脱水症状になりやすく、睡眠の質がさらに低下する
お酒を飲むと、確かに寝付きがよくなることがあるかもしれません。
しかし、質の高い睡眠をすることができなくなるため、寝酒は睡眠に大敵です。
ただし、日本酒1合程度であれば、寝る100分前に飲むと寝つきがよくなり、翌日のコンディションも妨げられないとの報告もあります。
とはいえ、少しでやめようと思っても、お酒を飲み始めるとセーブすることは難しくなってしまうもの。
睡眠の質を高めるためには、寝酒は控えるのが最もいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
人は、一日のうち6時間~8時間くらい寝ています。
幼少期はさらにたくさん寝ていたでしょう。
つまり、人生の3/1~4/1は睡眠時間という計算になるのです。
本記事で紹介した、以下の『絶対にやってはいけない。睡眠前の悪習慣8選』は、睡眠の質を低下させる最たる原因と言えます。
- 寝る前にスマホやテレビをみる
- 17時以降にカフェインを摂取
- 帰宅中の電車でうとうとする
- 帰宅直前にコンビニに寄る
- 布団の中でのスマホや読書
- 夕食をどか食いする
- 寝る直前に入浴する
- 寝酒をする
よく眠れているかどうかは、日中活発に活動できるかに直接影響を与えます。
本記事で紹介した8つの悪習慣に心あたりがある方は、ぜひ気をつけていただけると幸いです。
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